お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • コラム
  • 音声あり

おすすめラジオクラウド 相談は踊る「共働きで育児が限界です(20代女性)」

ラジオクラウド

こんにちは。文字起こし職人のみやーんです。僕が選んだラジオクラウドのおすすめコンテンツを紹介するコーナーの第45回目。
今回は『ジェーン・スー 生活は踊る』のコーナー「相談は踊る」の中から「共働きで育児が限界です(20代女性)」です。

夫とともに働きながら2歳児の子育てをしている20代女性の相談者さんからの相談に対し、ジェーン・スーさん、堀井美香さんが話していました。


ジェーン・スー:ここからは人生の酸いも甘いもつまみ食いのジェーン・スーがお送りする「相談は踊る」のコーナーです。

堀井美香:本日は通算1377件目のご相談です。ラジオネーム「ポンコツ」さん。女性からのお悩みです。「スーさん、堀井さん。こんにちは。暗い悩みで申し訳ないのですが、もう無理かもしれません。私は2歳の娘を育てている母親です。子供を育てることがすごく難しいです。出産してからいままで、嬉しいこともたくさんありましたが、『ああ、もう無理だ』と絶望的な気分になる瞬間を何度もやり過ごしてきました。

『他人はコントロールできない。思い通りにならなくても私に落ち度があるわけじゃない。子供の成長を待つことで解決することもたくさんある』。そう自分に言い聞かせてやってきました。でも、何かの限界が近づいている気がします。日増しに扱いにくくなる娘への苛立ちと、夫に対する不公平感を受け流せなくなってきています。イライラすることのひとつひとつは些細で、ありふれたことです。娘が寝る時間になっても『寝たくない。ご飯食べる』と言って、とっくに下げたはずの食べ残しをほしがるとか。

出してあげれば食べずに絵本を読みたがるとか。これらの要求に応えないと、のけぞって泣き叫ぶとか。世の全ての2歳児がやるようなことを彼女もやっているだけです。夫への不公平感もいたってしょうがないことです。子供の世話がうまくできないと、すぐ私にバトンタッチしようとするけど、『逃げられる人はいいよね。母親は子供から逃げる道なんかないからね』とか。

残業も飲み会もその度に予定を調整しないといけない私よりもずっと自由なのに、『残業が多くて仕事が辛い』と愚痴を言われても羨ましさしかないし。『では、私と稼ぐ担当を交代しよう』と提案しても却下するのは、結局あなたも家事育児より仕事がやりたいんじゃないかとか。保育園の送りをしてくれるのはありがたいけど、それだけでイクメン気取るのも大概にしてほしいとか。

私にしかできないことは、娘を妊娠して出産することだけ。そしてそれは無事に終えられた。なのにどうしていまだに私はこんなに追い詰められた気分になるのか? 娘を産んだ当初、1日中泣いてばかりの娘を泣き止ませてあげることができず、母乳も出ないし、私より看護師さんに抱っこされた方がよっぽど居心地の良さそうな娘の姿を見て、自分の中にあった『子供にとって母親は特別』という幻想は砕かれました。

私のようなポンコツに育てられない方がこの子は幸せになれるんじゃないかと、いたたまれない気分でしたが、私がちゃんと世話をしないとこの何ひとつ悪くない小さな生き物がうっかり死んでしまう。だから娘と私、お互いに生きていれば合格ということにして、うまくいかないことに対する小さな鬱憤や傷ついた感情をその場しのぎにスルーしてきました。

ですが、そろそろ無理なんじゃないかという気がしています。自分がいつ、どんな風に爆発するのかわからないのです。娘と2人きりの時、泣いて駄々をこねられると、『ああ、もう飛び降りてえな』と現実逃避したり。とりあえず壁に自分の頭をぶつけて気を取り直したりと、自分の思考と行動が乱雑になっているのも分かります。娘が与えてくれる幸せが自分の中に溜め込んだ不満に押しつぶされていくようです。

ストレス解消に買い物をしたり、子供を夫に任せて友達と遊びに行ったり、自分をケアするためにお金を使ったり。そういうことはしています。だけど、本心では家庭の全てを投げ出して一日中仕事がしたい。子供と2人きりになりたくない。夫に気持ちをわかってもらえなくて寂しい。吐き出すような文章ですみません。誰にも言えていなかったことを言ってしまえてよかったです。最後になりますが、スーさんの言葉に私はこれまで何度も救われてきました。ありがとうございます」というメールです。

ジェーン・スー:ポンコツさん、メールをありがとうございました。非常にまとまった文章でね、かつ冷静で。いま、自分がどういう状況に置かれてるかっていうことを正しく伝えてくださりながら、感情的にもかなりいま、煮詰まって爆発寸前にいるっていうことがよくわかる、気持ちの伝わるメールでした。ありがとうございます。

あの送ってくれたことでいま、「私もそうだ」っていう風ににね、思いを募らせている人がたくさんいるんじゃないかと思いますよ。ラジオを聞きながらね。疲れてるんですね、やっぱりね。これ、でも真髄をつく言葉がたくさんいる中にあって、ちょっと子育てとか出産を経験していない私でも本当に胸が痛くなるんですけど。「私にしかできないことは娘の妊娠して出産することだけ。そしてそれは無事に終えられた。なのにどうしていまだに私はこんなに追い詰められた気分になるのか」。ねえ。本当にそうなんでしょうね。堀井さん、経験者としていかがですか?

