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誰にでも起こる「接触性皮膚炎」その原因と対処法

森本毅郎 スタンバイ!

今回は、接触性皮膚炎についてです。接触性皮膚炎は、一般的には「かぶれ」と呼ばれています。なにかしらの物質が皮膚に接触することで引き起こされる急性の皮膚の病気です。しかも、私たちが生活しているなかで触れるあらゆる物質が原因となるため、誰にでも起こる可能性があります。

そこで、2月11日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、ごく身近な皮膚の病気=接触性皮膚炎について取り上げました。

★接触性皮膚炎とは?

接触性皮膚炎とは、外からのなんらかの原因物質が皮膚に接触することで赤みが出たりブツブツや水ぶくれなどが出て、強いかゆみやヒリヒリ感、痛みをともなうこともあります。シャンプーなどの場合、頭だけでなく、首や胸までもが赤くかぶれます。さらに、原因物質が長い期間にわたって皮膚に作用すると、皮膚がゴワゴワと固くなっていくこともあります。原因物質に触れる仕事の人では、仕事が出来なくなり仕事をやめることにもなります。統計的には皮膚科クリニックの外来患者の20%以上が接触性皮膚炎であったという報告があるほどです。

接触性皮膚炎には、全身に広がる「全身性」と、接触した場所だけに症状が出る「限局性」がありますが、多いのは「限局性」です。限局性の場合は、接触した部位と同じ部分に赤みや水ぶくれができます。そして、症状が強い時には接触した部分以外に範囲を広げて、全身に皮膚の炎症を起こすことがあり、これが全身性ということになります。症状が出るまでにかかる時間ですが、これがバラバラで、数時間後と早く出ることもあれば半日、数日、1ヶ月後、というケースもあります。

★原因は?

接触性皮膚炎の原因は大きく分けると「一次刺激性」と「アレルギー性」の2つに分けられます。まず一次刺激性接触皮膚炎は化学物質との接触や摩擦などで起こります。何らかの刺激物質に初めて接触しただけでも生じるため、誰でも発症する可能性があります。特に皮膚のバリア機能が低下していると反応が起きやすく、洗剤に含まれる界面活性剤や唾液、便や尿などの弱い刺激、オムツとの摩擦によっても刺激性接触皮膚炎を発症します。

また、山芋や里芋などの芋類、アロエやパイナップル、キウイフルーツなどを食べた時に口のまわりにかゆみをともなう赤みが生じることもあります。さらに、果物の桃やタケノコなど表面の毛が皮膚につくなど物理的な刺激、ニンニクを刻む時に出るアリシンなどでも接触皮膚炎を生じることもあります。

一方、アレルギー性接触皮膚炎は、原因物質に繰り返し接触したり、特定の物質でアレルギー反応が引き起こされたりして生じます。どちらの皮膚炎も、多くみられるのは化粧品、毛染め、外用薬、点眼液など皮膚に触れる日用品が原因のケースです。

そのなかでも、金属はアレルギー反応を起こしやすい物質としてよく知られています。金属アレルギーの原因となるものとして代表的なのは、アクセサリーや時計、硬貨、ベルトのバックルなど多くあります。たとえば、レジを打つ仕事をされている方が慢性的に手の荒れが続いている場合、小銭に含まれているニッケルなどの金属が接触性皮膚炎を引き起こしていることがあります。

★検査は?

いろいろな原因が考えられるため、治療で重要なことは、まず何が原因かを特定することです。接触性皮膚炎が発症した部位に使用したもの、触れたものが原因物質の可能性があるため、詳しく問診が行われます。患者さんは問診にはしっかり答えましょう。また、原因を特定するためには、パッチテストも行われます。

パッチテストとは、原因となりえる物質を薄めたものを目立たない部分の皮膚に直接貼って、炎症反応が起こるかどうか確認する検査です。たとえば原因がシャンプーにありそうだということになれば通常の1%程度の濃度に薄めて、背中など目立たない部分の皮膚に貼って、かぶれが出るかを見ます。原因物質の検討がつかない場合にも、スクリーニングとして日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会が選定した、日本人がかぶれやすいおよそ30種類程度のアレルゲンの試薬を用いて検査を行うことがあります。これらの試薬や疑わしい物質を皮膚に貼ってから2日後、3日後、そして1週間後に病院を受診して、判定します。

★治療は?

原因が特定できると、まずは原因物質との接触を避けます。そして、炎症を早期に抑えるためにステロイド外用薬を使っての治療が行われます。炎症を早めに抑えることで、症状の悪化や炎症の後の皮膚の色素沈着を最小限に抑えるのです。

次にかゆみに対する治療です。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬を使い、症状が強い場合は、短期間のステロイド内服薬も使われます。

★予防方法は?

一次刺激性接触皮膚炎のでは、例えば代表的なものにオムツかぶれがあります。赤ちゃんや要介護の方がいらっしゃる方にとっては身近な問題です。オムツかぶれの原因は、主に尿や便などが長時間皮膚に触れることで引き起こされます。オムツかぶれを防ぐためには、オムツが汚れたらまめに交換をしてオムツのなかの環境を良好な状態に保つことが大切です。

一方、アレルギー性接性触皮膚炎は、再発させないために原因物質を意識して接触を避けることが重要になってきます。また、全身型金属アレルギーの場合は、食べ物の中に含まれる金属の摂取もなるべく減らす必要があります。金属が含まれる食べ物としてはチョコレートやココア、豆類があり、ニッケル、クロム、コバルトなどが多く含まれています。

いずれの接触性皮膚炎の場合も、皮膚のバリア機能が低下していると発症しやすいので、保湿による皮膚のケアが大切な予防策となります。日頃のスキンケアに気をつけましょう。湿疹が同じ場所で繰り返し起こるようなら、接触皮膚炎を疑いましょう。そして、迷わず皮膚科を受診して、適切な診断および治療を受けてください。

アレルギー性接触皮膚炎の再発予防には、原因物質を自覚し、接触を避けることが重要です。つまり、それからは、一度かぶれたことのある物には、触れないように心掛けましょう。加えて、類似した特徴を持つアレルゲンとの接触も控えるようにしましょう。ウルシでかぶれた人はギンナンやマンゴウとの接触を控えましょう。

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190211080130

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