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なぜ?今、日本に紙が足りない!

森本毅郎 スタンバイ!

今、日本国内で作られるすべての種類の「紙」に起きている“大問題”について、3月25日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

 

まずは、全日本印刷工業組合連合会の池田幸寛さんのお話です。

★印刷業界は死活問題、紙が足りない!

全日本印刷工業組合連合会 池田幸寛さん
昨年の11月を過ぎた頃から、急に「印刷用」の用紙が不足しています。年度末、この3月に向かって特に品薄状態に拍車がかかっている。現在は「一般用紙」も品薄で、我々印刷業界にとっては死活問題。中小印刷業界のみならず、大手も、通販印刷関係も、4月、5月にかけてまだまだ続くと思います。
森本毅郎スタンバイ!

「紙が足りない」問題

今、印刷業界は「紙が足りない」という大問題に直面しています。なぜなのか。これには色々な理由が重なっているようで、そもそも今は「ペーパーレス化時代」。様々なところで紙を使わない取り組みをしている為、製紙会社では紙を生産する機械「抄紙機(しょうしき)」を停止させる動きが広がっています。日本製紙は去年、国内の抄紙機8台を停止させ、紙の生産能力を2割減らし、大王製紙や三菱製紙も、抄紙機の稼働を減らしています。機械を停止させ紙の生産を減らしている中で、去年は西日本豪雨や北海道地震などの自然災害の影響で製紙工場が動かせず、例年より生産が大きく落ちてしまいました。そうなると、印刷業界としては印刷をする紙がないので死活問題。という流れです。

★注文に制限をかけている印刷会社も

そしてすでに、影響は出始めています。総合印刷会社の株式会社グラフィック・中野英治さんのお話。

株式会社グラフィック 中野英治さん
特に年度末に、新年度の印刷物・名刺・チラシ・冊子・パンフレットが特に増える。ですが紙が足りていないので、一部のご注文を制限させていただいている状況。あとは、新元号が発表される4月以降に、4月始まりのカレンダーなどが増える予想はあるが、紙がなくて注文を止めるのは今回が初めて。異常事態ということになりますね。

元々、3月は年度末で、企業や官公庁からの需要が高まる時期ですが、紙が足りないので、例えば「3000部以下の注文のみ」、「36ページまで」などの制限をかけているそうです。さらに 4月に入ると、新元号の書類やカレンダーの注文が予想されるためさらに混乱しそう…。

★中国に「古紙」が爆買いされている?!

そして実はもうひとつ、紙不足の大きな要因があります。紙の種類のひとつ「再生紙」。新聞や雑誌などの古紙をリサイクルして作られる紙ですが、この再生紙もないんです。再び全日本印刷工業組合連合会の池田さん。

全日本印刷工業組合連合会 池田幸寛さん
現在、再生紙が「年間計画」以外まったく生産されていない。材料となる古紙も品薄で、中国の方に流れているのが大きな要因。中国で再生紙を作るための材料という形で輸出されていて、日本国内に材料がなくなってしまった。中国は古紙の材料をアメリカから輸入していたが、貿易摩擦で日本企業から輸入することろが増えて来たというのが現状です。

中国は去年8月、アメリカの古紙に対して報復関税で25%の追加関税を課しました。そこで中国企業は日本の古紙に目をつけ“爆買い”。追加関税から1ヶ月後の9月には、日本から中国に渡る古紙の輸出量が前年同月比で4倍。去年11月の古紙の輸出価格は、半年前の1.7倍になっています。ちなみに中国では、古紙にする廃品回収などのシステムがまだ整っていないため、自国で再生紙を大量に作り出すことができません。

(「年間計画」…特に官公庁は、グリーン購入法で再生紙を使うことが定められています。印刷会社と官公庁で年間契約を取っていて、途中で紙が値上がっても印刷会社が負担を被らなければならない為、印刷業界は厳しい状況に追い込まれているそうです。)

★ダンボールの値段も高騰

さらに、古紙の品薄で、こんなものの値段が上がって来ています。株式会社アースダンボールの吉野修さんのお話です。

株式会社アースダンボール 吉野修さん
ダンボールは、実は2年連続で上がっていて、安かった時と比べると10〜15%くらいは上がっている。ダンボールは3層構造になっていて、オモテの紙・ウラの紙・中の紙、すべての紙が上がっています。材料の入荷が厳しくなってきていて、まだまだ上がっていく可能性がありますね。

物流費がどんどん上がっている中、ダンボールの値段も上がっているようです。ダンボール需要は、アマゾンなどのネット通販企業の拡大や、メルカリなどで個人が使う場合も増え、3年連続で過去最高を更新中。今後さらに値上がりする可能性もあり、ネット通販の価格にも影響が出てくるかもしれません。

生産縮小が続く中で起きた紙不足、これだけ「紙が足りない!」という状況の中で、

  • ペーパーレス化・デジタル化なのに、紙の生産量を増やすのか。
  • それとも古紙が中国に流れ過ぎないように対策をするのか。

なにかしらの対策をしないと、影響はどんどん広がってしまいそうです。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!