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もしもの時の話し合い「もしバナゲーム」▼人権TODAY(2019年3月23日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・
“もしもの時の話し合い「もしバナゲーム」” です。

人権トゥデイ

もしもの時の話し合い「もしバナゲーム」

★縁起でもない“もしも”の話『もしバナゲーム』

人生の締め括りに備える「終活」という言葉を最近よく聞きますが、きょうは、人生の最期にどう過ごしたいかを考える『もしバナゲーム』というカードゲームについてです。まずは、ゲームを開発した、千葉県鴨川市にある亀田総合病院の医師、蔵本浩一さんのお話。

亀田総合病院・医師 蔵本浩一さん
実際は「もし自分があと余命半年〜1年の命」とした場合に、何を大事にするかを考えながらやっていくゲーム。病院に勤めている私たちの目からすると、どうしてもそういう話は先延ばしになりがちで、いざその人が救急車で運ばれたり、話そうと思った時には意識がなかったり話し合えない状態になっているという現場をよく目にしていたので、そういうところを何とかしたいと思った。

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「もしバナゲーム」


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36枚それぞれに、別々の文言が書かれています


もしバナゲームは一人でもできますが、一番スタンダードな「レクリエーションルール(4人一組)」がこちらです。

  • カードは全部で36枚。各プレイヤーに5枚ずつカードを配ります。次に、場に5枚のカードを表向きに置きます。残りのカードは中央に積んでおき、積み札とします。
    • 自分の順番が回ってきたら、手札の中から不要なカードを1枚、場に置かれたカードと交換していきます(なければパス)
      • 全員がパスをした時点で場のカードを流します。積み札から新たに5枚のカードを場に表向きに置きます。
        • これを繰り返し、中央の積み札がなくなって、場のカードが流れたらゲーム終了。
        • 各人が手元にある5枚のカードから、特に大切なカードを3枚選び、その理由を考え、他のプレイヤーに説明します。

        元々アメリカにあったカードゲームのルールを一部変えて、「日本語バージョン」として、3年ほど前から蔵本さんたちが販売を開始しました。

        ★ゲームだから気軽に取り組める

        では、実際にゲームを行うプレイヤーはどんな反応なのか。大阪を拠点に、市民向けの「終活セミナー」などでゲームのレクチャーをしている、訪問看護師の臼井景子さんに聞きました。

        訪問看護師 臼井景子さん
        親子で来る人は、「自分の親がこんな風に考えてたって知らなかった」って仰る人いる。やっぱり改めて、「あんた死んだ時どうする」とか「死ぬ前どうしたい」とか聞きづらいですよね。その時はお母さんが「家族に迷惑をかけたくない」というカードをよく選んでいたみたいで、「母がこんな風に考えてるとは知らなかったです」と言っていた。私は性格的にストレートな方なので、自分の母とか父にはバンバン聞いてた方なんですけど、聞けない人もいるので。だからゲームだから気軽に取り組める。取り組んでる中で本音が見えたりするのかなと思います。

        「死」と聞くと身構えてしまいますが、気軽に考えを共有するきっかけ作りとして、このゲームが役立つと話していました。

        ★医療現場の研修で活用

        さらに、『もしバナゲーム』にはこんな活用方法もあるそうです。

        看護師
        病院の職員向けに、教育の素材として使っている。医療者は患者さんのこと絶対分かっていると思いがちだが、価値観って多様なので、時には患者さんの意見を阻止している要因になっていることを分かってもらいたいと思っている。
        ケアマネージャー
        介護支援専門員。同じ介護職や医療職など、他職種連携の中での研修会でやっている。どうしても自分の思いが一方的になってしまう。どんなに相手のことをわかろうと思っても、「私の想い」の方が強くなりがちになるので、改めてその方のことを考えることができるなとは思っている。

        例えば、末期がんの患者さんに放射線治療を勧めても、「治療を放棄したい」と主張する人もいるそうです。これを聞くとお医者さんは、どうして最善の治療を行わないのかと戸惑ってしまう人も多いそうなのですが、「答えは一つじゃない」ということを医療従事者が受け入れる為にも、『もしバナゲーム』が役立つということです。

        ★「いまを生きる」ための準備でもある

        最後に、「死」と向き合うことの意味について、訪問看護師の臼井さんが話してくれました。

        訪問看護師 臼井景子さん
        大げさなものではなくて、「自分がいずれ死ぬんやよー」ってことを改めて考えるきっかけ作りって感じ。それ考えると、今どう生きようって遡るじゃないですか。死ぬときのことを考えると。私も50過ぎてるけど、やっぱりだんだん生物として迫ってきてる。そしたら、今のうちにコレしとこうアレしとこうって、生きることを考える。決して「重たいこと」を考えるよりは、これをきっかけに、今をどう生きようという、投げかけでもあるのかなと私は思っています。

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        「もしバナマイスター」育成セミナーの様子


        臼井さんのように「もしバナマイスター」として普及活動を行っている人材は、全国に50人程いるそうです。開発者の蔵本さんは今後、東京・名古屋・大阪でワークショップを行い、臼井さんのようなサポーターの育成にも力を入れていきたいと話していました。

        「もしバナゲーム」が欲しいという方は、ゲームの普及活動を行っているiACPのホームページか、亀田総合病院の売店で購入できます。

        (担当:TBSラジオキャスター 田中ひとみ)
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        亀田総合病院 地域医療連携室内 iACP事務局
        04(7099)1230
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