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パリで松を活けるのはご法度?! 池坊次期家元:四代目池坊専好さん

コシノジュンコ MASACA

2019年2月3日(日)放送

四代目 池坊専好さん(part 2)
1965年京都市生まれ。四十五世池坊家元・池坊専永の長女として、中学生の頃から正式に稽古をスタート。1989年11月に得度し、法名・専好を授与され、2015年、正式に「池坊 専好」を襲名します。天台宗頂法寺(六角堂)の副住職もつとめ、「命をいかす」という池坊の華道の教えをいかした多彩な活動を行っていらっしゃいます。

出水:当然小さいころから日常的にお花を活けたりしていたんですか?

池坊:周りにしょっちゅうお稽古にいらっしゃる方がいらしたので、周りにあったお花でおままごとをしたり、自然な形ではあったんですが、正式に習い始めたのは早くないんです。13歳、中学に入ってから。

JK:それまではあまり興味はなかった?

池坊:そんなことはないんですけど(笑)うちの父はとっても若い時に自分の父親を亡くして、いやがおうにでもお花の稽古をしなくてはならなかった状況に置かれていたんです。父は自分が無理やりやらされてきたので、子供には無理強いだけはしたくない、本人がやりたいと自然に時が熟すのを待っていたんです。

JK:お花自体が自然ですものね。っていうか、時がくるんですね!活け花ですもの、花が生きているんですからね。

出水:13歳まではどんなことに熱中していたんですか?

池坊:でもどちらかというと、内向的な子供で、外で活発に遊ぶとかではなかったんですね。学校から帰ってきても、まっすぐ家に帰って本を読むとか・・・今から思うと、本当に何してたんだろう??(笑)もうちょっと時間を有効に活用すべきだったかな?

出水:でも小さいころに培った審美眼っていうのも大事だと思うんですけど。身近にあるものから、そういったセンスを磨かれたんですか?

池坊:父が植物園とか連れてってくれて。そういうところへ行くと、自然はこういう色なんだな、とか、春はこういう風に色合いが変わっていくんだな、とか感じますよね。それと同時に、父は新しもの好きなんですよ。流行っているものとかがとっても好きで・・・いろんなものに対する好奇心、自分はこういう立場でこういう年齢だからこれでいいや、というんじゃなくて常に興味を持ち続けるというのが、私の中でも目を鍛えるというか、いいものを見出していく姿勢とつながったのかなと思いますね。

出水:就任したのが24歳の時。非常にお若くていらっしゃいますよね。

池坊:でも、こういう家に生まれて、こういう環境で育って、活け花が好きな方に囲まれてましたから、今から思うと24歳は若いんだけれども、小さいころから家元を継ぐということは意識していたので、決して早かったとか若かったという気持ちはないんです。

JK:ご自分で、過去の経験でマサカ!ということはありますか?

池坊:もういろんなことがあるんですけど・・・一番のマサカで、ちっちゃなマサカでもあるんだけど・・・海外でデモンストレーションをすると、なかなか日本でやっているようにうまくコミュニケーションできなかったりすることがあるんです。私が花を活けて、舞台にスクリーンが電動で上から降りてくる、と思っていたらなかなか降りてこなくて。そしたら実は、手動できーこきーこ回さなくちゃいけないタイプで(笑)係の人に英語で「お願いします」って言ったら、その方は英語がわからなくて。

JK:それはどこ?

池坊:シンガポールでした。パリでデモンストレーションした時も、立派な松を切って、大きな作品を活けたんです。ピエール・カルダン劇場っていうところでデモンストレーションをしようと思って搬入したら、松は燃えやすいから持ち込んじゃダメだって言われて(^^;)でも、もうデモンストレーションが始まるのに、お客様も入るのに、どうしましょう?!って言ったら、向こうの消防局が「じゃあ例外で、特別に認めるけれども、ちゃんと消火する人が横に立っているならよろしい」と言われて・・・

出水:えーっ?!舞台上にですか?!

池坊:はい(^^;)火をたくわけじゃないんですけど・・・なので、まだ出火もしていないのに、ホースを持った消防隊の人が横に絶っているという(笑)

JK:それはちょっと世界観が崩れますね(^^;)

出水:アイスランド共和国名誉領事でもあるんですよね?きっかけはどんなことだったんですか?

