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「グラミー賞の司会を務めたスーパーウーマン、アリシア・キーズ特集」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム

「グラミー賞の司会を務めたスーパーウーマン、アリシア・キーズ特集」

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グラミー賞の司会を務めたスーパーウーマン、アリシア・キーズ特集http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190215123655

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

【高橋芳朗】
本日はこんなテーマでお送りいたします! 「グラミー賞の司会を務めたスーパーウーマン、アリシア・キーズ特集」。世界で最も権威ある音楽賞と言っていいでしょう、グラミー賞。その第61回授賞式が日本時間の11日(月)にアメリカはロサンゼルスで開催されました。

今年のグラミー賞は「Diversity & Inclusion」(多様性と包括性)をテーマに掲げていたのですが、そんななかで女性アーティストの活躍が非常に目立ったセレモニーになりました。去年女性アーティストが冷遇されているという抗議を受けて、その反省が強く反映された格好になった感じですね。そして、そんな授賞式を見事に仕切ってみせたのが2005年以来14年ぶりの女性司会者となったR&Bシンガーのアリシア・キーズです。

【ジェーン・スー】
まだ若いしね。

【高橋芳朗】
うん、38歳。

【ジェーン・スー】
すごいね。でもなんでアリシアだったんだろう?

【高橋芳朗】
個人的は非常に納得のいく人選だったと思いますけどね。まずアリシア・キーズは2001年にアルバムデビューをしているんですけど、翌年のグラミー賞でいきなり最優秀楽曲賞や最優秀新人賞などの主要2部門を含む5部門を受賞しているんです。その後、彼女は現在までに6枚のアルバムをリリースしていますが、その累計セールスが3500万枚。この売り上げ記録だけでも十分にすごいんだけど、グラミー賞の受賞回数が現在まで15部門にも達していて。

【ジェーン・スー】
すごいね、15部門!?

【高橋芳朗】
そう、累計で15部門も獲ってるんですよ。今回司会者としてアリシアに白羽の矢が立てられたのは、そういうグラミー賞で高い評価を受けてきたことが背景にあるのではないかと。それに加えて、アリシアは社会活動も非常に熱心に行ってきたアーティストなんですよね。特に女性の社会的地位向上に対する活動にはすごく力を入れていて、数々の素晴らしいフェミニストアンセムを歌ってきています。

そのへんを踏まえると、ウーマンパワーを強く打ち出そうとした授賞式の司会者としてアリシアは名実共に適任だったと思います。本日は、そんなアリシア・キーズの名曲や関連曲を計4曲紹介しましょう。まずはこの曲から、アリシアでいちばん人気が高い曲といったらこれでしょうね。2003年リリースの傑作バラードです。

M1 If I Ain’t Got You / Alicia Keys

【高橋芳朗】
赤坂のフレディ・マーキュリーことジェーン・スーさん、この曲がカラオケのレパートリーということで隣でフルコーラスで熱唱していました。

【堀井美香】
もう立ち上がって歌っていましたからね。

【ジェーン・スー】
でも気心の知れた人の前でしか歌いませんよ、この曲は。

【高橋芳朗】
この「If I Ain’t Got You」はアレサ・フランクリンの影響を感じさせる曲ですが、アリシア・キーズはこういった正統派ソウルシンガーの魅力も持ちながらも、クラシックやジャズの素養もある非常に幅広い音楽性を持ったアーティストです。彼女はピアノの弾き語りがトレードマークになっているんですけど、ポップミュージックの歴史を彩ってきたピアノウーマン、たとえばニーナ・シモンだったりキャロル・キングだったりロバータ・フラックとだったり、そういうピアノを弾く女性シンガーソングライターのハイブリッドみたいなところもあるんじゃないかと思います。

で、今日はジェーン・スーさんにもアリシア・キーズの曲を一曲選んでもらいました。スーさんが考えるアリシア・キーズの魅力はどんなところでしょう?

【ジェーン・スー】
アリシア・キーズはデビューした当時からビジュアルと楽曲の相性にすごくオリジナリティがあったんですけど、確か2016年のMTVのビデオミュージックアワードのときにノーメイク宣言をしたんです。突然、メイクアップをしないで公共の場に出てきたの。それまでのアリシアといえば、太いアイラインでビュッと目尻を上げていたのがトレードマークになっていたんですよ。

【高橋芳朗】
キリッとしたシャープな目元でしたよね。

【ジェーン・スー】
そう。それが突然、すごく愛嬌のある美人なんだけど比較的ぼんやりとした顔のノーメイクで現れて。どうしたのかと思ったら、レコーディングの最中に「やりたくないことリスト/うんざりリスト」みたいなものをつくったんだって。そのうちのひとつに「世間の期待に沿った『女性らしさ』をなぞって生きていくこと」、つまりメイクアップしたりダイエットしたりすることを挙げていて。それで「もうやめます!」ってノーメイクでいきなり出てきちゃったんですよ。それに対してはいろいろバッシングもあったりして。でも、そもそもバッシングがあること自体おかしいじゃん?

