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日本のPRは任せてください~国際交流基金 安藤裕康理事長

コシノジュンコ MASACA

2018年12月30日(日)放送

安藤裕康さん(part 1)
1944年生まれ、神奈川県出身。東京大学文学部卒業後、外務省に入省。ニューヨーク総領事、イタリア大使などを歴任。2013年に独立行政法人国際交流基金の理事長に就任されました。

JK:2005年でしたよね? ちょうどブロードウェイで宮本亜門さんの「太平洋序曲」がトニー賞ノミネートされたんですよね。その時にお会いしたんです。

安藤:2004年だと思いますよ。もちろんコシノさんは超有名人だから存じ上げていましたが、直接お話ししたのはその時が初めてでした。

JK:安藤さん、お芝居とかミュージカルとかものすごく詳しくて・・・ニューヨークがぴったりでしたね。映画とかもね。すごく楽な総領事だったと思いますよ。みんなに慕われて。

出水:安藤さんが理事長を務める国際交流基金、これは世界地域で総合的に国際文化交流を実施する、日本で唯一の専門機関ということですが?

安藤:国際交流基金ってご存知ない方が多いんです。それなあに?って。知名度が低いんですけど、一生懸命いい仕事しているんですよ。基本的には日本の文化を発信していく、日本の理解者を増やすということ。日本はいま、文化がウリだと思うんですよね。海外の方にも日本の文化を知りたいという需要も大きいと思うんですけど、日本はまだまだ国内中心なんですよ、何でも。映画にしても演劇にしても。それなりのマーケットが国内にありますから、なかなか外へ出ていかない。需給のバランスが悪いんです。外国の人は口を開けて待っているのに、出ていかない。そのギャップを補うために、いろんな文化を紹介して、日本の友人を増やしていこうという組織です。

JK:そういう意味では「カーネーション」。あれはそれこそいろんなところに版権を売ってるわけですよね。

安藤:そうそう。僕らがNHKから放映権を買って、字幕や吹き替えをつけて、無償で外国のTV局に提供しているんです。たとえばヨーロッパとかアジアの一部、タイとかインドネシアでは結構日本のTV局も商業ベースでいろいろ番組を出しています。でもウズベキスタンとかカザフスタン、コロンビアとかウルグアイとか、そういうところには全く出ていないから、我々はそういうビジネスが届かないところへ出て行って、そこで「カーネーション」が人気になって、「もっと日本の番組を売ってよ」って向こうが言って来たら、日本のTV局に行ってもらう、と言う。先駆的な役割なんです。

JK:大阪万博の特使をしていて中東とか行きましたでしょ?必ず「カーネーション」やってたから、向こうの人が会いたいって。自然な流れでコミュニケーションできるんですよ。

安藤:そう。かつては「おしん」だったんですよ。「おしん」は世界中でヒットしたんだけど、今はそれが「カーネーション」に変わりつつある。

JK:そうなんですよ。キューバでもすごいじゃないですか。

出水:いろんな国が出てきましたけど、世界に拠点はどのぐらいあるんですか?

安藤:25か所。まだまだ少ないですけどね。本当は世界各国全部に起きたいですけど。

JK:メインはパリでしょ?

安藤:パリとかロンドン、ニューヨークとか。途上国にも出してますよ、エジプトとかメキシコとか、サンパウロとか。

JK:私たちがベトナムに行ったとき、フランスは立派なセンターがあるんだけど日本はなかったのよね。

安藤:僕らもあれから事務所を作ったんですよ。ベトナムでも「カーネーション」がものすごい人気でね。それに、ベトナム語では“おしん”っていうとお手伝いさんの名称になっているんですよ。そのくらいTVの影響力は大きいんですよ。そのうち“カーネーション”って言ったら、何の代名詞になるかなあ?(笑)

JK:三姉妹、とか(笑)

出水:安藤さんは2014年にアジアセンターというものを作っていらっしゃいますね。

安藤:アジアは日本にとって非常に重要な地域ですよね。あそこには世界の総人口の53%がいるんです。しかも経済も上り坂で、これから世界の成長センターになっていく。日本との関係も深い、日本の企業もどんどん進出している。タイ、ベトナム、インドネシア、カンボジア、ミャンマー・・・そういう経済とのバランスをとる意味で、日本の文化をわかっていただこうと、アジアとの交流をしたいと言うことなんです。

JK:それで日本語教室ですよね。

安藤:日本語もやるし、文化交流もやるし。ただね、アジアセンターで重要なことは、単に一方的に日本文化を紹介するだけじゃなくて、向こうの文化も日本に紹介したい。あるいは、何か一緒になって共同制作をしたい。映画でも演劇でも、何でもいいんですけどね。双方向の交流を目指しています。コシノさんには諮問委員になっていただいて、いろいろアドバイスをいただいています。

JK:行きましたね。向こうからも皆さんをおよびして。年に1回は行くか、お呼びするか、どちらかで。映画監督だったり、元大使と言う方もいるし、いろんな方がいらっしゃいましたね。

出水:2020年にはオリンピック、パラリンピックがありますけれど、その時期に向けて何か動きだしていることはおありですか?