堀井美香:もうなんか、また私の子育てともちょっと違うからあれなんですけども。でもこういう先が見えない暗闇の中にいる時って、どんな正論とか、どんな言葉をかけられても結構先が見えなくて。ちょっとそれ自体がストレスになっちゃったりするのでね。「こうした方がいいよ」「あと何年したら楽になるよ」とかいうのもね、やっぱり納得できないんですよね。その言葉にね。

ジェーン・スー:「そっかー!」とは言えないよね。

堀井美香:それで気が楽になるなんていうことも、ねえ。

ジェーン・スー:もうね、八方塞がりなってることがよくわかるんです。娘が言ってることも別段、特別なことじゃない。よくある2歳児のやってることをやっている。で、夫への不公平感もよくある話。で、仕事も復帰してるっていうことで。これね、相談者さんの補足情報として、20代。出産で前職を辞めて去年から小さな会社の技術職に正社員として勤めてらっしゃる。時短勤務で7時間。だから仕事はしてるんですよね。で、仕事にやりがいがあり、残業できないのがストレス。

実家も夫の実家も遠方なんでちょっと頼りない。夫は20代。大企業の正社員。毎日8時、9時まで残業ということは、帰ってくるのは10時ですね。深夜まで帰らないことはないが、頻繁に仕事を家に持ち帰る。ワークライフバランス重視で「仕事が多すぎる」とよくこぼしている。しんどい時は家事も育児もしない。娘は2歳。保育園に通っている。ちなみに夫2人目を望んでおり、相談者さんも「子供は何人でもほしい」という気持ちもあるけれども、夫に対しては「もっと早く帰宅できないならもう子供を産まない」という風に伝えているということでした。

堀井美香:ねえ。

ジェーン・スー:だからもうね、その世の全ての2歳児がやるようなことを、うちの娘もやってるだけだし。夫の不公平感もよく聞く話だし。仕事も復帰しているし。

堀井美香:どこかに遊びにも行ってるし。

ジェーン・スー:そうそう。友達とも会ってるし。やることもやってるけども、もう限界だっていうね。

堀井美香:娘さん、2歳で保育園に通っていてね。で、「一日中、仕事がしたい」っていうね。

ジェーン・スー:これなんだよね。

堀井美香:書いているもんね。「家庭の全てを投げ出して、一日中仕事がしたい」んだよ。

ジェーン・スー:働きたいんだよね。

堀井美香:「残業できないのがストレス」って。

ジェーン・スー:いいじゃないの。そういう女がいたって。

堀井美香:そう。だから一度、やってみ?っていうことを2人でね、話していたんですよね。

ジェーン・スー:もうね、よくこの相談では言いますけども、「自分の欲望をナメるな」っていう、それだけですよね。本当に。働きたいんだったらもう、思う存分働きたいんだよ。で、いまそれが叶わないのがキツいんだろうけどね。

堀井美香:で、なんかさ、まあ昔って言ったら変だけど、いまは割とと体制が整っていて。一日中仕事ができるような体制って子供を預けられたりとか。割と整っているので。やる気になればやれるんだよね。

ジェーン・スー:堀井さんも、だってもちろんいろんなところに預けたりとかして。綱渡りみたいだったもんね。

堀井美香:そうです。うん。ものすごい、だって深夜の仕事なんて普通にあるから。朝方の仕事とかね。そしたらシッターさんを使ったりして。給料はゼロでしたよ。給料が全部シッターさんに変わっていくっていうこともありましたけど、まあそうやって仕事してる女の人たちもたくさんいるし。やりたいって言うんだったら、ちょっとその時にやってみるのもいいかもね。

ジェーン・スー:夫が理解してくれないっていうところは本当にもっと夫にぶつけて話し合いをするのが大切だと思うんだけど、でもいまはちょっとね、それも心配なの。なんでかっていうと、もしそこで夫が無理解な言葉を発したりとか、何も刺さらなかったりとかした時のダメージがたぶんかなり大きいと思うんですよ。でも、すごい単純に言ってしまうと、とにかくポンコツさんはいま、疲れてる。私も45になって、この歳になってあれですけども、疲れてる時って全員に嫌われてる気がするし、何もうまくいかない気がするし、全員にムカつくんですよ。「お前もお前もお前もお前も、みんな嫌い!」ってなるし。「そしてお前も私が嫌い。わかっている!」みたいになって。「そしてこの先、いいことはひとつもない!」っていう風になるんですよ。

