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華麗な人生の裏に激動の波~デヴィ夫人

コシノジュンコ MASACA

2019年4月21日(日)放送
デヴィ夫人(part 1)
1940年日本生まれ。19歳のときに開発援助で向かったインドネシアで当時のスカルノ大統領と出会い、1862年に第3夫人に。その後軍事クーデターでパリへ亡命し、大統領の死後はビジネスやチャリティに積極的に取り組み、芸能活動でも幅広く活躍しています。

出水:お二人のお付き合いは長いと聞いていますが、出会いはどちらですか?

デヴィ:どこだったでしょう? とにかく突如、「ジュンコ・コシノ」っていうブティックができて、こんなところに日本人がお店を出したんだってびっくりして(笑)

JK:で共通のお友達がいてね。なにしろ、初めて会ったのは、実は1978年のパリコレクション。私の最初のショウ。ど真ん中に来てくださって。それが印象的。あれ以来長いですよねえ。それであとからアパートにお電話いただいたの。なんでアパートの電話番号知ってるんだろう??って思って!

デヴィ:あらそう(笑)

JK:だって、パリのアパートの電話番号なんて! 「あれ、カリナにどうかしら?」なんて言ってね。

デヴィ:そう、独特ですからね、ジュンコさんのは。宇宙な感じ。おほほほほ!

JK:いつも宙に浮いております(^^)

出水:今日は非常にビビッドな紫色のスーツですが、いつもファッションはどんなふうに決めているんですか?

デヴィ:やっぱり、自分が好きなものの他に、私の魅力を引き出してくれるもの。私がとっても好きでも、自分に合わないものがあるじゃないですか。たとえば、どんなに気に入っていてもKENZOさんのお洋服とかイッセーミヤケさんのお洋服は全然着れない(笑)憧れても着れないですよね。でもその点ジュンコさんのはパッと。今日はジュンコさんのじゃないけど(笑)

JK:パリで一番印象的だったのは、パリっていちいちドレスコードを気にしないで、自分の好きなものを着るわね。そのときデヴィさんは、ネットのすごいのを着てきたの! あれを見て、何を着てもいいんだなと思ったの! 頭からネット。洋服だか何だかの上に。アレクサンドル・ズワーリと一緒に来てたのよ。そうなんだ、言われなくても着たいものを着ればいいんだと思ったの。あそこまでやっても誰も何も言わない、それがパリだなと思ったの。

デヴィ:そうですね。みなさんご自分の個性とパーソナリティをよく知っていて、みなさんを驚かせる喜びもある。どのようなことをすれば、印象付けられるかっていうことも大切かな、と思いますね。

JK:この程度でいいや、じゃなくて、目いっぱい美しく!

デヴィ:奇抜に、そしてエレガントに。

JK:それで似合ってないとね。浮いてるんじゃマズいのよね(笑)自信満々っていうのは、自分がピーンとくるものじゃないとね。

デヴィ:やっぱり戸口に立ったときに、みなさんの視線がバーッと自分に集まると、「やった!」と思う(笑)おほほほほ!

JK:デヴィさんがエライのはね、「写真撮ってください」って言われても「私、ダメなの」ってパチーンと言うの。私も言いたいんだけど、度胸がないの。どうしようっていうか。いつも考えちゃう。かわいそうかなって。だけど今、怖いじゃないですか。やたらと写真を撮るなんて。

デヴィ:なぜ私が写真を嫌がるかというと、たとえばカクテルパーティかなんかに行くとどこの誰だかわからない。名刺を差し出されて、コレコレシカジカです、って言われても、紹介する分にはいいけれど、勝手に写真を撮られたり、その人がモノを売ってたりすると、石鹸とか化粧水とか栄養剤とか、この人はお客様です、みたいに皆様に写真を配ったりネットに出たりするのが怖いのでね。

JK:それはわかります。名刺をもらってもわかんない。写真撮ってもらいたいから名刺を出すんですよ。それもちょっとねぇ。

デヴィ:名刺だって、おかしな名刺がたくさんありますから(笑)なんでもいいから、NPOとすればいいだろう、みたいなのとか。

出水:デヴィ夫人の著書、実は私も友人からプレゼントしてもらったほど、独身女子の間では話題なんですよ! そもそもなぜ、婚活論をテーマにした本を書いたんですか?

デヴィ:実はこれは講談社のネットで毎週連載していたものなんです。そしたら反響がいいから本にしたいって言われて。いやいや、私はただインタビューに答えただけで、こんな恥ずかしい本を出されたら困るっていたんです。そしたら、そんなことありませんって言われて、無理やり出した本なんです。私自身は出したいなんて全然思ってなくて。

JK:表紙に写ってる写真がいいわね。やっぱり美しい。写真になるっていうのが売上のトップですよ!

