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児童養護施設出身者を対象にした大学推薦入試▼人権TODAY(2019年3月2日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で、8:20頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

大学進学とお金の問題

政府の調査では、全国の大学進学率は50%超。しかし児童養護施設出身者に限定するとわずか14%(2017年)にとどまっています。大学に行くにはかなりのお金がかかりますから、施設で暮らすお子さんにとってはなおさら問題です。一部の大学では、一般入試に合格したら学費を無料にしたり奨学金を給付するなどの支援をしています。そんな中、今回取材した青山学院大学でも2018年度入学の試験から、すべての学部を対象に施設出身者に限定した推薦入試制度を導入しました。一般入試の代わりに高校の成績を重視した書類選考と面接を行い、合格すると学費が4年間無料になり、月10万円の奨学金が給付されるそうです。2018年度は2人が入学し、2019年度も2人の入学が決まっているということです。

青山学院大学の三木義一学長


三木義一学長

なかなか受験自体が難しい経済環境にあるわけです。進学率も非常に少ないということを前々から気にしていたものですから、大学として、こういうお子さんが受験しやすいように、かつ、合格できた後も4年間頑張れば卒業できる見通しが立つような仕組みを作ってあげる必要を感じていたわけです。それまでは「合格したら、ちょっと援助するよ」というような制度はあったのですが、私どもは特別入試で迎え入れてあげるという仕組みを作れば、本当は行きたいんだけどそれは言えないお子さん達もトライしてくれるかもしれない、そういう思いでこれを始めたわけです。

2018年の4月に入学した女子学生にお話をうかがうことができました。この学生さんは、小学2年の時に両親が離婚して母子家庭になり、その後、母親が亡くなって神奈川県内の児童養護施設に入りました。進学についてはどう考えていたのでしょうか。

推薦入試で入学した女子学生

進学っていうのを元々考えていなくて。というのも母子家庭で暮らしていて生活保護を受けて、本当にギリギリな状態で生活してきてて、貯蓄もなかったし。でも高校は行こうかなと思ってたんですけど、大学に行きたいって意欲もなくて、お金がないしって思ってて。児童養護施設に入ってからは、もし姉が進学するなら私も進学したいなって思って。姉は給付型の奨学金を全て払える分ぐらいまで自分で掴み取って、いま進学してるんですね。やっぱりそんな姿見てて、私も頑張んなきゃなってすごく影響を受けて、なのでこの制度に本当に命を救われたっていうぐらいすごく大きな存在です。

母に感謝。夢は通訳

現在、文学部の英米文学科で学ぶこの学生さんに今後の夢を聞きました。

推薦入試で入学した女子学生

通訳になりたいって元々考えていて、母は元々プログラマーをやってたんですけど、英語もできるから通訳をやってた時もあって、それで私その姿にすごく憧れて、小さい頃からすごく英語にあふれた環境の中で育ててくれて母が。やっぱり幼いながらに、英語が分かるとこんなに楽しいんだって感動を覚えてた部分もあって。まぁなれるかわからないですけど頑張ってます。(笑)

本当に学びたい学生を受け入れる体制づくりを

三木義一学長

一番のお願いは、私どもも一生懸命頑張りますけど、私の大学だけでは限界があるので、全国の大学がそれぞれ創意工夫して、1人でもいいので受け入れることを努力してくださったら、全国多くの子供達にチャンスが生まれるんです。それを是非、改めてお願いしておきたいと思います。

たとえば全国の大学が1人ずつ施設出身者を受け入れると、600人の子どもが進学できるようになります。将来性のある学生の夢をつぶさないためにも、こんな取り組みが多くの大学に広がるといいですね。

(担当:進藤誠人)