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「21年ぶりの新作リリース! UKスカのレジェンド、スペシャルズ特集」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム

「21年ぶりの新作リリース!UKスカのレジェンド、スペシャルズ特集」

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radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

【高橋芳朗】
本日はこんなテーマでお送りします! 「21年ぶりの新作リリース! UKスカのレジェンド、スペシャルズ特集」。

BGM A Message to You, Rudy / The Specials

A Message to You Rudy (2002 Remaster)

【高橋芳朗】
いまうしろで流れているのはスペシャルズの「A Message to You, Rudy」。『モヤさま』でおなじみの曲ですね。

【ジェーン・スー】
あー、そうかそうか! スペシャルズといえばこれって感じですね。

【高橋芳朗】
うん。イギリスでは1970年代後半にスカがリバイバルしているんですけど、その中心的な存在だったバンドがこのスペシャルズ。そんな彼らがオリジナルアルバムとしては21年ぶりのニューアルバム『Encore』を先月にリリースしました。それに伴っての今回のスペシャルズ特集です。

まずイギリスとスカの関係について話すと、スカという音楽は1950年代にジャマイカで誕生した音楽なんですね。イギリスはかつてジャマイカを植民地支配していたことからジャマイカ移民がすごく多くて、それで彼らによって持ち込まれたスカやレゲエといったジャマイカ生まれの音楽が古くから親しまれてきた背景があります。

スペシャルズの出身地のコベントリーという工業都市は特にジャマイカの移民が多い地域で、実際スペシャルズはジャマイカ移民のメンバー2人を含む白人と黒人の人種混成バンドだったんですね。そんなことから彼らにとってはスカが非常に身近な音楽だったと。そして、スペシャルズはそのスカと当時盛り上がっていたパンクロックを結びつけたというわけです。

では、まずはスカとパンクを融合させたスペシャルズの代表的な曲を聴いてもらいましょう。これは1979年のリリース、エルヴィス・コステロがプロデューサーを務めたデビューアルバム『The Specials』の収録曲です。

M1 Little Bitch / The Specials

The Specials (2002 Remaster)
【高橋芳朗】
スペシャルズを語るうえで欠かせないのが「2トーン」というレーベル。彼らが自ら立ち上げた2トーンは白と黒の市松模様をトレードマークにしているんですけど、これはスペシャルズのメンバー構成と同じ白人と黒人の統合を意味しています。

スペシャルズがデビューした当時のイギリスは長引く不況で貧困と失業が深刻化していました。それによって労働者階級の若者がやり場のないフラストレーションを抱えて、やがてその矛先が移民に向けられるようになってしまって。それが排外主義や人種差別の助長につながっていったんですね。スペシャルズと2トーンは、そういう世相に対するカウンターとして登場してきたわけです。

そんなスペシャルズと2トーンのコンセプトを象徴する曲といえるのが「Why?」。1981年の作品です。これはスペシャルズのジャマイカ移民のメンバーがレイシストから暴行を受けた実際の出来事を題材にした曲になります。歌詞の大意を説明しますね。「なぜ君は僕を傷つけるんだ? なぜ僕らは争い続けなくちゃいけないんだ? 君が白人であることを誇りに思っているように、僕はこの黒い肌を誇りにしている。クークラックスクランなんていらない。極右政党なんていらない。僕はただ平和に暮らしたいだけなんだ」。こんな内容の曲です。

M2 Why? / The Specials

モア・スペシャルズ<スペシャル・エディション>
【高橋芳朗】
「Why?」はスペシャルズ解散前の最後のシングル「Ghost Town」のカップリング曲なんですけど、このあと彼らはメンバーチェンジを経てバンド名をスペシャルAKAと改名して活動していくことになります。

スペシャルAKAも引き続き社会問題を積極的に扱っていて、よく知られているのが「Why?」の流れを汲む「Racist Friend」。「もし君に差別主義者の友達がいたらすぐに関係を終わらせるべき」と歌う、まさにスペシャルズのスピリットを受け継ぐような曲なんですけど、ここではその名も「Nelson Mandela」という1984年リリースの曲を紹介したいと思います。タイトル通り当時まだ投獄されていました南アフリカの反アパルトヘイト運動の中心人物、ネルソン・マンデラの解放を訴えた曲ですね。

‹h3›M3 Nelson Mandela / The Special AKA

Nelson Mandela
【高橋芳朗】
メッセージソングが続いたので、最後は楽しいパーティーソングで締めくくりたいと思います。スペシャルAKAからスペシャルズに戻って「Enjoy Yourself (It’s Later Than You Think)」。1980年の作品です。サブタイトルの「It’s Later Than You Think」は「あなたが思っているほど人生は長くないんだよ」みたいな意味。だから「Enjoy Yourself」、つまり「もっと自分から楽しんでいこうぜ!」と歌っているわけですね。

M4 Enjoy Yourself(It’s Later Than You Think) / The Specials

モア・スペシャルズ<スペシャル・エディション>
【高橋芳朗】
というわけで今日はスペシャルズの往年の名曲を紹介してきましたが、今回のひさびさのニューアルバム『Encore』も21年ぶりのリリースであるにも関わらず全英チャートで1位を獲得しています。

【ジェーン・スー】
えーっ、すごい!

BGM Black Skin Blue Eyed Boys / The Specials

ENCORE - DELUXE

【高橋芳朗】

この新作でも黒人と白人の統合を掲げてきたスペシャルズのコンセプトは依然健在で。いまうしろでかかっているイコールズのカバー「Black Skin Blue Eyed Boys」や「B.L.M(Black Lives Matter)」などはぜひメッセージも踏まえて聴いてほしいですね。

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

3/4(月)

(11:07) Save It for a Rainy Day / Stephen Bishop
(11:25) If You Should Fall / Ned Doheny
(11:36) Higher & Higher / John Valenti
(12:10) It Just Takes Awhile / Crackin’
(12:26) Soul Searching / Average White Band
(12:53) 何もいらない / 大貫妙子

3/5(火)

(11:06) Feel Like Makin’ Love / Roberta Flack
(11:26) Smile Please / Stevie Wonder
(11:39) Feelin’ Blue /Earth Wind & Fire
(12:11) Spread Us Around / Timmy Thomas
(12:50) 冬越え / 細野晴臣

3/6(水)

(11:05) Cruel to Be Kind〜恋するふたり〜 / Nick Lowe
(11:24) Oliver’s Army / Elvis Costello & The Attractions
(11:37) Girls Talk / Dave Edmunds
(12:17) Feel You Around Me / NRBQ
(12:51) Sentimental Fool / シーナ&ザ・ロケッツ

3/7(木)

(11:05) Upa Neguinho / Sergio Mendes & Brasil ’66
(11:23) Bim Bom / Astrud Gilberto
(11:39) The Sunny Side of the Street / Quarteto Em Cy
(12:10) Keep Talking / Mario Castro Neves & Samba S.A.
(12:21) E Preciso Cantar / Conjunto 3D
(12:51) Saiupa / Bossa Rio

3/8(金)

(11:04) The Glow of Love / Change
(11:22) Get Ready / Patti Labelle
(11:34) Never Gonna Give You Up / Patrice Rushen
(11:46) Saturday Night / Herbie Hancock
(12:10) Take it to the Limit / Norman Connors