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ホームレス状態からの脱出を支援する~年末年始の支援活動・個室アパート型シェルター▼▼人権TODAY(2019年1月12日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・ホームレス状態からの脱出を支援する~年末年始の支援活動・個室アパート型シェルター

担当:崎山敏也

NPO法人「TENOHASI」の炊き出し(池袋)

行政の窓口が閉まる年末年始は、路上で生活していたり、ネットカフェで暮らしているホームレス状態の人への支援が各地で行なわれています。東京・池袋の東池袋中央公園では12月30日から1月2日まで、NPO法人「TENOHASI(てのはし)」、「世界の医療団」などのボランティアが協力して、連日の炊き出しのほか、寝袋や、毛布、衣類を配ります。

衣類や毛布、寝袋の配布も

また、医師、看護師、社会福祉士が相談に乗る、医療、生活相談も炊き出しのすぐ横で行なわれます。医療相談では、診察して、市販の風邪薬やマスク、カイロを渡したり、腰痛のある方には湿布などを渡します。生活相談では仕事や生活保護など生活を立て直すための相談を受けつけます。炊き出しの場に来ることで、様々な相談につなげ、ホームレス状態から脱出を支援しようということです。

行政の窓口が開く1月4日には、生活保護申請や自立支援センターを希望する人にボランティアが同行し、手続きを教えたり、役所の窓口とのやり取りを助けたりします。落ち着き先が決まり、安定した生活に行き着くまでサポートするんです。

大事な医療相談、生活相談

路上で生活する人の中には精神障害、知的障害のある人も多いですし、一度生活保護を受けても、路上に戻ってしまった人もかなりいます。なぜでしょうか?住むところがない人は、生活保護を受けることになると、福祉事務所から当面の落ち着き先として、「無料低額宿泊所」という民間の施設を紹介されます。そこで生活を立て直し、普通のアパート暮らしへとなるはずですが、無料低額宿泊所は、たいてい無料でも低額でもなく、生活保護費から様々な経費を引かれて、自分の手元に少ししか使えるお金が残りません。見ず知らずの人との共同生活ですが、ひどい環境のことも多く、言い方は悪いですが、「路上のほうがまだまし」というような状況があるんです。

TENOHASIの事務局長、清野賢司さんは、「無料低額宿泊所では暮らせない」と、路上に戻った人について、「例えば、自分がいじめられたわけではないんだけど、誰かがいじめられていたり、とか、誰かが大声で喧嘩したりとかね、それが怖くなって逃げたという人もいますよね。あと、一人でじっくり生活するのはできるんだけど、誰かと24時間うまくやっていくのはつらくて、施設では無理という人もいました。しかし、いまの行政の仕組みだと、施設が無理だと、イコール、アパートが無理だと判断されてしまうんです。でも違うんです。アパートに暮らせるかどうか判断するには、アパートに実際住んでもらえばいいではないですか」と語気を強めて話します。

 

そこでTENOHASIは、2015年から、大家さんの理解を得て借り上げたアパートを「個室アパート型シェルター」として、生活保護を受け始めた人に一時的に住んでもらい、ホームレス状態からの脱出をサポートしています。清野さんは「無料低額宿泊所のようなところでも上手くいく人はいます。それはそれでいいんです。ただ、上手くいかない方が、路上に残ってしまいます。その方々をずっと路上に放置していいのかと。既存の施策ではうまくいかなかった方々をどうするのかという課題だと思います。あちこちの支援団体やあちこちの行政もそれはわかっていて、いろんなところから、どうしたらいいのか、何をやっているのか、ということを視察に来ます」と話していました。支援が必要な人ほど、路上に取り残されてしまっている現状がどこでもあるということです。

 

TENOHASIのシェルターを利用して、これまで25人が路上生活から脱出し、最終的に安心して暮らせる住まいに移っています。ただ、こういうシェルターはまだほとんどありませんし、TENOHASIも運営資金で厳しい状況があるので、クラウドファンディングでいま、資金を募集しているところです。(https://japangiving.jp/campaigns/33927)ホームレス状態にある人の現状が理解され、「まずは、安心して暮らせる住まいを」という支援が広がっていく必要性をあらためて感じさせられました。