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統一地方選の低投票率 投票に行くきっかけをどう作る?

森本毅郎 スタンバイ!

今日は選挙の低い投票率について。おととい行われた統一地方選挙の後半戦では、市長選、市議選、東京特別区の区議選では、軒並み50%を下回りました。(59市長選47・50%、283市議選45・57%、東京特別区20区議選42・63%)

投票率アップのため、各地の自治体が啓発ポスターを作ったり、あの手この手で呼びかけましたが、結果的には実を結びませんでした。そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!4月23日(火)は、レポーターの近堂かおりが『統一地方選の低投票率 投票に行くきっかけをどう作る?』をテーマに取材をしてきました。

 

★ぶっちゃけ、なんで投票に行かなかったの?

投票に行かない理由として『政治に関心がない』とか『投票しても社会が変わると思えない』という有権者の声が紹介されていましたが、もうちょっと、ぶっちゃけて、本音はどうなのか。投票に行かなかったという方にその理由を聞いてみました。

●「行かなきゃと思ってたんですけど、今、就活の時期で帰れない。」
●「私、地元じゃないので。東京じゃないので、住民票はこっちなんですけど、あんまり興味がなかった。」
●「事前にやれと言われればそれまでなんですけど、予定があって。二十歳になって最初のときだけ行って、あと行ってない気がしますね。」
●「ぼくら世代だともうないんじゃないですかね、行かない理由も行く理由もあんまりないんだと思います。どっちでもいいみたいな。結果的に行かないほうが楽だから。」

就活で行けなかったという人もいましたが、実は、街で聞いた中では【はっきりとした理由があって投票に行かなかった方】は意外と少なくて、【なんとなく】という答えが結構ありました。

みなさん、投票に行くべきだ、というのは分かっているけど、なんとなく行かない・・・。こんなふうにはっきりした理由がない人に選挙に行ってもらうにはどうしたらいいのでしょうか?

★真実の口の消毒液!~仕掛け学の視点から見ると・・・

そこで思い出したのが…、以前インフルエンザ予防でアルコール消毒を呼びかけても誰もやってくれない病院に、ローマの【真実の口】を設置してその中に消毒液を置いたら、みんなが利用するようになったという【仕掛け】を考案した、大阪大学の松村直宏教授

消毒をした方がいいのは、みんな分かっているけれど、なかなか実行してもらえない。それを【真実の口】の仕掛けで改善した。

投票率が上がらない問題ととても似通っていますよね。そこで、投票を呼びかけるポスターなどの働きかけはなぜ効果がないのか、伺ってみました。

松村直宏教授
「多くの人が投票に行かなければいけない事は知っているので、知っていることをポスターとかで改めて掲示されても特に行きたいとはならないと思うんですね。ポイ捨て禁止の張り紙もポイ捨てがダメなのはみんな知っているので、それを見ても知ってるよというふうになるわけですよね。むしろ正論を正面から言われるとかえって抵抗することもよくあることでして、効果がなかなか出にくい場合が多いですね。」

すでに分かっていることを真正面から言われても、なかなか響かないわけです。ポイ捨ても、禁止のポスターではいまひとつ効果がない。分かってるよ!となってしまうわけですね。

そこで、松村先生は、【巨人】と【阪神】どっちが好きですか?と書いて二つのごみ箱を置いた。すると、みんな、ごみ箱に入れてくれるようになった!

投票率アップにも何か仕掛けができませんか?と聞いたところ、選挙はハードルが二つあるから、難しいんです、と。どういうこと??つまり、投票率アップは、候補者を知ってこの人!と選んで、投票に出かける、ということになります。これは、ワンアクションのポイ捨てなどど比べると、二段階の仕掛けが必要になるわけです。さすがの松村先生をしても、なかなか難しい、とのこと。(でも、ぜひ、開発してほしい!!)

★どうして投票に行ったの?

そこで、少し見方を変えてみました。今回の選挙で投票に行った方たちに、【どうして投票に行ったのか?】をお聞きして、ヒントを探ってみました。

40代男性
「選挙に行くのは義務かなという。何かに駆られて行くというのでは全くなく。」
20代女性
「家族が行くから。不在者投票で行ったんですけど、理由はないですね。別にそんなに興味はないです。」
40代男性
「一応、責務としていかねばならないというところですね。家族で話をして、一応、行くは行ったと。妻も行きたがってましたので。どちらかが行かないとなったら、行かないで終わっちゃうんじゃないかと思います。」

もちろん『今の政治を変えたいから』とか、『応援したい人がいたから』という声も多かったのですが、それと同じくらい『なんとなく行かなきゃいけないと思うから』という方も多かった。

【なんとなく行かない】人がいる一方で、【なんとなく行かなきゃと思う】人もいる。なんとも不思議な感じですね。

★なんとなく、行かなきゃな、と思う。その心は?

では、その【なんとなく行かなきゃと思う】意識はどこから来るのか、それを伺ってみるとこんな声がありました。

20代女性
「高校生の頃の先生が『歴史をあなたたちは学んできたでしょう。投票権を得るためにいろんな人の命が失われてきたのをあなたたちは学んでいるんだから、選挙ぐらいは行きなさい』って言ったからです。それは感動したので、行くようにはしようと。」
40代男性
「下から2番目の娘が高校3年生、18歳になったので、投票権が来たんです。そのアピールもあって。いや普段も行きますけど、子供たちにもアピールのために、『当然行くべきだ。国民の権利なんだからね』って。」

20代の女性が教えてくださった、先生のお話は、私も感銘を受けました!本当にそうだな、と改めて思います。高校生の彼女の胸にも、ズシっと響いたようでした。素敵な先生ですね!そして、【18歳選挙権】が若い人にとっても、30~40代の人にとってもきっかけになっているケースがあったことが分かりました。

★費用対効果ではなくて、投資ですよね。

特に、2人目に出てきた高校生の娘さんのお父さんの声、【子どもの存在】。投票率が低い、という話になるとついつい若い人のことを考えてしまいますが、実は30~40代の人たちも同じくらい投票率が低いんです!

そう考えると、ここに、ひとつの投票率アップのヒントがあるような気がしたので、再び大阪大学の松村教授に伺ってみました。

松村直宏教授
「それはありかもしれないですね。『投票に行きますか?』と聞いて『はい』と答えた人は、その後実際に投票に行く確率が上がるという研究があるんですね。子供に聞いてもらって親にいくよって言わせることができれば、それは効果があるかもしれないですね。子供に『立候補している人はどういうことを考えてるの?』ということを親に聞いてもらうような課題を学校から出してもらうとか。子供から聞かれると親って調べて子供に教えてあげようとするので、それでそのままの流れで、子供に『投票に行くの?』って聞いてもらうとか。それはいいかもしれませんね。ひょっとすると。」

人は、口に出して宣言したことは、その通りにする可能性が高い、ということなのです。(ダイエット宣言や禁煙宣言などと同じですね!)

そこで、こどもたちの宿題などで、課題が出て、親御さんも政策を調べたり説明することで、候補者を知り、『選挙に行くの?』と聞かれて『もちろん行くよ!』という流れになれば・・・ということなのです。

学校の先生の言葉で”選挙に行く”と言った女性がいたこともありますが、学校の宿題がきっかけになるかもしれない予感・・・!松村さんのアイデアで、この年代を投票に向かわせることができるか!?子供とその親世代の両方が選挙へ関心をもつか!?試してみる価値はありそう。みなさんは、投票しましたか?

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。