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男女で「生理」について語り合う意味を考えてみた

ジェーン・スー 生活は踊る

「ジェーン・スー 生活は踊る」1月24日の「生活情報のコーナー」の書き起こしです。

なぜ生理について知識の共有をしたいのか

ジェーン・スー木曜日では生理用ナプキンをインドに広めた男性の映画『パッドマン』。そして先週は様々な種類や用途がある生理用ナプキンをきっかけに、生理についていろいろと情報を共有しようということでやってきました。そして先週の放送に対するリスナーさんからのメール、たくさんいただきました。反響、本当にありがとうございました。

蓮見孝之:本当にありがとうございます。

スー:ちょっとご紹介しましょうか。

蓮見:こちらが足利市「かきのすけ」さん。男性の方です。「生理のお話、とてもためになりました。人によって生理の日の長さや量がそれぞれ違うのがわかりました。羽根なし、羽根あり、軽い日用と重い日用もあるのも初めて聞きました。女性は男性にはわからないご苦労をしているのだと、しみじみと思いました。女性が生理の時、機嫌が悪いのは当たり前ですね」というメールですね。

スー:はい。練馬区の「モモンガ頭巾」さん。46歳女性の方です。「生理用ナプキンのコーナーを聞いて、私も家にある生理用品を並べてその日、夫に見せて説明しました。すると夫がある提案をしてきました。『私が倒れたり、入院したりした時、生理用品を買いに行けるように、普段使っている商品のラベルを生理用品を収納しているトイレの棚に貼っておいてくれ』ということでした。たしかに。ナイス、夫よ! こういう話をできる機会を持つことができて、よかったです。ありがとうございます」という女性の方からでした。

蓮見:こちらは男性。「とみしゅう」さん。「番組にメールを送るのは今回が初めてです。先日、放送されたお話がとても面白かったので、その感想をどうしても伝えたく、こうしてメールを書いています。私は男性ですので、月経や生理というものについては実感を持って語ることはできません。今回、スーさんが様々な具体例を通じて、しかし一般化が難しいというこの生理というテーマを語られているのを聞き、目から鱗が落ちるような気分を味わいました。

生理中、椅子から立ち上がる瞬間にコップ一杯分くらいの経血が出ることがある。生理中は長時間の会議が不安になる。自分にとっては初耳の連続でした。誰からも聞かされたことはなかったし、誰かに聞いたこともありませんでした。無知は本当に恐ろしい。改めてそう思います。個人差が激しいジャンルだとは思いますが、ぜひとも2回、3回とこの企画を続けていただきたいと思います」というご意見です。

スー:中野区の「沼ガッパ」さん。女性の方です。「生理の話、本当に大事ですよね。私は結構家系的に生理が重く、気を失ってしまうくらいの激痛になっています。母や姉は2人とも外で気を失い、救急車で運ばれたりするほどです。私もトイレで気を失ったことがあります。なので、できるだけ男女構わず説明し、理解してもらうようにしています。いまの旦那と友達だった頃から生理の体調不良の際は話してきましたが、最初旦那は全く信じてくれませんでした。『具合が悪い』と言っても生理痛を理解していないので逆ギレ。時間をかけ、どうにか理解してもらうようになりました」ということで、いろいろとメールをいただきました。ありがとうございます。

蓮見:ありがとうございます。それから一方で、こういった意見も届いてますね。これ、放送中に届けてくださったメールなんですが。「先ほどのスーさんのお話、おかしい。なぜ、そこまでして事細かに月のもののお話をするのでしょうか?」というご意見が来てますね。

スー:はい。匿名の女性の方ですね。こういった意見もいくつかいただいたんですけど、そもそも私たちがちゃんともう1回、説明した方がいいかなと思って。なんでこういう話をラジオで、お昼にやってるのかって言うと、あれはいつだったっけね? 結構前なんだよね。

蓮見:もう半年ぐらい前かな? そうですね。まあ、去年ですよね。

スー:蓮見さんを含めてスタッフとかといろいろと話をしている時に、お互いのことでやっぱり知らないことがちょっと多すぎるなっていう話になって。

蓮見:そうですね。生活情報のテーマをいろいろと検討している中で、どういう話を……っていう中で。

スー:で、そもそもお互いの性別がそれぞれ持つこと。それは社会的なことも身体的なこともだけど。「一般化はできないけど、それにしても知らないことが多すぎるな」みたいなことの中で1個、生理っていうのがあって。「じゃあ、生理の話、やるか!」ってなっていたんだけど……そこまで腹が決まっても、私たちもなかなかそれをどのタイミングで、ここで突然生活情報としてやるかが結構難しいねっていう話になっていたんだよね。

