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障がい者の「きょうだい」の悩みとは?▼人権TODAY(2019年3月30日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…『障がい者の「きょうだい」の悩みとは?』

障がい者と健常者の兄弟、その母親が語る

今回は、3/24(日)に都内で行われた「障がい者家族ー親ときょうだい児が本音で語る未来と親亡き後ー」というイベントを取材してきました。登壇者の1人。東京都手をつなぐ育成会副理事長・永田直子さんは重度の知的障がいがある長男と、その1歳下の健常者の立場である次男とのエピソードについてこのように話しています。

東京都手をつなぐ育成会副理事長・永田直子さん
次男がまだ小さかった頃なんですけど、夜中に眠りながら、わーっと泣き出したことがあったんですね。どうしたの?って聞いたら「お母さんはお兄ちゃんとばっかり遊んでる」って言われたんですね。私は同じように一緒に、何をするにも一緒に、次男にも思いをというつもりでいたんですけれど、次男からしてみるとやっぱり十分じゃなかったし、お母さんはいつもお兄ちゃんのほうを向いてるように思えたのかな。

どうしても仕方ないことだと思うのですが、障がいのある子に対して様々なケアをするために親御さんが向き合う時間と、健常者である兄弟に向き合う時間を1:1にするのは、難しいことだと、取材をしている中でも感じました。

「周囲が求める自分になれない」劣等感から不登校に

実際に、障がい者のきょうだいが抱えている思いは複雑なものです。今回のイベントを主催した、20代、30代のきょうだいの会ファーストペンギン代表で、障害のあるお姉さんがいる山下のぞみさんのお話です。

「ファーストペンギン」代表・山下のぞみさん
周囲が求める自分になろうとすごく頑張ってしまうところがあって、そうなれない自分に対して私の場合は劣等感になってしまったんですね。もっと友達関係もできなきゃいけない。人ともうまくやらなきゃいけない。できなきゃいけない、できなきゃいけないという所がプレッシャーになってしまって、父は何も言ってないけど自分で自分を追い込んで私の場合は不登校になってしまったんですよ。

山下さんの下の名前「のぞみ」。これは知的な障がいのあるお姉さんでも書けるように、とお父さんが平仮名で名付けたそうですが、そう名付けられた山下さんは「私は姉のために生まれてきた」という思いをずっと抱えて、周囲の期待に応えようとしてきました。その考えは職業選択にも現れていて、山下さんは今、福祉関係の仕事をしているのですが、これも、障害のあるお姉さんのため、そして親の気持ちに応えたいという思いが少なからずありました。ただその一方で、家ではお姉さんに冷たく当たってしまうとなどの葛藤もありました。

「自分がしたいことは自分で決めていい」

そんな山下さんが変わるきっかけが障がい者を兄弟にもつ当事者達が集まる「きょうだいの会」に参加するようになったことでした。

「ファーストペンギン」代表・山下のぞみさん
自分がどうしたいかを決めていいんだよって言われて、はっとしたんですよね。求められる自分じゃなくて、自分がどうしたいかって自分を主体的に話していいって聞いた時に、思考回路がころっと、ではないけど、少しずつ自分の中で修正が効いていったんですよね。で、この仕事に関してはどうしたらいいんだろうと思った時に、やっぱり、すごく福祉の仕事は私にとっては好きな仕事だっていうのがすごくわかって、この仕事をもっと極めたいという所にまで行きついたんですけど。

その後、お姉さんのケアの今後の方針に関しても、今まではお父さんに任せきりだったのが、山下さん自ら「お姉ちゃんのことをずっと見ていける自信はない、でもお姉ちゃんと関わっていきたい」と話して、お姉さんを「グループホーム」に入所させるという選択肢に行きついたといいます。

「きょうだいを受け入れない」ことが認められる社会を

山下さんは、「きょうだい」の立場から、ラジオを聞いているみなさんに知ってほしいことについて、次のように話しています。

「ファーストペンギン」代表・山下のぞみさん
例えば健常同士のきょうだいであれば、合わなければ「あ、兄弟仲が悪いんだね、しょうがないよね」で済むけど、私たち当事者たちが障がいを持ってる子たち、兄弟を受け入れられません、見れませんっていった時に、社会が冷たいとか、「え、なんでそんなこと言うの」とか、言われてしまうと、その受け入れられない兄弟たちはどうしても追い詰められてしまうところがあって、そういうきょうだいがいてもいいんだよっていう社会を私は作りたくて、そして社会がもしその受け入れられない達の当事者たちを、きちんとフォーカスするじゃないけど、受け入れられるシステムを社会が作ってくれないといけないのかなと私は思ってますね。

健常者同士の兄弟と同じように、障がい者と健常者の兄弟でも、仲が悪くて受け入れ難いこともあり、そういう時にグループホームや入所施設などに任せる選択肢もあることを知ってほしいということです。

(担当:中村友美)