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東日本大震災から8年~津波被災地の公共交通をどうするか▼人権TODAY(2019年3月9日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・東日本大震災から8年~津波被災地の公共交通をどうするか。

担当:崎山敏也

東日本大震災から8年。津波の大きな被害を受けた岩手県沿岸で3月、鉄道の運行が再開します。JR山田線の宮古と釜石の間です。再開にあたって、JRから三陸鉄道に経営が移るので、すでに2月から列車の訓練運転が始まっています。

津波と火災で中心部が壊滅した沿線の山田町を取材しました。再建された陸中山田駅の駅舎のところにいると、訓練運転の列車がやってきて、小学生の子供達は大喜び。また、中学生たちに話を聞くと、「もし宮古の高校とかに進学したら、列車通学かも」と話していました。また、近くにいた年配の女性二人組に話を聞くと、「私たち年が年だからさ、遠くにはなかなか行けないから、汽車が通れば、家が近くだから便利です。災害公営住宅に住んでいるんですが、開通したら、釜石にみんなで行こうと話しています。高齢者の仲間がいっぱいいるから、途中降りなくてもいいから、乗りっぱなしで行ったり来たりしたいです」と話していました。

山田町は中心部を復興するために、陸中山田駅周辺に様々な機能を集中させています。家を失い、自力で再建するのが難しい人の災害公営住宅のほか、銀行、スーパーマーケット、個人商店、交流センター。駅舎には図書館がつながっていて、バスも立ち寄ります。ただ、今はまだ人の賑わいがそんなにありません。駅前の婦人向け衣料品の店で聞くと、「いま店がすごく集まっているように見えるけど、静かなんです。人口が減っているせいか、お店自体の売り上げとかにはつながらない。駅ができれば、人の流れが変わってくれればいいなと思ってはいますけど。若い人たちは地元のお店というよりも出かけていって買うほうが楽しいですし。皆さん免許持ってますから。駅ができても、なかなか厳しいものがあります」という答えでした。8年間鉄道は動かず、「自分たちの鉄道」という意識も薄れているのかもしれません。駅ではなく、車で買い物に来ることを想定して、少し離れた国道沿いに集まって再建した商店もけっこうあるんです。

一方で、鉄道の再開に、期待をこめている人もいます。駅前で文房具、オフィス用品の店を再開していて、鉄道復活・山田町民の会」の事務局をつとめる松本龍児さんは「鉄道がまずなくなるというのが、非常に不安です。車ある人はそれはそれでいいけど、だけれどやはり、鉄道の、全部つながっている、乗れば安心して目的地へ行けるという、そのよさをなくすると、やっぱり、小さい町は余計に寂れてしまう。震災前も町そのものが寂れてきている状態だったし、駅というと暗いイメージがついていたんですが、こうやって駅周辺に、公共の建物とかを集めて、昔のイメージをそのまま残すのではなく、いい使い方を町民も鉄道会社も町もお互いにしていかないと」と話します。

鉄道は高齢者、障害者の買い物、病院に通う足だったり、高校生の通学にも使われると同時に、外から町に人が来る玄関にもなります。三陸の美しい風景や、特産品を求めて観光で来る人もいるでしょう。経営を担う三陸鉄道は、震災を体験した社員がガイドとなって、当時の様子や復興にかける思い、防災の大切さなどを伝える「震災学習列車」を走らせる予定です。

三陸沿岸には鉄道をバスに転換した地域もありますが、鉄道を選んだこの地域で、地域の人のつながり、地域と外の人とのつながりを取り戻す役割を果たせるか、今後が注目です。

三陸鉄道のホームページ https://www.sanrikutetsudou.com/