蓮見:ええ。

スー:で、結構寝かせちゃったんですよ(笑)。寝かせた中に『パッドマン』っていう映画が公開されるっていうのを聞いて「キタコレッ!」ってなって。

蓮見:そうですね。きっかけがやっとあったっていう感じでしたね。

スー:そうそう。で、みんなで、スタッフとかと一緒に、蓮見さんとかも含めて見に行って「なるほど、なるほど。だったらこの映画を紹介しながらやっていこうよ!」っていう話になったのがあって。で、なんでナプキンの話をしたか?っていうと、もちろん映画の『パッドマン』繋がりっていうのもあったのと、あとは「生理ってこういうものなんです」っていうことを箇条書きにしてね、一言ずつ説明をしても、たぶん授業みたいになっちゃって伝わらないだろうなと思って。

それだったら「ナプキンにこれだけバリエーションがあるんだ」っていうことを知ってもらうと、それをきっかけにして「日によって、人によってこんなにも違いがあるもんなんだ」っていうことがわかってもらえるかな?って思って、あの企画をやったんですよね。だから突然、唐突に聞こえていたら、本当にすいませんでした。何で突然、蓮見さんに私が1個ずつ見せてるんだ?っていうね。びっくりしたとも思うんですけども。

蓮見:でも実際に種類とか数とか用途の使い分けっていうのは、僕は本当に知らなかったんですよ。

スー:知らないよ。だって、誰も教えてないんだもんね。そりゃそうだよ。

蓮見:だから、知らないことに関してやっぱり共感ってしにくいじゃないですか。

スー:そうなんですよね。

蓮見:そう。だからそこは教えてもらう立場だし、あえてこの木曜日の自分がパートナーの日にできてよかったなとは思ってるんですよ。

スー:ちょうど前の週にさ、これも本当に偶然だったんですけども。前の週に男性の生理現象について……。

蓮見:ああ、朝立ちの話でしょう。ありましたね。

スー:そうそう。それの相談も来たじゃないですか。で、実は幼児もそういうことが起きるっていう。「それは本当に純粋な生理現象で、性的な興奮と直結しない時もある」っていうのを蓮見さんがはっきりと言ってくれて。知らない人もたくさんいたと思うんですよ。

蓮見:そう。勘違いされることが多いから。

スー:それはちょっと男性としても傷つくよね。「なんかいやらしいことを考えてたんでしょ?」とか言われるとさ、「いや、そうじゃないんだよ!」っていう時もあるわけじゃない。で、「お互いのこと、知らないことも多いね」って。で、さっきも「知らないと共感するのが難しい」って言っていたけど、知らないで相手を尊重するのってちょっと難しいんですよねっていうところで、誰かに……特定の誰かに「こういう行動を起こしてください」とか、誰かを責めているとか、本当にそういうことではないんですよ。

蓮見:そうですね。

スー:それで、わからないことを共有したいっていうことだし、もちろん共有したい範囲とか、不躾に入ってきてほしくないっていう人も男女ともにいることもわかるんですけど、逆に私はその男性の「女の人、これ知らないでしょ?」っていう話もリスナーの人に教えてほしいんですよね。「こういうところが辛いんだ」とか。それはその体のことだけじゃなくてもいいんだけど。お互いに言わないと、ちょっとわからないかな、みたいなところ、ありましたね。

蓮見:はい。だからこれ、去年『パッドマン』の話をして、今年もこの話が連続してできたことで良かったなと思ったのは、その知らないと尊重をできないし、やっぱり会話していて思ったのは知らないことそのものについて批判をする話じゃなくて、お互いに話した上で理解するきっかけというものが日常的になるといいよねっていう風に話してたんですよね。

スー:私もコラムで最近、よく書いているんですけど。ちょっとワンストライク・アウトの社会はキツいなっていうか。つまり、1回なんか間違えたら「はい、あんたは何もわかってない。ダメ!」ってなるのは、ちょっと厳しいじゃないですか。だからお互いに無理解があったら、「いやいや、こういうことじゃなくてね……」っていう話ができて、もう1人の方が「そうかそうか」って言って。まあツーストライクぐらいまではお互いにこう、許し合っていかないと厳しいんじゃないかな、みたいなことを思ったりもしますね。

蓮見:そうですね。

スー:なんで、こういうことが……それの知識をどう使うか?っていうのはその人次第で、私たちは一切何も強要しないです。単純にそれを知るきっかけとしてこの番組がなんか役に立てたらいいな、生活情報としてお知らせできたらいいいなっていうところでした。