安藤:オリンピックに向けてはいろんな動きがありますからね。我々もその一部として、世界に日本を宣伝し、お客様に来ていただけるようPRに努めたいと思います。

JK:向こうからくる人たちのケアっていうのは、交流基金は関係しないんですか?

安藤:僕らの事なテーマは、多文化共生。いろんな文化、いろんな国の、いろんな人種の人たちが一緒になった社会、そういうものに何らかの形で貢献したいと言うのがあるんです。シンポジウムもしょっちゅうやってましてね。これから日本の労働人材の拡大っていうのがテーマになっていて、これから外国の方々がたくさん入ってきますけど、第一に、日本に入ってくる方々に向けて新たに日本語の試験をやるんですよ。試験がひとつの条件になりますから、そのための試験を我々がやるとか。それから一緒に暮らしていくために、何らかのサポートをするとか。そういうことを我々としてもやっていきたいと思います。

JK:大変ですね~!いろんな国の言葉。

安藤:全部じゃないですよ。介護とか建築とかいろんな分野がありますけど、職種によっては専門的な用語が必要なところがあるので、それは各省庁が専門の試験を作る。それを今考えているわけですけれど、一般的なものは我々がやる。いまでも我々は日本語の能力試験を世界中でやっているんですよ。年に2回いろんな地域でね。だからその延長なんです。

出水:現在フランスのパリを中心に「ジャポニズム2018」が開催されています。幅広く日本文化を世界に発信する祭典ですが、国際交流基金は事務局として文化交流を担当していらっしゃいます。安藤さんはどのような取り組みをしているんですか?

安藤:フランスは日本文化をもっともよく理解してくれている国だと思うんです。もともと「ジャポニズム」というのは、19世紀末に印象派の画家たちが日本の古い版画をみて、触発されて生まれたものなんです。モネやマネ、ルノアール、そういう人たちが当時の浮世絵を取り入れた絵を描いたわけです。そういう日本文化を理解したフランスを通じて、日本文化を世界に発信していきたい。そういうことでフランスで大規模な展覧会をやっているわけです。

JK:本当にこんなにたくさん!日本ではこんなに一気に見れないと思うんです。日本人こそお勉強のチャンスだと思いますよ。能から歌舞伎、演劇から映画から漫画、一通りのこと全部やってます! 3月3日までですよね?半年以上。8か月近く?ジャポニズム1色ですよ。

出水:パリの装飾美術館で開催されているのが、ジュンコさんもアドバイザーを務めている「ジャポニズム150年」展。

安藤:この展覧会はね、装飾美術館は1864年に開館してまして、その150年の間にものすごい日本美術を収集してきたんです。それを一気に見せて、かつ日本からも国宝級のものも含め150点ぐらい持ってきて、総合的に日本とフランスの美術の交流を一気に展示しましょう、と。

JK:工芸とモード。だから全くジャンルの違う工芸とモードが一緒になるって、これは初めてだと思うんですよね。それと、歴史的・伝統的なものにコンテンポラリーなものが一緒になって。こういう展覧会って面白いですよ。

出水:いまサラリと「国宝級」っておっしゃいましたが、そういうものも?!

安藤:持ってってます。もともとは工芸展ということで向こうと合意したんですけど、コシノさんが「ファッションも入れたらいいわよ!」っておっしゃって(笑)現代のファッションまで、その流れがすごくて、ものすごくお客さんが入ってますよ。

出水:若冲展などは行列ができてるとか・・・

JK:あれはプチパレですよね。ふつう展示期間を押さえるのに4~5年、ギメなんかは5年かかるのに。とにかく展覧会なんか簡単にできないですよね。

安藤:そうそう。プチパレの館長を説得するのに大変でしたよ。2回ぐらい断られて(笑)

JK:琳派にしても若冲にしても、どうしてもやりたいっていっても、いい場所でやらないとね。

安藤:面白いのは、プチパレで行列ができちゃって、最終日はお客さんが3時間待ちになっちゃったんですよ。それで最終時間になって閉館しようとしたら、職員の人たちが「これだけ待ってくれたんだから」って言って、自主的に残業してくれたんです!

JK:フランスでは珍しいわよね!

安藤:そういうことはあり得ない。館長が感激してね。そうやって職員が動いてくれるほど素晴らしい美術展だった。

JK:そういう意味で、日本の文化に対して、一気にファンが増えたと思いますよ。あの行列を見てね。

=OA楽曲=
M1. Words Of Love / The Beatles

M2. Last Tango In Paris / ガトー・バルビエリ

「コシノジュンコ MASACA」
TBSラジオで、毎週日曜17:00-17:30放送中です。ラジオは、AM954kHz、FM90.5MHz。パソコンやスマートフォンでは「radiko」でもお聴きいただけます。