堀井美香:あなた、よく言っているよね、それね(笑)。

ジェーン・スー:それはね、どういうことかっていうと、ただ疲れてるっていうことなんですよね。だから、いまなにをやってもどうにもならないのは疲れているということがあるんで。1回、やっぱりちょっとやりたいことをやるとか、育児から離れるっていうことが大事かもしれません。東京都文京区の「へび年の主婦」さんからメール、いただきました。

「私は42歳でいま、2歳の息子と小学生を育てています。40歳で子供を迎える際、地域の保育士さんに会って相談し、区の子供と家庭を支援してくれる部署につないでもらえました。両親も歳をとり、遠方なので東京で出産・子育てをすることを決めた時から、外から助けてもらうことを考えました。2歳まで低料金でベビーシッターを派遣してくれるサービスを知り、めいっぱい入ってもらいました。

昼間、子供などを見てもらって、自分は休む。夕方入ってもらって子供のご飯を作ってもらう。洗濯、掃除などの家事を手伝ってもらう。いろいろと試しました。どうしても辛い時には区の方に相談して、『いまはお母さんのレスパイト(休憩)を優先しましょう』と子供を乳児院に預けることを勧められました。子供を乳児院に連れて行く時のあの不安な気持ちは忘れられません。

『罪悪感を持たないで』と区の方に言われましたが、やっぱり子供に申し訳ない気持ちになりました。でも、そうすることで体がすごく楽になったのは本当です。やっぱり睡眠と休憩が足りなかったんです。ちなみに、乳児院は常に予約でいっぱいとのことでした。それだけ必要としている人がいるんだなと思いました。頑張らないでください。子供は思っているより強いです。子供から離れてください。

離れず、時間を持つことで気がつくことがあります。また元に戻りますから。子育てをしていると魔の瞬間に襲われることがあります。いま、赤ちゃんや子供をめぐるいろんな事件がありますが、他人事ではないかもと感じています。うまくその瞬間をみんながかわせますように」。ねえ。ありがとうございます。

堀井美香:うん。

ジェーン・スー:乳児院に預けることができるんですね。児童福祉法に基づいて。

堀井美香:そうですね。乳児院というのは保護者の養育を受けられない乳幼児を養育する施設ですとか、まあ基本的な養育施設の機能に加えて虐待を受けた子供とか病気の子、障害児などに対応できる、専門的な機能を持っているというのが乳児院なんですけれども。まあ、こうやって預けられる場所があるということですね。

ジェーン・スー:「親がいる私がこんなことをしていいのだろうか?」と思うかもしれませんけど、「もう無理だ」と絶望的な気分になる瞬間がこれだけ頻繁にあるんだったら、もういまはポンコツさんがポンコツだろうが優秀だろうが、ポンコツさんと子供の命を守るってことがもう最優先事項ですからね。

堀井美香:そうですね。たぶん、この話を進めるにあたって、旦那さんにお話ししなきゃいけないじゃないですか。「私、働きたい。乳児院に預けたい。本当に何週間とか何ヶ月でいいから、お願いしたい」っていう。その時にまた旦那さんが理解できなかったりとかいうこともあると思うので、このラジオを聞かせてください。

ジェーン・スー:お願いします。このまま聞かせてください。わかんないことがあると思うんですよ。それは男女、お互いにそうだとと思います。お互いそうなんだけど、でもちょっとね、「女に生まれた」っていうだけでぶち当たるとか引き裂かれたりするバグがね、多すぎるんです。この社会のシステムが。あと、「母性」というものに丸投げされてるとかね、そういうバグがデカすぎるんですよ。

それでこれはポンコツさんのせいじゃないです。完全にこれはそういうプログラムのミスですから。自分を責めないでください。どこかで詰んでしまうシステムが悪い。システムが悪いんですよ。なのでいま、準備できている世の中のシステムを使っていま、働いてるお金がたとえ手元に残る金額が少なくなってしまったとしても、働きたいならちゃんと働くとか。乳児院に預けるとか。シッターさんを頼むとかして、「ヤバいな」っていう感覚からできるだけ離れること。

あと、思ったよりも疲れてると思う。だってこの話を聞いてたら、7時間働いて子供の世話をして、家事もやっているわけでしょ? 基本的には。そりゃあ、疲れるわ。無理ですよ。で、旦那も疲れているんだったら、そこに「いま、やってよ!」って言うのも無理だから。外の手を借りよう。

堀井美香:そうそうそう。

ジェーン・スー:たのむ。外の手を借りてくれ!


相当深刻な相談に対して、相談者さんに寄り添いながら回答をするスーさんと堀井さん。リスナーさんからの参考になるメールも含めて、素晴らしいと思いました。どうかこの相談者さんやお子さんにとってよい結果になりますように……。

「共働きで育児が限界です(20代女性)」

ラジオクラウドアプリ誕生!