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おすすめラジオクラウド 荻上チキ『シュガー・ラッシュ:オンライン』を語る

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こんにちは。文字起こし職人のみやーんです。僕が選んだラジオクラウドのおすすめコンテンツを紹介するコーナーの第37回目。
今回は『荻上チキ Session-22』より、荻上チキさんによるディズニー映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』解説です。

『ディズニープリンセスと幸せの法則』という『アナと雪の女王』までのディズニー作品のプリンセスの描かれ方の変遷についての著書がある荻上チキさん。さらにそのディズニープリンセスの流れ・系譜を更新する作品となった『シュガー・ラッシュ:オンライン』について、その見どころを紹介していきます。


荻上チキ:『シュガー・ラッシュ:オンライン』という映画を見てきまして。かねてから楽しみにしていたものなんですけれども……よかったですね。

南部広美:フフフ、「よかったんだな」っていうのが表情でもう伝わってきます(笑)。

荻上チキ:そうですね。もともと僕はマーベル作品も大好きなんですけれども、同時にディズニーの、特にプリンセス物もそうだし、ピクサー映画もそうだから。そういった、その新しいアニメーションの系譜がとても好きで見続けているんですね。で、その都度その都度、ディズニーが作る作品とかを含めて、単体でもちろん作品は発表されるんだけれども、その一方で「系譜」というか「流れ」で映画を見ていくっていう、もうひとつの楽しみ方を持ってるんですね。

南部広美:ああ、連なりをね。

荻上チキ:そうそう。だからたとえば『白雪姫』が最初のプリンセス映画として登場してからもう90年近く経つわけですよ。それくらいの期間の間に、その「プリンセス」というものの描かれ方はどんどんどんどん変わっていって。非常に注目をされた『アナと雪の女王』から、そこからさらにディズニーはいろいろなヒーロー物とかドラマとか、いろんなものを描いてきたわけですよね。

南部広美:「現代を象徴する形での」っていうことで。チキさんの著書の中にも途中まで全部書いてありますよね。

荻上チキ:そうですね。『アナと雪の女王』までは書いてあります。で、今回はその『シュガー・ラッシュ:オンライン』という作品、『シュガー・ラッシュ』という前作の続編ということになるんですけれども、前作を見ていなくても俄然楽しめるような作品で。なおかつ、ディズニープリンセスのいままでの作品を知らなくても楽しめるものなんですが……。

南部広美:ああ、そうですか。

荻上チキ:ですが、知っていればより楽しめるという風になっているんですね。というのも、予告編で見たことがある方は多いかもしれませんけれども、この『シュガー・ラッシュ:オンライン』の中では、作品の中で過去のプリンセスが全員登場するっていう、そうした演出があるんです。予告編の中でも触れられている範囲で言うと、『シュガー・ラッシュ:オンライン』はもともとゲームセンターの中のアーケードゲームの中のキャラクターだったラルフとヴァネロペっていう2人の主人公がいるんですね。ラルフという力持ちで敵役なんだけども「敵役という役割を演じ続けることに疲れた」っていう大男のキャラクター。

だから見た目は大男でマッチョで悪役。なんだけれども、「そう見られるのが嫌なんだよ。静かに生きていたいんだよ。みんなと仲良くしたいんだよ」っていうラルフっていうゲームセンターのキャラクターですね。それと、『シュガー・ラッシュ』というゲームの中に出てくる、まあ出来損ないキャラとしてずっと扱われていたヴァネロペちゃんっていうのが、実はその作品の中のプリンセスだったということが分かるのが前作なんですが。

今回はその2人の主人公がインターネットの世界を通じて……まあ、いろんな世界を旅しながら、そのゲームセンターで実は起きているちょっとしたピンチというものを乗り越えられるか?っていうものがひとつのテーマになってるわけですね。その中でインターネットの世界に行くと、当然ながらGoogleだとかTwitterだとか、それからFacebookだとか、いろんなサービスがもうバーッとあって。そのサービスごとにいろんな世界が広がっているわけですよ。

で、その世界の中でディズニーのオンラインサイト、ウェブサイトみたいなところにも行けて。そこに行くと、今度はプリンセスたちと出会うことができて。そのプリンセスの部屋にヴァネロペもまあプリンセスだから……ていうことで入ることができて。そこでいろんな会話も楽しめるけども、プリンセスたちの出番はそこだけではなく、その後も実は重要なストーリーに絡んでくるっていう、そんな作りになっているんですね。

で、そのインターネット上の世界で彼ら、ラルフやヴァネロペは自分たちのゲームセンターを救うっていう最初のミッションを達成しなければいけないんだが、一方でそのオンライン上で起きたいろいろなトラブルも解決しなくてはいけないし、なおかつこのラルフとヴァネロペという2人の主人公がネットにアクセスすることによって、それぞれのキャラアクターの違いっていうものが際立っていくんですね。

南部広美:ほー!