蓮見:はい。

男性にも生理について理解できることがある

スー:あとね、こんなメールもいただいてます。清水区「ヨシスケ」さん。女性の方です。「小学校6年生と保育園の男子を育てる働く40代です。生理用品や生理期間の女性のリアルを発信してくれているのはとても嬉しいです。ただ、男性に着用を勧めるのはどうかなと感じました。一緒に手に取って実際に見て、感想を述べあえる時点で入り口としては十分な気がします。バーンと壁をブチ壊すよりもライトに。でも、正しい女性の生理についての情報を何度も発信していって相互理解していった方がいいのではないかと思います」というメールもいただいたんですけども。そう。すいませんでした。あの後、他にも2通ぐらいかな? メールをもらったんですけども。「強要するな」と。

蓮見:あの、要は私が着用するかどうかっていう話ですよね。いやー、逆に申し訳ない(笑)。なんか話の流れでそういう風になったんですけどもね。逆に……なんだろうな? でも、まあいろいろと考えはあるよね。

スー:そこで黙ったら完全に私が強要してるみたいじゃない?(笑)。

蓮見:いや、だってあれはあれでその、どういう風にしたら自然と次の週の話につながるか?っていう話は実はしてたんですよ。

スー:実はもうね、もちろんそれ、その場で突然あれを出して蓮見さんに決めさせたわけでもなんでもなくて。まあ、番組の中としてそういうことをやるっていうのはもう事前に蓮見さんに……むしろ、蓮見さんと男性スタッフが「じゃあ、実際につけてみようか?」みたいな話になったんだよね。

蓮見:はい

スー:ただ、このコーナーをやるにあたって、私がちょっと気を回しすぎたところもあって。なんだろう? ふざけてやっているわけじゃないっていうのは私たち、すごいわかるじゃん。蓮見さんたちがすごい真剣に取り組んでくれているのはわかっているし。で、ただポッと聞いた人が「えっ、なに? 男の人がナプキンつけてんの?」みたいな感じで、なんて言うか、蓮見さんがふざけていると思われるのがすっごい嫌だったんだよね。

蓮見:そうね。そこをいろいろとスーさんがたぶん考えてくれたんだろうなって(笑)。

スー:でもね、すごい反省した。なんでか?っていうと、普通に生きていてもパワハラに見えるんだなって思って(笑)。

蓮見:そうなんですか?(笑)。

スー:私ね、体格のいい中間管理職のおじさんの気持ちがいま、世界でいちばんわかる! 普通にしているつもりでも、傍から見たら提案が強制に見えるっていう。「ああ、失礼しました、本当に」って。

蓮見:でも、つけなきゃわからないことっていうのはあって。で、実際にいまもつけてるんですよ。

スー:おおっ!

蓮見:あの40センチのエリスのやつをつけているんですけども。

スー:ああ、そうなんですか?

蓮見:やっぱりね、椅子に座ると早く外したいんですよ。いま。まあ、普段つけ慣れているものじゃないんで。そもそも私、体の構造的にまあ経血は出ませんから、どこまでね、じゃあそのリアルを体感できるか?って言ったら、私には当然体感できないことばっかり。だけどやっぱり、「1日に何度か交換してみるといいよ」ってすすめられたから、交換してみたわけ。だけど交換する場も、「どこで交換しようか」とか。たとえば家の中で「お風呂に入るぞ!」って言って子供を連れて行くんだけど、「ああ、そうだ。つけているんだ」って。だから「ちょっと待って」って言ってトイレで1回外して、クルクルクルッてやってわからないように捨てて……っていう、そういう煩わしさ。

スー:うん。

蓮見:それからね、つけてみて初めてわかるのはこのパンツ……下着じゃない方のズボンの方。これを穿いた時に、周りはこのふくらみに気づくのかな? とか。あとは実際に計量カップにね、いくらか水を含ませて、ナプキンに垂らしてみたんですよ。で、その直後にもう1回、つけてみたんですよ。このへんの気持ち悪さとか、たとえばいま、放送中に「ちょっと気持ち悪いんで、取り替えてきていいですか?」なんていう会話はありえないよね。

スー:そうですよね。

蓮見:だからそのへんの、なんか鬱陶しさっていうのかな? そういうのはすっごいわかりましたけどね。

スー:ああ、その服のことに気づいてくれたのはすごく私は個人的に嬉しいですね。やっぱりその「このズボンだとモコモコしているのが外からバレるな」とか、「なんか粗相があった時にマズいな」とか、着る服がすごい制限されたりとか。そう。そうなの。別にナプキン自体のつけ心地の話じゃなくて、その煩わしさが伝わったのがすごい嬉しいです。

