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ミノムシが世界最強の糸を作った!?

森本毅郎 スタンバイ!

「ミノムシから世界最強の糸ができた!」とニュースになっています。どんなものなのか?1月7日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

これまで、自然界の繊維で最強なのは蜘蛛の糸とされてきましたが、それを上回る糸の研究を、医薬品メーカーの興和株式会社と農研機構が続けています。どんな糸なのか、農研機構の亀田恒徳さんに伺いました。

★「自然界最強」の蜘蛛の糸を凌ぐ、ミノムシの糸

農研機構 亀田恒徳さん
今回開発したのは、蜘蛛の糸よりも変形しにくく切れにくい点で、蜘蛛の糸を上回る、均一な糸をミノムシから取ることに成功した。糸の性質として変形のしにくさ切れにくさがあるが、そういった全てにおいて、ミノムシの糸はクモの糸の1.8倍~2.3倍強い。
森本毅郎スタンバイ!

自ら吐き出した糸で木の枝にぶら下がるミノムシ

森本毅郎スタンバイ!

(興和・農研機構提供)ミノムシから採取された糸

今回の研究で、世界最強は蜘蛛よりもミノムシの糸だということが分かったんです。そもそもミノムシはミノガの幼虫で、ガになる時に体を包むミノを作る為に吐き出したり、木の枝にブラ下がったり、移動したりするときに、体内で作った糸を吐き出すそうです。なので、「世界最強の糸」を作っているのは人間ではなくミノムシ自身ということになります。

★ジグザグの糸を真っすぐに

そうした中、今回の研究ではミノムシの糸を実際に素材として利用する為に採取の方法も確立されて、製品化に向けた動きが加速したということです。再び亀田さんのお話です。

農研機構 亀田恒徳さん
出している糸が凄いものでも、実際に使う時には使える形に糸を採らなければいけない。蓑の中の糸はクシャクシャでになっていて、1本の長い糸を取るのは普通だったら出来ない。我々はミノムシの持っている習性を利用して、ミノムシに自らの力で真っ直ぐな糸を出させることを可能にした。強いて言えば、ミノムシに特定の道を与え、その道に沿ってミノムシを歩かせて1本の長い糸を取れる技術を開発した。
森本毅郎スタンバイ!

(興和・農研機構提供)ミノムシが糸を吐くイメージ図

そもそもミノムシはジグザグ状に糸を吐く習性なのですが、特殊な装置を使うことで長さ数百メートルの直線の糸を取ることに成功したんです。糸としてそのまま使うだけでなく、自動車や航空機、ゴルフのシャフトに使われる強化プラスチックの新たな素材として応用するなど、様々な可能性を秘めています。

★共食いしないので大量生産ができる

また、量産体制の面でもメリットがあるようです。共同で研究を行っている興和先端科学研究所の浅沼章宗さんのお話です。

興和先端科学研究所 浅沼章宗さん
虫を殺さずに糸を複数回、採れることが大きなメリット。また、蚕は桑の葉しか食べないが、ミノムシは基本的には雑食で餌に気を使わないで済む。あるいはクモと違って密集で飼育しても共食いをしないので、大量飼育が非常にやりやすい虫と言える。ミノムシから糸を取った後に殺さないので、餌を与えてまた糸を取るので複数回出来る。

蚕の繭から糸を製品にするには、蚕が繭の中にいる時に糸を採るので、結果的に蚕を殺してしまうことになります。ただミノムシはミノガになる前は餌を与えれば繰り返し糸を吐くので、量産体制にも向いているということです。

★あらゆる分野での活用が期待

一日も早い製品化、そしてこと業化に向けて日々研究を続けていますが、今後に向けて浅沼さんはこんな思いを聞かせてくれました。

興和先端科学研究所 浅沼章宗さん
出来上がったという点では産業化のスタートに立った段階で、今後は量産化に向けた研究が必要。ただ、今回プレスリリースしたことで他社から色々な問い合わせや反響があり、研究が自己満足ではなく世間に反響があるモノだったと改めて実感を得ることが出来た。

ミノムシの糸は、強度だけでなく様々な用途に使える可能性もあり、各企業が興味を示しているそうです。

★やっと言える「ミノムシの研究!」

さらに、リリースの発表でもう一つ大きな変化があったそうです。

興和先端科学研究所 浅沼章宗さん
社内的にこのプロジェクトは厳重な秘密態勢で進めていて、リリースでやっと社内で話せるようになった。社内での情報交換も可能になった。また家族にも研究内容をやっと話せるようになったと喜んでいる研究員もいる。まったくの秘密で何をやってるか聞かれても答えられないので、辛い状況だった。やっとミノムシをやっていると言える。

もう肩身の狭い思いはしなくて済むということで、研究にも力が入ると話していました。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!