荻上チキ:つまり、2人はもともと同じゲームセンターのキャラクター同士なんだけれども、でも世界をどう楽しく生きたいか?っていうビジョンは実は結構違ったりする。で、ラルフっていうキャラクターはもうゲームセンターの他の仲間たちと仲良くできるっていうことが達成できたから、自分にとってはそこが完全にホームなんですよ。でも、もっとスリルがほしいっていうタイプの少女ヴァネロペ、プリンセスはインターネットにアクセスした時に世界が広がった。そのことによって、いろんな価値観が変わっていくわけですね。

そこで2人はどんな生活をこれから手に入れていくのか?っていう見どころが出てくるわけですけれども。この描かれ方が「いままでのプリンセス物とかだと、だいたいこういう風に落ち着くよね」みたいなものを想定していたり、あるいはプリンセス物というのは王子様がいて、プリンセスがいて。その2人が結ばれたり、あるいは「ずっと幸せに暮らしましたとさ」でだいたい終わるものなんですよね。で、それをたとえば『アナと雪の女王』とか、その前の『メリダとおそろしの森』っていう作品とか――まあ、これはピクサー系列だったりしますけども――そういった作品で、「そういう風な恋愛じゃないとハッピーになれないっていうのは違うよね?」っていうエンディングの仕方を見せたのがいままでのディズニー映画だったわけですね。

で、そこに来て『シュガー・ラッシュ:オンライン』はやっぱり2人の主人公……男性と女子という2人がいて。でも、ヴァネロペは歌ったり踊ったりしないし、なおかつ声もかわいらしい声というよりは、どっちかというとダミ声というか、なんか「ワーワーワー」って感じの声で。どちらかというとラルフの方がプリンセスみたいな格好の、力持ちなんだけど臆病者で。で、友達に置いていかれるとすっごい寂しそうで、みたいな。そんなキャラクターの対比があって。

その2人が、いろんな描写、要所要所で、それまでのプリンセス物とか、あるいは「男とは、女とは、ヒーローとは、ヒロインとは?」とか。そうしたようなものの描かれ方を10分に1回ぐらいの勢いで塗り換えていくんですよ。どんどんどんどんと。なおかつ、そこに出てくるプリンセスたちっていうのも実はアップデートされていて……っていうような仕方で、実はこの映画は単作として単純な1個の作品として見るのもすごく素晴らしいし、映像もすっごい細部まで作り込まれてるし。あと現代社会を生きてる人にとっては、インターネットで見てる風景をディズニーが映像作品として描くとこうなるんだとか。

南部広美:ああ、なるほどね。

荻上チキ:Twitterを描くには、なんか青い鳥がたくさんピチピチピチッて飛んでいる空間をTwitterで表現したんだねとか。スパムメールとかスパム広告とかはこう表現をするんだとか、いろんなインターネットを体感するっていう意味でも、ものすごい楽しいし。ディズニーファンにとってはいろんなプリンセスとかに触れられたりしますし。なんといっても僕みたいなマーベルファンとか、あとはスター・ウォーズファンにとっては、それぞれの作品のキャラクターがもうこぞって出るんですね。

南部広美:ああ、それはくすぐりどころががたくさんあって楽しいですね(笑)。

荻上チキ:南部さん、間違いなく楽しめると思いますよ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のあのキャラクターがとてもフィーチャーされているとか、今年ちょっと残念なお別れになってしまったあのマーベルの……みたいな。

南部広美:おおっ! みなまで言うな。確認します!

荻上チキ:とかですね、まあ諸々を楽しむことができたりするし。でも、その作品の描かれ方、アップデートのされ方もとってもエキサイティングで楽しいんですね。などなどを含めて、見どころがたくさんだったんですよ。だからこれはもう2回、3回と見に行かなきゃいけない。あと、僕は見たのは字幕版なので、吹き替え版も見なきゃいけない。

南部広美:ああ、その楽しみ方、ありますよね。

荻上チキ:そう。今回は吹き替え版もいままでの過去のプリンセスたちを日本語吹き替え版で演じたさまざまの声優の方々。その方々がなるべく、その方そのまんまで登場してたりするんですよ。

南部広美:なんてリッチな! わあ!

荻上チキ:そう。なども含めて、懐かしくもあり、でもちゃんとアップデートされていて。それでいて過去のディズニープリンセス物が好きな人も楽しめるようになっていて。でもディズニープリンセスとかは好きじゃないけれども、映画として楽しめるし。映画が好きだったら「このシーン、今年ヒットしたあの映画……マーベルとかも関係ないあの映画のあのシーンのちょっとしたあれ!」みたいな。そうした喜ばしがあるんですよ。

南部広美:すごい! 顧客満足度高っ!っていう映画ですね。

荻上チキ:そう。映画好きにたまらない。マーベル、スター・ウォーズ好きにもたまらない。ディズニー好きにもたまらない。インターネットとかに触れている人にもたまらない、みたいな。そうした小ネタがたくさんあってね、まあ贅沢でした。

南部広美:うん。自分の固定観念が何なのか?っていうことも確認できそうですね。

荻上チキ:うん。なんかその、『シュガー・ラッシュ』ってもともとのゲームはレースゲームなんですね。で、そのレースゲームのクイーンというかプリンセスであったヴァネロペがどんどんスピード狂だからということで、スリルをどんどんどんどん楽しんでいくわけ。だから映像の作られ方もすっごいスピーディーに展開するシーンがいくつかあるんですね。そこは2回、3回見たい。なんなら一時停止しないと、いまの一瞬にいっぱい盛り込まれてたけど……っていうのがあるから。

南部広美:一時停止、映画館じゃできないけどね(笑)。まあ、この先々にかけて、楽しみですよね。一時停止ができる作品になってからが。

荻上チキ:そうですね。だから映画館に何度か行ってなおかつ、まあDVD、ブルーレイも買わなきゃな、みたいな。そんなハイテンションな格好になっているので。いやー、いいクリスマスプレゼントをもらったなっていうような、そんな格好ですね。

南部広美:これからじゃあ、年末年始にかけて楽しめる作品ということですね。

荻上チキ:楽しんでほしいですね。はい。


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荻上チキ『シュガー・ラッシュ:オンライン』を語る

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