蓮見:いや、本当に煩わしい。

スー:本当にね! そうなの。もう本当に、信じてくれ。強制はしていない(笑)。

蓮見:でもね、スーさん。僕、この木曜日で良かったと思ったのは、もう1回ね、妻と話すきっかけにはなったんですよ。で、これは去年、『パッドマン』の映画を紹介した時にも少し触れたんですけど。我が家の場合は、まあ妻のプライバシーもあるので言える範囲で言いますけども。いわゆる生理痛とか、激痛でその煩わしさ、鬱陶しさっていうことよりも、うちの場合はね、「生理が来ない」っていうことに悩んでいた時期があるんですね。

結婚したのが20代なんですけど、「子供がほしい、ほしい」と思っていた夫婦にとっては、やっぱり生理の周期っていうのは結構大事で。排卵とかが絡んでくるんでね。だからそういう意味で、あんまり積極的に理解できてなかったんだろうなっていう自分の反省があるんですよ。だけど、もう1回話してみるとね、やっぱりその気づきっていうのがあって。たとえば子供たちをお風呂に入れる時に、やっぱり生理の時って時に入りたくないじゃない?

スー:うん、うん。

蓮見:その時に、「私は生理だから」ってわざわざ言わすのか、それとも「ごめん! 今日、あれだから。一緒にやってくれる?」「ああ、OK、OK」って、それで済む話なの。だからそのへんの、理解があった上でのアイコンタクトと、理解がなくていちいち説明させるこの不憫な感じっていう。こういうところとかね。

スー:そういうのがあるのか。そうか。そういう状態で子供をお風呂に入れなくちゃいけないっていうと、ねえ。母親が入れるってなった場合、大変だよね。

蓮見:そしたらやっぱり入りたいし。あとはね、完全にこの生理用品が男性に接点がないかっていうと、全く無関係じゃないなっていうのもこの1週間ぐらいでわかったの。これ、いろんな人に聞いたんですけど。たとえばうちのスタッフでね、痔ろうの経験がある人がいるんだけど、生理用ナプキンをつけていたらしい。

スー:おおーっ! ああ、ねえ。痔主さんだったんですね。

蓮見:それからあとね、私の知り合いだと尿道結石も経験者の方。お医者さんに勧められたそうですよ。で、その尿道結石の治療が終わったけど、まだその出血があるっていうので。「もしよかったら、こういうものもありますから使ってみるといいですよ」って勧められたんですって。

スー:それは知らなかった! 尿道結石もそうなんだ。

蓮見:だから全く関係のない話やない。いま一度ね、商品を触ってみる。見てみるっていうんはすごい大事な時間だったなと思いましたね。

スー:そうですか。そう言ってもらえると、やった甲斐は……まあ、私たちもね、自信を持ってやった企画ではあるんだけど。たくさん反響をいただいて、本当にありがとうございました。番組のスタッフと私たちの間のことだけではあるけれども、先週終わった後さ、みんなで資料で買ってきた大量のナプキンがボンと置いてあって。女性スタッフが「これ、ほしい」とかやっていたじゃん?

あの時に思ったんですけど、ほんの2時間前だったらあれがずっと机に置いてあるっていう時点でやっぱり「誰か、片付けなさいよ」みたいなムードになったりとか、女性がなんかはしたないような印象になったりとか。なんか男の人はすごい気まずくなったりとかっていうのが、たった2時間前、3時間前まではあったはずなのに、番組が終わってからだったら男性スタッフも「ああ、うちの彼女に持って帰っていいですか?」とか「私はこれがいい」とか「あれがいい」とか。本当にたったそれだけのことなんだけど、すごい開放感があったんですよね。私は。「ああ、隠さなくていい」とか「不浄として捉えなくていいんだ」っていうのがあって。あれは私も新しい発見でしたね。

蓮見:実際にやっぱり買うとなると、結構経済的にも……。だからこそ、「持ち帰ろう」と思った男性がいたんでしょうね。そこに対する理解が深まったから。

スー:そう。そうだと思います。だから、まあお互いのことを全部が全部、知る必要はないっていう人がいるのは重々承知です。だけど、あまりにも知らなすぎるのもなと思うので、「女はわかってくれない」っていう人がいたらぜひ、むしろ教えてください。番組で共有をさせてください。みなさん、ありがとうございました。