池坊:実は昔から北欧諸国の自然だとかデザインだとか、社会の成り立ちとか、ちょっと興味があって。自然と一緒に共存しながら、女性も男性と同じように力を出して生きているところがいいなと思っていたんです。そういう話を雑談でしていたら、知っている方が名誉総領事をされていて、手伝ってくださいということになったんです。

出水:どういう活動をしていらっしゃるんですか?

池坊:日本におけるアイスランドにおける普及やPR、それから時々向こうに行って、日本の活け花をご紹介したり。

JK:すごく寒いんじゃないですか?冬なんかとくに、雪で。

池坊:そうですね、アイスランドは小さな冬と大きな冬しかないって言われていて(笑)

JK:かわいいね! 全部冬なのね(笑)

池坊:あんまり緑はなくて、それこそ苔とか、あまり大きく成長しないんだけれども、向こうは地熱発電の国なんですよ。ですから、地熱発電だけで蒸した料理を出すレストランとか、地熱を使ってハウス栽培したバラとか菊とかがあるんです。そういったものを使って花を活けたり。

JK:じゃあ、お花の種類が全然違いますね。立花とかではなく。郷に入っては郷に従えじゃないけど、向こうの花をいかに活かすか。

池坊:そうですね。そういうのも私にとってはいい経験で、日本にいるとどうしても日本の発想になってしまうじゃないですか。まったく違う環境に行くことで、その場所ならではの気づきがあるし、そこで違う提案ができることもあるし。自分の世界が広がっていくように感じますね。

JK:そうね、日本を離れると日本のよさもわかるし。向こうの良さも体験できるものね。

池坊:シンガポールは逆に花だらけ(笑)非常にカラフルで。活け花では、花というのは枝や葉っぱも「花」とみなすんです。だからありとあらゆる植物が花だから、そういった意味では、欲深いんですけど、それぞれにきれいだなと思います。活け花をしていてよかったと思うのは、いろんなものを見ていいところを見つけるクセがついたことでしょうか。

出水:専好さんが心惹かれるお花っていうのは?

池坊:いつも海外に行くと、なかなか買うだけではお花が集まらないので、知り合いの方のお庭とかに行って切らせてもらうんですよ。そうすると、自然の雨や風にさらされてちょっと曲がっていたりとか、葉っぱもちょっと欠けていたりするんだけれど、それが作りこまれていない素朴な良さ、というか。

JK:枯れ木もいいわよね!枯れるから終わりじゃなくて、枯れてからもう一つの世界が広がりますよね。

池坊:そうですよね。そういったところが奥深いなと思って。きれいな満開の花だけがいいと思われがちだけれど、そうじゃなくて、つぼみから開花した時から、枯れて散る寸前、枯れてしまった枝も美しいって。そういう時間の経過も楽しめるのが活け花ですよね。

出水:東京オリンピック・パラリンピックの文化教育委員会の委員でもいらっしゃいます。そのあとには大阪万博もありますし、華道を広めていくというチャンスですね。

JK:私も大阪万博特使でね。いよいよですよ、やりましょう!

池坊:そうですね。本当に世界中から日本に目が向けられる。その中で、日本ならではの魅力を発信したりおもてなしをしたいですね。

JK:それこそ、日本の長い伝統文化を、ものすごくナチュラルに、若い人にもわかりやすく見せられたらいいかな。

池坊:やっぱり文化のいいところって「和」だと思うんです。年齢とか宗教とか民族とか関係なく、みんなが和んでひとつにつながれる。平和になれる。そういう日本文化の本質を伝えていきたいです。

JK:万博で世界が成長しますよ! 日本だけでなく、アジアも、世界も。池坊さんも経済の発展につながりがあるわけだから。2度目の万博だけど、今度は私たちが日本を世界に広めましょう!

池坊:そうですね。大阪に万博がくることで、日本だけじゃなく世界の経済が活性化して、周りの国や世界がいい方向に代わっていくことに、多少なりとも貢献出来たらいいなと思います。

=OA楽曲=
M1. 花 / 秦基博

「コシノジュンコ MASACA」
TBSラジオで、毎週日曜17:00-17:30放送中です。ラジオは、AM954kHz、FM90.5MHz。パソコンやスマートフォンでは「radiko」でもお聴きいただけます。