デヴィ:これはスカルノ大統領にお会いしたころの写真です。19歳なんですけど、今の19歳ってまだまだ子供ですよね! 私、TVに出るようになって、15~17歳かなと思ってた女性が「33歳です」って言うのを見て、椅子から転げ落ちそうになったことがあるんですけど……ぶんぶん、っていう人、なんでしたっけ?

出水:……佐藤珠緒さん?

デヴィ:佐藤さん! 私、16~7かと思ったんですよ! そしたら33歳だって。いまは40いくつかもしれないけど。エーッ!ってびっくりしました。いずれにしましても、ご一緒しているタレントさんが20歳とか24歳とか27歳とか言うんですけれど、えっ、こんな子供っぽい人が27歳?!って。私が27歳のときは、6か月の赤ちゃんを抱いてパリに亡命してたわ!って(笑)

出水:この本の中でも第一部は「華麗なる激動の人生」ということで、貧しい境遇から海外の国家元首の妻になるまでのストーリーがつづられています。第2部が婚活論ということで、男性から選ばれる女になるために「すべきこと」が列挙されているんですが、前半の激動の人生の部分、驚くことだらけですよね。

JK:東京の霞町で生まれたのね?

デヴィ:いまはもう霞町って地名はなくなっちゃったけどね。西麻布。

JK:だけど、東京のど真ん中で、戦争のど真ん中だったんでしょ。

デヴィ:疎開先から帰ってきたときなんて、焼け野原ですよ。日本赤十字社の下のほう、いまは素敵な街になってるけど、あの辺はぺんぺん草がぼうぼうと生えていて、掘立小屋がたくさん立っていて、トタン屋根が飛ばされないように石が乗ってる状態。

JK:忘れられないのね、詳しく覚えてるってことは。

デヴィ:全然。毎日そこを通って学校にいくんですもの。

JK:おうちは無事だったわけね。

デヴィ:私のところだけは無事でした。でも父は、あの頃は全員消防隊員として駆り出されて、住民は男と言う男は全員、消防員として屋根の上に乗って火消し。足の裏をやけどしたりなんかして。

出水:お父様も視力を悪くされて、お母様も足を悪くされて……

デヴィ:少しどころじゃないです、体を45度を曲げないと一歩一歩前に歩けないほど脚が悪くて。

JK:お父様はハンサムだったでしょう? でないとこんな顔は生まれないでしょ??

デヴィ:ええ、きれいでしたよ。本には親の写真は入ってなかったかな……疎開先が農家じゃなかったものですから、食糧難で大変でしたけれど。あの頃、配給のお米だけで、あとはクーポンをもって食堂に行って、どんぶり一杯のお雑炊をいただく、という感じでしたね。でも小学校にあがったときの一番の思い出は、みなさん全員校庭に集められて、「髪の毛を前に出しなさい」って言われて、DTTの粉をシュッシュッシュッてかけられて。

JK:みんなシラミがね! 私も経験あるわ。

デヴィ:子どもたちですから、私たち。お化けになっちゃった!って笑ったりしてましたけど、本来は悲惨な戦後だったんですよね。雨が降ると、長靴と傘のない子は学校に来ないんです。だから、雨が降ると傘と長靴を持ってる子だけが学校に来るから、教室が半分の人数になる。画用紙なんか全然ないので、先輩が書いたお習字の裏に絵を描いたりしていたんですけど、クレヨンもお粗末でちょっと力を入れるとボキッて折れちゃう。

デヴィ:今の日本の人は、あまりにも平和の時代が長くて、でもシリアだとかイラクだとかあの辺の人たちは、生まれたときから戦争じゃないですか。そういう人たちに対して思う心が日本人には全然ない。なんかどこか遠くの国でなにかあるみたいで、懸念もしなければ、同情もしない。自分たちとは違う世界のことみたいな感じなのが悲しいですよね。

JK:だけどデヴィさんはそういう経験をしてるから、シリアとかそういうところを助けようというチャリティをずっとやってますよね。

デヴィ:ですから、日本にはいろんなチャリティに携わってる方がいらっしゃると思うんです。視覚障害の方とか、身体障害の方とか、乳がんのためとか、いろんなチャリティをしてらっしゃるけど、私は難民を助ける会。というのも、政治の犠牲になって、生まれ故郷を追われて、寒さと飢えに苦しんでる人を助けたいと思っています。

JK:それは、根っこにそういう経験が今にあるのね。

デヴィ:いま私が一番心にかけているのは、ビルマ、いまはミャンマーと言いますけれど、ロヒンギャの人たち。歩いて、やっと歩いてバングラデシュの荒野に着く。でもそこには水が全然ない。ひとつの井戸を掘るのに40万円かかる。今、それを何十個作る支援をしています。

=OA楽曲=
M1. Nothing But The Best / Frank Sinatra

「コシノジュンコ MASACA」
TBSラジオで、毎週日曜17:00-17:30放送中です。ラジオは、AM954kHz、FM90.5MHz。パソコンやスマートフォンでは「radiko」でもお聴きいただけます。