【堀井美香】
うんうん。

【ジェーン・スー】
アリシアはそうやっていろいろな人に考える機会を与えてきて。そこからは作品性もだいぶ変わっていって、よりナチュラルな感じになっていったんです。最近の彼女はそんなイメージが強いんですけど、やっぱりラジオでかけるなら2003年のこの曲かなって。いまのアリシアがノーメイクでこれをどう歌うのか、それを聴いてみたいという期待込みで選びました。

【高橋芳朗】
うん、素晴らしい選曲だと思います。

【ジェーン・スー】
ラジオでかけるならこれだろうということで選びました。

M2 You Don’t Know My Name / Alicia Keys


【高橋芳朗】
3曲目はアリシア・キーズ関連曲として、H.E.R.の「Focus」を聴いてもらいたいと思います。H.E.R.は現在注目の女性R&Bシンガーで「アリシア・キーズの再来」などと言われたりしているんですが、実際にアリシアがプッシュしたことによって脚光を浴びたという背景があります。

【ジェーン・スー】
あ、そうだったんだ。

【高橋芳朗】
うん。このH.E.R.は今回のグラミー賞で最優秀R&Bアルバム賞を受賞してパフォーマンスも披露しているんですけど、彼女の紹介を恩師のアリシアが務めたところがまたR&Bファンにはたまらないシーンだったんじゃないかと思います。

M3 Focus / H.E.R.

【高橋芳朗】
最後はアリシア・キーズの曲で締めくくりたいと思います。今日は割としっとりめの曲ばかりかけてきたので、ラストは元気なエンパワーメントソング「Girl On Fire」でいってみましょう。これは2012年リリースのヒット曲で、女性の権利向上を訴えるウィメンズマーチでも歌われているフェミニストアンセム。「あの女の子は燃えるような情熱を秘めている」と歌い上げる力強いメッセージソングです。

M4 Girl On Fire / Alicia Keys

【高橋芳朗】
アリシアはグラミー賞授賞式で司会を務める傍ら、ピアノ2台を駆使した圧巻のパフォーマンスも披露しているのでぜひYouTubeなどでチェックしてみてください。

あと、今回のグラミー賞授賞式については11日放送の『荻上チキ・Session-22』、13日放送の『アフター6ジャンクション』でも解説しています。ざっくりとした概要が知りたい方は『Session-22』を、より詳しい内容を知りたい方は『アトロク』の方を聴いていただけますと。『アトロク』に関しては楽曲も聴けるradikoタイムフリーでのリスニングを推奨します。

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

2/11(月)

(11:13) The Way It Is / Bruce Hornsby & The Range
(11:29) Little Lies / Fleetwood Mac
(11:38) We’ll Be Together / Sting
(11:46) Sledgehammer / Peter Gabriel
(12:13) Out of Touch / Daryl Hall & John Oates
(12:23) Higher Love (Single Version) / Steve Winwood

2/12(火)

(11:05) It’s Too Late / Carole King
(11:24) Carey / Joni Mitchell
(11:35) Reason to Believe / Carpenters
(12:14) The Only Living Boy in New York / Simon & Garfunkel
(12:26) If Not for You / Bob Dylan
(12:49) Everyone / Van Morrison

2/13(水)

(11:04) Hazy Shade of Winter~冬の散歩道~ / The Bangles
(11:28) Change of Heart / Cyndi Lauper
(11:38) Would I Lie to You?~ビリーヴ・ミー~ / Eurythmics
(12:14) You Caught Me Out / Tracey Ullman
(12:24) Turn to You / Go-Go’s

2/14(木)

(11:03) 美空ひばり – L-O-V-E (1965)
(11:19) Blossom Dearie – Put On a Happy Face
(11:30) Nina Simone – This Year’s Kisses
(11:38) Shirley Horn – Yes, I Know When I’ve Had It
(12:14) Nancy Wilson – Wives and Lovers
(12:50) Joanie Sommers – A Wonderful Day Like Today

2/15(金)

(11:04) Everybody Dance / Chic
(11:22) Music’s Takin’ Over / The Jacksons
(11:33) Forever Came Today / Shalamar
(12:12) Smooth Talk / Evelyn Champagne King