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花粉シーズン到来!世界初の「貼る薬」登場

森本毅郎 スタンバイ!

今月から環境省が花粉の飛散状況を毎日ネットで公開するなど、いよいよ本格的な花粉シーズンとなりました。毎年伝えられている花粉症対策ですが、今シーズンは世界初という新しい薬も出ています。

そこで、2月4日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、今年の花粉の傾向と、花粉症対策の薬についてお伝えしました。

★今年の花粉の傾向

日本気象協会によりますと、今年は全国的に例年に比べて「やや多い」ということです。地域別には、東北地方から近畿地方にかけてと、九州地方では例年の1・1倍から1・4倍、中国地方では1・6倍となる見込みです。先週、東京都が発表した花粉予測によりますと、東京都内の花粉も例年の1・2倍でした。

また、飛散のピーク時期ですが、スギ、ヒノキともに例年並みか少し早まる予想です。まず、関東地方南部や東海、四国、九州地方のスギ花粉が2月中旬からはじまります。そして飛散のピークは、東京が3月~4月上旬で、例年より長くなると予想されています。

★花粉症の治療は?

一番いいのは、病院で医師に診てもらって、症状に合わせた薬をもらうことですが、みなさん忙しいので、なかなか病院に通い続けるのは大変でしょう。そこで、最近では、病院で処方されるようなレベルの薬が、どんどん市販されています。ただ、いろいろ出ているだけに、何を選んだらいいのか、迷うかもしれません。薬局で薬剤師さんに相談するにしても、薬の特徴を知っておく必要があります。

★花粉症のメカニズムは?

そもそも花粉症はどんなメカニズムかというと、花粉が体に入って来た時に、外部から敵が侵入してきたと体が判断し、その敵を外に追い出そうとして化学物質を放出します。その化学物質は、ヒスタミンや、ロイコトリエンなどというものですが、これらの化学物質が体に作用して、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを起こす、というわけです。

そこで現在の薬の主流は、こうした化学物質の働きをブロックするもので、代表的なものに「抗ヒスタミン薬」があり、薬局でもたくさん売られています。ただ、「抗ヒスタミン薬」は、当初は、眠くなりやすく、仕事や運転の妨げになっていました。しかし今は、眠くなりにくい、「第二世代」というものが出てきて、選択肢が広がりました。

★眠くなりにくい「第二世代」の薬

代表的な市販薬では「アレジオン20」「アレグラFX」「クラリチンEX」があります。では、どれを選べばいいのか?眠くなりにくい第二世代と言っても、多少の差はあります。

運転をするなど、眠気を極力避けたい、という方は、「アレグラFX」か「クラリチンEX」。眠気については、「アレジオン20」が、眠気に関する注意事項の記載があるのに対し、「アレグラFX」や「クラリチンEX」は、運転禁止などの記載が無く、眠くなりません。

また、服用回数については、「アレグラFX」が、1日2回の服用なのですが、「クラリチンEX」は、1日1回、飲めばいいと手軽な薬です。

運転があるなら、1日1回の「クラリチンEX」か、1日2回の「アレグラFX」。運転がないなら、「アレジオン20」で、こちらは1日1回、就寝前に飲むだけで済みます。

★花粉症の薬は一長一短

ただ「抗ヒスタミン薬」は、くしゃみ、鼻水には効きますが、鼻づまりには効きが悪いです。鼻づまりには「抗ロイコトリエン薬」や、鼻の中に噴射する「点鼻ステロイド薬」が有効です。「抗ロイコトリエン薬」は鼻づまりに効果が高い一方で、効果が現れるのに数日から4週間と時間がかかります。

一方「点鼻ステロイド薬」は、鼻づまりに加え鼻水、くしゃみに有効で強力ですが、粘膜に対する刺激になることもあります。抗ヒスタミン薬と違って、これらは処方薬が多いですが、点鼻ステロイド薬としては市販の「AGアレルカットEXc」というものも出ています。くしゃみ・鼻水なのか、鼻づまりなのか、薬局の薬剤師、あるいは医師に訴えてください。

★世界初の新しい薬

久光製薬が開発した処方薬「アレサガテープ」という貼る薬です。貼る花粉症の薬というのは世界初ですが、成分的には、アレグラなどと同じ、「抗ヒスタミン薬」の第二世代で、くしゃみ、鼻水、かゆみを抑える効果があります。

では、貼るのと飲むのとでは、何が違うのか?「アレサガテープ」は皮膚から薬の成分が吸収されて、全身をめぐり、効果を発揮します。皮膚から吸収されるので、胃腸や肝臓に負担をかけずに済みます。また、皮膚から取り入れられた薬の成分の濃度が、血液中でフラットに安定するため、効果が安定的に持続することが期待できます。そのため、1日1回貼るだけで、24時間効果が持続するのも特徴です。

薬などでは飲み忘れたり、飲んだっけ?と記憶が曖昧になることもありますが、こちらは貼ってあるかどうかは一目瞭然なので、飲み忘れのようなことはありません。加えて、高齢の方など、嚥下機能の低下した方や、薬を飲むのが苦手な方にも向いています。

★問題点は?

問題点としては、他の貼り薬と同様、同じ場所に続けて貼ると、かゆくなったり赤くなったりしやすいことがあります。そのため、貼る場所を毎日変更するなどの工夫が必要です。また、アレサガテープは、国内の臨床試験で、4・9%の患者に眠気が報告されました。そのため、第二世代とはいえ、眠気に気を付ける必要があります。それでも興味のある方は、こちらはまだ処方薬なので、お医者さんに相談してみてください。

★いつから飲み始め、使い始めるのがいいのか?

花粉症対策では先手必勝で、花粉が飛ぶ2週間くらい前から始めるようにしてください。薬の成分が体に入ってから、効き始めるまでに、少し時間がかかるからです。そういう意味では、もう、今ますぐ飲み始めても、早すぎることはないでしょう。

次のシーズンをにらむなら、スギ花粉症には、根本的に治すことを目指す免疫療法があります。花粉症の原因物質である花粉のエキスを少しずつ体内に取り込んで、体質改善する治療です。エキスを舌=ベロの下に入れる治療で、これまでは液状の薬だけでしたが、去年から、錠剤も出ました。この免疫療法は、花粉が飛散していない6月から始める必要がありますので、今シーズンを乗り切ってから、耳鼻咽喉科で相談をしてみてください。

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190204080130

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