お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ
  • 音声あり

日本の大学院生が作った【魚型ドローン】 MITよりスゴイ技術とは!?

森本毅郎 スタンバイ!

今日はドローンの話ですが、空を飛ぶドローンではなく、水の中を行くドローン。空ばかりでなく、水中ドローンの開発も活発なのだそうですが、そんな中、大阪の大阪市立大学の大学院生が開発した、ちょっと変わった水中ドローンが話題になっているんです。そこで・・・

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!3月26日(火)は、レポーターの近堂かおりが『日本の大学院生が作った【魚型ドローン】 MITよりスゴイ技術とは!?』をテーマに取材をしてきました。

 

 

★魚の形をしたロボットです!

ちょっと変わった水中ドローンとはどんなものなのでしょうか?ドローンを開発したロボット工学研究室の有谷拓也さん(修士1年)と川﨑直樹さん(修士2年)のお二人に話をお聞きしました。

有谷拓也さん
「フナとか川魚をモデルに作っています。(魚の形?)そうです。大きさは20センチぐらいで手のひらに乗るぐらいの大きさです。」
川﨑直樹さん
「難しかったところですか? うまく泳がせるというか、尾ひれを振るスピードとかいろいろ調べないと全然思ったように泳いでくれないということが起こってきます。」
有谷拓也さん
「いちばんに川とか池の生態調査を考えていて、いま生態調査というと水中に定点カメラを沈めるとかGPSなどがあるんですけど、一緒に群れに付いていって調べられたら面白いなと考えています。」
川﨑直樹さん
「例えば絶滅危惧種の魚とか外来魚をそれぞれ調べることによって貴重な魚を救うことができたり、外来種を減らすことができたりということに役に立つかと思っています。」

フナそっくりではなくて、魚ロボットという感じの魚型のドローン。【COMET(コメット)】という名前。

ドローンというとプロペラが付いた機体をイメージしますが、【遠隔操作や自動操縦で無人で動く機体】のことを、広く【ドローン】と言いますから、魚の形でもドローン。ただ、今までは、水中とはいえ、やはりプロペラやスクリューで動くものがほとんどだったのです。ところが、この【COMET(コメット)】は、プロペラもスクリューもなし!本物の魚と同じように、尾ひれを動かして進みます。

★魚が警戒しない、魚型ロボット!

なぜ、魚型にしたのでしょうか?先ほどの有谷さんに聞きました。

有谷拓也さん
「魚型の利点としてひとつは警戒されづらいというのがあって、もうひとつは最近ある水中ドローンなどのプロペラで動くロボットの場合、海などでは使えると思うんですけど川や池というのは水草や障害物が浮いていたりするので、それを巻き込む可能性があるということで、ぼくたちは尾ひれで動くというシステムを研究しています。」

川や池の中の魚の生態調査を想定すると、プロペラじゃないほうがいい。また、水草などを巻き込まないことに加え、魚型の大きな利点は、周りの魚が逃げないこと。水中ドローンはロープやプロペラが付いているので魚が離れていってしまうのが課題だったのです。しかし魚型ならば、周りに起きる水の流れも自然で、警戒されないのです。

★速さではなく、見失わないこと!

実は、あのアメリカ、MIT=マサチューセッツ工科大学の研究チームも、大阪市立大と同じ理由で、魚型ドローンを去年、開発しています。MITのは海洋調査向けなので、海の魚を追うために進むスピードが速いそうですが、大阪市立大の魚型ドローンはスピードを追求するのはやめた、のだそうです。先ほどのお二人を指導しているロボット工学研究室の高田洋吾教授のお話です。

高田洋吾教授
「魚ロボットを研究しているところというのは、まずは速く泳ぐように作りたいと思うんです。私のほうでも2007年からずっとやっていて、速く泳がせるためにどうやったらいいかずっとこだわっていたことがあったんです。ただ最近は考え方を変えまして、魚を見失わないようにして、びっくりさせないようにそうっと近づいたらどうなるか…と考えるようになったんです。魚を見失わないために広い視野を持ったカメラをロボットに搭載して、魚っていきなり左右方向にしゅっと動くんですけど、それに付いていけるような旋回能力を魚ロボットに付けさせて、魚のスピードはそんなに上げなくていいと思うようになったんです。」

発想の展開です。魚をどこまでも追尾するために泳ぐスピードを追求していたところから、魚を見失わないというほうに発想を変えた。

★MITをしのぐ、世界で初めての!!

その結果、なんと、現時点ではありますが、あのMITをしのぐ技術の開発に成功したそうです。有谷さんのお話です。

有谷拓也さん
「私が調べる限りでは、生きた魚を自動で追いかける魚ロボットというのは現在、存在していないと思うので、世界で初めて追尾できたという点がすごいのではないかと考えています。自動というか、【自律で】ですね。ロボット自体が金魚を認識して追いかけるという点がポイントです。」

ドローンが自律して、つまり自分で判断して、魚を追いかけるということは、AI(人工知能)に関係してきます。

★AIの時代、水中ドローンはもっと進化する!!

いまドローンの開発は、水中のものより空のほうが進んでいるのは、水中特有の難しさがあったからだそうなのですが、AIが発達してくるこれからは、水中ドローンこそ伸びるのではないかというのです。大阪市立大の高田教授のお話です。

高田洋吾教授
「一番大きいところは、空中と水中で違うというところです。空中の場合は、例えばGPSで電波をもらって自分の場所が分かりますし、コントローラーを使って電波で簡単にドローンってコントロールできるんです。だから制御しやすいんですよ、ドローンってある意味。ただ水中の場合は電波が全然使えませんから、通信能力を高くするような手法が全く使えなくて、結局自分で考えて自分で何をするか決めて、自分で行動するというような。これから先、AIの時代になってきますので、これから水中は、自分で考えて行動するロボットという意味で、用途が広がってくる可能性は感じますね。」

可能性を感じるお話ですが、実は水中の魚型ドローンの開発はまだまだこれから。ターゲットにする魚を正しく認識する技術、それを見失わずについていく技術、上下左右自由に動ける技術、魚を驚かせない方法と、いろいろ課題は多いそうです。それでも魚ドローンがうまくいけば、生態調査にとどまらず、エンターテイメントなどいろいろ広がりそうです。進化を楽しみに待ちたいですね!

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。