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近視・乱視が治る!視力矯正手術「ICL」

森本毅郎 スタンバイ!

視力矯正手術というと、レーシック手術を思い浮かべる方も多くいらっしゃるのでは。こうした中で、ここ最近注目されているのが、ICLという手術です。ICLは、眼の中に入れるコンタクトレンズで幅広い度数に対応できるなど、レーシックとは違ったメリットがあります。

そこで、1月7日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、新たな視力矯正手術のICLについて、レーシックとの違いは何か?どちらを得ればいいのか?解説しました。

★ICLの歴史

ICLは、インプランタブルコンタクトレンズの頭文字を取ったものです。手術の歴史は古く、実は1980年代に開発が行われ、レーシックよりも歴史があります。国内では、1997年に導入、2002年に臨床試験が行われ、2010年に厚生労働省が承認、自由診療ですが、一般に治療が始まりました。

★レーシックとの違い

では、ICLとレーシックはどう違うのか?まず違うのが、手術の方法です。

レーシックは、目の一番表面にあたる角膜にレーザーを照射して削り、そのことで屈折率を調整して、視力を矯正していきます。

これに対して、ICLは、目の中に眼内コンタクトレンズを入れる手術を行います。具体的には、まず、点眼麻酔をした後、角膜の縁を3ミリほど切開します。そこから、茶目の部分=虹彩と、水晶体の間にソフトコンタクトレンズのような眼内レンズを挿入します。こうすることによって、近視や乱視を矯正します。

★手術にかかる時間は?

レーシックもICLも、手術の時間は短くてすみます。レーシックの場合は、片眼10分から20分、これに対してICLは5分から10分です。角膜を削る分、レーシックの方が少し長いですが、それでも大差はありません。

★ICLは強度の近視にも対応

レーシックとICLで差が出てくるのは、メリット・デメリットの部分です。

レーシックのメリットは、広く普及しているという点です。2000年にレーシック用のレーザー装置が医療機器の承認をうけて、販売が許可されました。およそ18年間、手術が行われてきたことから、多くの人にも認知されています。

一方、ICLのメリットですが、矯正できる度数の範囲が広いというメリットがあります。レーシックの場合、角膜を削るため、矯正できる度数に上限があります。しかし、ICLは幅広い度数のレンズがあるので、最強度の近視でも矯正することが可能です。また、強度の乱視にも対応したレンズもあります。

★ICLはドライアイになりにくい

また、ICLは角膜を削らないため、ドライアイになりにくい、というメリットもあります。レーシックの場合、近視の度数が強いと、角膜をたくさん削る必要があり、場合によっては、角膜の表面にある三叉神経を傷つけてしまい、ドライアイになることがありました。しかし、ICLは角膜の縁を3ミリほど切開するだけなので、ドライアイの原因になりません。

また、手術の難易度がそこまで高くないため、術後の誤差が少ないことや、近視が再発することがありません。また生まれつき角膜が薄い人でも視力矯正手術を受けることができるという点もメリットです。

★ICLの満足度はほぼ100%

また、ICLはレンズの精度が高く、これがハードコンタクトレンズと比べても遜色のない鮮やかな見え方につながっているといわれています。ICLを受けた方の98%は裸眼視力が1・0以上に回復し、ほぼ100%の患者さんが満足しているという調査結果もあります。さらに、万一、目の中に入れたレンズに不具合が生じた時には、レンズを取り出すことができます。

★ICLの費用は?

ICLのデメリットと言えば、費用が高いことです。レーシックもICLも、ともに保険適用外の自費診療になるので、どちらも高いですが、ICLの方がより高いです。レーシックは両眼でおおよそ15万円から50万円、ICLは、両眼で50万円から80万円くらいはかかります。これは、レーシックと比べてICLの普及が遅れた理由の1つにもなっています。

★ICLとレーシックどちらがいい?

では、ICLとレーシック、どちらを選べばよいのか?それは、ご自身の体質や目の状態を考慮して選ぶ必要があります。

ICLの場合、眼の病気、角膜や瞳孔、虹彩、ぶどう膜、網膜の疾患、白内障などがある方は、手術を受けられません。また角膜の最も内側の内皮細胞の数が少なかったり、緑内障の方も手術が受けられません。このほか、妊娠中や授乳中の方なども禁忌です。

一方、レーシックについても、やはり、「近視、遠視、乱視が進行中の方」「角膜の異常がある方」「全身疾患(自己免疫疾患、コントロールの悪い糖尿病等)のある方」「妊娠、授乳中の方」などは、手術が制限されます。

また年齢制限もあって、ICLは、基本的には21歳~50歳くらいまでが適応です。ただし、老視対策を考慮した度数合わせで良好な場合は50歳~55歳くらいまで適応となる場合があります。

一方、レーシックは、上限こそないものの、満18歳未満は、対象外となっています。

ご自身の体質、目の状態からすると、どちらがいいのか?このあたりは、しっかりと、主治医と話し合いましょう。

★病院選びも重要

治療を受ける眼科については、レーシックの時の問題を起こしたような「やりっぱなしであとは知らない」というところは絶対にダメです。手術をしたら終わりではなく、困ったときは対応してくれるところで受けることが重要です。この手術はあくまでQOLを向上させるためにおこなうものです。十分な説明と責任ある対応のできない眼科は受診してはいけません。

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190107080130

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