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精神障害・発達障害当事者の災害時対応を考えるシンポジウム▼人権TODAY(2019年2月23日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8時20分頃から放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは、「精神障害 当事者会ポルケ」という団体が開催したイベント
「精神障害·発達障害者の被災経験から考える防災·減災のこれから ポルケフォーラム2019」
です。

イベント風景

精神障害当事者会 ポルケとは

先日、東京・目黒区の東京大学内で「精神障害・発達障害者の被災経験から考える防災・減災のこれからポルケフォーラム2019」というイベントが開催されました。
精神障害や発達障害を持つ人たちが大地震の被災体験、避難所生活などでどのような大変さがあったかどんな課題があるかを講演やディスカッションで発表するイベントでした。

主催したのは「精神障害当事者会 ポルケ」という団体です。
「ポルケ」は精神障害、発達障害の当事者のみによって運営され「わかりにくい」「見えない障害」とされる精神障害や、発達障害を抱える当事者が、自ら発信をする目的で2016年に設立されました。

代表の山田悠平さんも統合失調症を抱えています。
「ポルケ」では当事者が集まって交流する「お話会」や障害のない人も参加できる「学習会」などのイベントを通じて当事者のつながりを広げたり、当事者からオピニオンを発信しています。 

「ポルケ」の山田代表は設立趣旨をこのように語っています。

ポルケの山田代表

「ポルケ」山田悠平代表

大学生のおりに発病という経験をして、学生の時は大変な状況があったんですけども、その経験のなかで、当事者たちとつながり自分の自信だとか、体調面の折り合い方とかを学ぶ機会があり、そういった経験をソーシャルな場面で伝えていきたいと。また場合によっては当事者の発信を通じて社会をもっと良くしていきたいという思いで活動を始めています
精神障害、発達障害は日によって体調の変化があったり、家から出られないぐらい不調の時もある、難しい障害です。

服薬した際にも強い副作用があったりしますが、そうした心身の状態の変化が周囲から目に見えにくいために、苦しさを理解してもらえないことが多くあります。
    

そうした障害のある人たちが大地震などの災害で、避難所などでの共同生活を余儀なくされた時、どんな取組みが必要で周囲はどんな配慮をするべきかが、今回のイベントのテーマでした。

イベントは当事者、福祉関係者のほか、一般の学生など約50人が参加して行なわれました。

東日本大震災後に福島県相馬市で精神障害者の移送支援をした大田区のNPOの中野真弓さんや、東京大学教養学部特任准教授・井筒節さんの国連が推進する災害時のメンタルヘルスに関する講演のほか、2016年の熊本地震の際に実際に避難所で発達障害の人たちの支援を行なった熊本市の発達共働センターよりみちセンター長で相談支援専門員の山田裕一さん、支援団体NPO法人「凸凹ライフデザイン」理事で発達障害当事者の相良真央さんの体験発表などがありました。

講演の風景

熊本地震の被災地での体験発表は非常に具体的で分かりやすい内容でした。
発達障害については近年、よく知られるようになりました。

落ち着きがない、こだわりが強い、コミュニケーションが難しいなどの症状で
知っている方が多いと思います。

しかしそれ以外にも、たとえば「感覚過敏」で、ある種の光、音、匂いなどに耐えられない苦痛を感じたり、身体の部位に物理的な痛みを感じるなどあまり知られていない、多様な症状があります。

ところが避難所ではそうした症状が理解されず、音や匂いで苦しんでいても周りから「弱い」とか「わがままだ」と認識されて叱られたり、対応してもらえないことがあるそうです。

また当事者には説明するのが苦手な人もおり、苦しいのに最初からとりあってもらえないこともあります。

こうした「見えない」「わかりにくい」障害の大変さは普段から周囲に理解されていないと、避難所などで突然表面化しても、置き去りにされてしまう問題なので、
あらかじめ多くの人が理解しておくことが重要です。

山田さんと相良さん

熊本地震の際に避難所で支援活動をした山田裕一さんは配慮・支援の必要なことをこのように話しています。

熊本市の発達協働センターよりみち センター長 相談支援専門員の山田裕一さん

当事者が感じていることや感覚を丁寧にゆっくりと確認する、そして当事者も安心できてそれを言っても良いんだと思えるような環境作りが理想では必要なんですけど、ただ災害時という緊急事態ではなかなか余裕が持てませんし、なので私が提案したいのは、当事者や支援者、一般市民が普段から交流をする、コミュニケーションをとる場をいろいろな所で作っていくことが大事なのかなと思います

また震災後に発達障害者の支援活動をしてきた自身も当事者の相良真央さんは障害当事者の受け入れについてこのように話しています。

支援団体NPO法人「凸凹ライフデザイン」理事で発達障害当事者の相良真央さん

自分たちがいかに面倒くさいかということを、上手くいかないよねっていうことをシェアする活動を続けていると、その人はその人でとても大変なんだということはイメージしやすくなる、そういう人もいるって事を呑み込むことが人間にとってとても大事じゃないかと思ってます。

精神障害、発達障害の方の災害時の配慮や支援についてはこれまであまり焦点になってこなかった課題なので、今回のイベントはたいへん有意義なものでした。
東日本大震災が発生した3月11日が近づき、災害対策への関心が高まる時期ですが、
こうした表から見えてきにくい問題にも関心を持ってほしいと思います。

「精神障害当事者会ポルケ」に関しての情報は
以下のホームページからご覧ください。

精神障害当事者会ポルケ https://porque.tokyo/

取材報告:藤木TDC(フリーライター)