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台本が楽譜。溢れ出すメロディーと朗読の共鳴【ドリトル先生と月からの使い/後篇】

ラジオシアター~文学の扉

毎週日曜、夜9時からお送りしている
【ラジオシアター~文学の扉】

今週は先週に引き続き、作曲家でチェリストの柏木広樹さんの演奏と中嶋さんの朗読のコラボレーションで、ヒュー・ロフティングの『ドリトル先生と月からの使い』後篇をお届けしました。

前篇を経て、中嶋さんと柏木さんはさらに息ぴったり。収録はスムーズに進んでいきました。
テストから本番への調整も素晴らしく、チェロの演奏が朗読とシンクロしていき、さらに化学反応を生んでいました。

柏木さんにとって、台本が楽譜。
メロディーが頭に浮かぶ前に手が動くと仰っていたのには驚いたのですが、演じるのと同じような感覚なのかなと思いました。
「台詞をこう言おう」といちいち思わなくても、素晴らしい作品の時や素晴らしい演じ手だと、次々と溢れてくるものがあると思います。
柏木さんと中嶋さんの表現力が見事にマッチして一つの作品を作り上げていく、その過程を生で見ることができ、とても贅沢でした。

私は「ドリトル先生」シリーズを読んだことがなかったのですが、柏木さんの作品のプレゼン力に感化されて読んでみました。
大人になってから読む『ドリトル先生と月からの使い』には、様々な発見がありました。
作中、動物の目線で紡がれる生涯の記録は、彼らから見た人間が描かれています。
考えの凝り固まった大人やずるい大人たち、それとは反対で動物と心を通わせる子供たちなどが登場します。
人生観に対し未知なことが多い子供の視点は、多様な生き物との境界も曖昧で、生き物に寛容だと感じられました。

スタビンズは動物の言葉がわかるからこそ、人間のエゴに気づき、生き物の自由と尊厳を願うドリトル先生のそばにいることで、さらにそれを感じているのだと思います。
今回読んでみて、子供の頃に読むのとではきっと感覚が違うのだろうと思い興味深かったです。
「ドリトル先生」シリーズを読んだことがある方もない方も、ぜひお手に取ってみてください。

【おまけ】


収録が終わると、柏木さんによるチェロ講座!
中嶋さんはチェロが似合うと満場一致でした。
チェロの音色と柏木さんが繰り広げる音楽の世界、それが中嶋さんの上質な朗読と共鳴するのを目の当たりにした贅沢な時間。
またコラボレーションしてほしいと思わずにはいられない収録でした。

by田上真里奈

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