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平成の国民病「C型肝炎」、平成最後の年に治る病気になった!

森本毅郎 スタンバイ!

C型肝炎ウイルスの感染者は、日本では100人に1人から2人の割合でいます。多くの感染者がいるため、国民病とまでいわれていました。またC型肝炎は、1989年、平成元年に見つかった新しい病気です。そのため、当初は治療法がなく、不治の病とされていましたが、今ではその治療法はどんどん進化。今年に入って、ついに100%治る時代になったと言われています。

そこで、1月21日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、C型肝炎について、虎の門病院肝臓センターの熊田博光先生に取材しましたので、お伝えします。

★C型肝炎とは

C型肝炎とは、肝炎を起こすウイルス=C型肝炎ウイルスの感染によって起こります。感染は、ウイルスに感染している人の血液が、他の人の血液に入ることで感染します。1994年以前は、輸血や血液製剤などでの感染が多かったのですが、今では対策が進み、輸血や血液製剤での感染は、ほとんどありません。

最近の感染は、薬物での注射針の使い回しや、不衛生な施設でのピアスや刺青、それからまれですが、性行為での感染があり、依然として多くの感染者が出ています。C型肝炎ウイルスに感染すると、慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進むので注意が必要です。肝臓がんの原因の、およそ65%は、C型肝炎ウイルスが原因だと言われています。そのため、早めの治療を行うことが重要です。

★進化している治療法

C型肝炎は、1989年、平成元年にウイルスが見つかった比較的新しい病気です。そのため、1992年ごろまでは、延命は出来ても、治す方法はなく、不治の病として、怖がられていました。

その治療が最初に進化したのは、1992年、インターフェロンの登場です。インターフェロンというのはタンパク質の一種で、ウイルスを抑える働きがあります。そこで、このインターフェロンを人工的に作り、注射して治す治療が始まりました。不治の病ではなくなったとはいえ、治るのは20から40%でした。しかも、週1回の注射をおよそ1年、通院して受ける大変なものでした。さらに副作用が強く、頭痛や発熱、発疹や吐き気など辛い症状が続き、うつ病になる人も多く、途中で治療をやめる人が多かったのです。

その後、インターフェロンの改良が進み、さらに2011年、画期的に進化しました。ウィルスの増殖を抑える新しい薬=「リバビリン」や「プロテアーゼ阻害剤」という薬が登場し、インターフェロンと併用することで、80%、90%近くの人が治るようになりました。ただ、これらには問題もあり、結局、どれもインターフェロンが必要でした。しかも、このインターフェロンは、高齢者は対象外でした。

そこで、研究が進み、2014年、インターフェロンを行わなくてもいい薬が出てきました。さらに2015年には、画期的な「ハーボニー」という薬が登場、これは、1日1回1錠を、12週間服用するだけで治る薬として話題になりました。・効果も高くて、96から97%の患者さんに効果があるという時代に突入したんです。

★残りの3から4%は?

残りの3から4%が救えないのは困る、ということで、研究が進み、2年後の2017年、99%が治る薬が誕生しました。「マヴィレット」という薬で、8週間服用するだけで99%治るというわけです。

★残りの1%は?

99%治れば十分進化したとも言えますが、薬のメーカーは頑張りました。残りの1%を治す薬が、今月、承認されたんです。それが、1月8日に承認され「エプクルーサ」という薬です。ハーボニーやマヴィレットで治らなかった方にこの「エプクルーサ」をおよそ半年間、投与する治療が認められました。この治療は、今年の3月から使えることになっています。これでC型肝炎の患者さんは、100%治る治療が確立したと言えます。

★注意点は?

100%治る時代と言っても、当たり前ですが、治療をしなければ治りません。しかし、C型肝炎は、感染に気づかず、治療していない人が多いんです。なぜ気づかないかというと、C型肝炎の症状は、体がだるい程度のもので、その状態に慣れてしまうと、自分が病気であるという認識になりにくいんです。

また、ウイルス感染しても、慢性肝炎を発症する前のキャリアの状態の人もいます。こうしたこともあって、感染に気づき、治療している人は少ない、というわけです。日本でのC型肝炎ウイルスの感染者は、およそ70万人と推測されますが、医療機関で治療を受けて治った人、また亡くなった人を引くと、およそ20万人。この20万人は、感染に気づかす、放置している可能性があります。

★治療しなければ意味がない

放置しておくと肝がんの可能性につながりますので、まずは検査を受けて、C型肝炎ウイルスに感染していないかどうか調べましょう。

注意したほうがいいのは、

  1. 1992年以前に輸血を受けた方、
  2. そして1994年以前に、大量出血を伴う手術や出産を行い、「フィブリノゲン」という薬を使用した方。

これらは、まだウイルスの対策ができていなかった時代なので、感染リスクが高いです。もちろん、不衛生な状態でのピアスや刺青、注射針の使い回しの心当たりがあれば、検査を受けた方がいいでしょう。

取材した先生によれば、1部上場企業でC型肝炎の検査を義務付けているのは21%。まだ5分の4の企業は行なっていないし、中小企業もなかなかできていないようです。企業も検査に前向きに取り組んでもらえれば、C型肝炎をなくすことができます。肝臓がんを減らす、という意味でも、こうしたところも改善して行ってもらればいいと思います。

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190121080130

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