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嚥下機能が低下した人向けの料理教室・セミナー▼人権TODAY(2019年1月19日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8時20分頃から放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは、「嚥下機能が低下した人向けの料理教室・セミナー」です。

東京・文京区本郷にある「カムリエ」

食のプロが「食べやすく、飲み込みやすい食事」を提案

東京・文京区本郷に店舗を構える「カムリエ」は、歯科関連機器の製造販売を行う会社がプロデュースするショールームで、口腔機能が低下した人向けの器具や食品、食器などの販売をしているのですが、食べ物を噛む力や飲み込む力が弱くなった高齢者や患者のために調理法を教えたり、食に関するセミナーを開催しています。
「カムリエ」の店長・志水香代(しみず・かよ)さんに伺いました。

「カムリエ」店長の志水香代さん

義歯が合わなくてとか、噛みづらくなってきたという方が食べられるもの、それよりももっと柔らかい上顎と舌で潰せる硬さのものっていう介護食の料理教室、ゲル化剤やとろみ調整剤を使った嚥下調整食に重きをおいて、セミナーと料理教室は成り立っているんですけども。通常の食事が食べられなくなったとしても、その方のお口に合わせたものを食べられるように、ご自宅でも簡単にできるように料理教室をやっています。5年前にオープンした時には「そんなドロドロしたものなんて、まだ関係ないわ」という風に思っている方が多くて…

「カムリエ」店長の志水香代さん

食べるという行為は、食べ物を噛み砕いて、すりつぶして、塊にして、飲み込むという動作から成り立っています。中でも、最近、飲み込む力「嚥下」が注目されています。皆さんも、飲み物を飲んでいて気管に入ってむせた経験ありますよね?

飲み込んだ食べ物は、喉を通過した後、気管に通じる道が塞がれ、食道に流れます。しかし、嚥下に必要な筋肉が衰えている人は、気管が正常に塞がれず、食べ物は気管に入ってしまいます。これが、いわゆる「誤嚥」で、食べ物をエサに菌が増殖して起きるのが「誤嚥性肺炎」です。特に水やお茶、味噌汁などは喉を通過する速度が速く、気管に入りやすいのです。焼き魚やゆで卵、かまぼこなどパサパサしたものも、口に入れた後にバラバラになりやすく、その欠片が気管に入っていきます。
そこで、とろみを付けて飲み込みやすい形態に調整したものが注目されていて、「嚥下食」などと呼ばれています。

食をサポートする専門家が講師となってセミナーを開催

カムリエでは、食を取り巻く環境をより豊かに暮らしが楽しくなる多彩なプログラムを用意しています。
私が取材に伺った日、介護食のメーカー担当者が講師となって、「とろみ調整剤とゲル化剤の違い」をテーマにしたセミナーが行われていました。

「とろみ調整剤」と「ゲル化剤」の違いを知るセミナー

実際にスナック菓子を咀嚼して、飲み込む直前の食べ物の塊がどのような状態なのかを確認したり、お茶に濃さの違うとろみ調整剤を混ぜて、自分で飲んでみる、人に飲ませる・飲ませてもらうといった実演形式のセミナーでした。
飲み込む力が個人によって違うように、とろみの付け方にも段階があるそうです。とろみを付けすぎると元々の食材の食感が失われ、おいしく感じられません。
その場合は、ゲル化といってゼリー状にする補助食品を使うことで、見た目も食感も改善するのだそうです。
適度な柔らかさ、口の中でのまとまりやすさ、ベタつかないということがポイントだということです。

この日、セミナーの講師を務めた、介護食メーカー「宮源」の高橋浩幸さん

この日は、20名ほどの参加者がいました。
病院や介護施設で働く歯科衛生士・調理師・管理栄養士、そして、ご自宅で家族に食事をつくる時の参考にするために参加した一般の方もいらっしゃいました。

歯科衛生士の女性
グループホームや老人ホームを回って口腔衛生管理をしています。施設の方から食事に関する質問がすごく多かったので、きょう参加しました。とろみ剤ってひとくくりに考えていたのですが、「とろみ剤」と「ゲル化剤」の2種類あることや違いも分かったのでよかったです。
調理師の男性
嚥下調整食に分類があることは知っていたのですが、きょうは改めて確認できたのがよかったです。職場に戻って、情報を共有したいと思っています。
ご家庭での食事のために訪れた女性
主人が嚥下障害のため、勉強しに去年から来させてもらっています。お正月料理も習ったんですけども。「食事はこうゆう風にしてください」と病院から言われても、どこで聞いていいんだかわからなくて。介護施設でショートステイ行ったときにもそこで聞いたり、本当に手探りです。

飲み込みやすさに配慮した新感覚のスイーツを提供

カムリエでは、「噛むこと・飲み込むことを学ぶ料理教室・セミナー」「口腔機能が低下した人向けの食品・食器の展示販売」のほか、パティシエが歯科医療の専門家とともに開発した「飲み込みやすさに配慮したスイーツ」も提供しています。店頭販売に加え、インターネット通販も行っています。

「カムリエ」店長の志水香代さん
私は元々パティシエだったんですが、嚥下のことを勉強したことが、ここで働く出発点だったんです。嚥下障害者になった人が、ケーキを食べられるかというと、スポンジってどうしても口の中の水分を取られるので食べづらい。そういったものを食べられるように工夫している嚥下スイーツ・嚥下のケーキを店内で食べられるようにしています。お誕生日会や病院や施設のイベントでも使ってもらっています。

飲み込みやすさに配慮したケーキ

私も実際にケーキを食べたのですが、舌でつぶせる滑らかさがありました。代替食品ではなく、一般の人が食べる小麦や生クリームを使用していて、工程を工夫することで、口の中でバラけず、飲み込みやすさを実現しています。
食についての選択肢を狭めず、食を取り巻く環境を豊かにすることが、暮らしを豊かにすることにつながっていると感じました。

管理栄養士や歯科衛生士の資格を持つカムリエのスタッフがセレクトした商品が並ぶ店内

カムリエ
住所:〒113‐0033 東京都文京区本郷3‐2‐15 新興ビル1階
電話:03‐3812‐6036
URL:http://kamulier-gc.jp/
MAIL:info@kamulier-gc.jp

(取材報告:TBSラジオ・ディレクター 瀬尾崇信)