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成人の1000万人が持つ胆石。その最新治療

森本毅郎 スタンバイ!

胆石がある人は右肩上がりに増えていて、日本では成人の1000万人にも及ぶと推定されています。自覚症状がない場合は、経過観察で済みますが、腹痛などの症状が続くと命に関わる恐れも出てくるので、手術などの治療が必要になることもあります。

そこで、5月6日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、胆石の症状や治療法などについてお伝えしました。

★胆石はなぜできるのか?

胆石は、脂肪の消化を助ける働きがある胆汁という消化液の成分が、胆嚢という袋の中で固まって結晶になったものです。胆嚢の場所ですが、みぞおちの右下くらいの位置にあり、胆管という管によって肝臓や十二指腸につながっています。

★コレステロール胆石とは?

そんな胆嚢の中でできる石=胆石ですが、石の成分によって分類されていて、日本でも最近多いのがコレステロール胆石です。

コレステロール胆石というと「コレステロールの多い食品を食べることで、体内のコレステロールが増えてできる」と、誰もが自然とそう思うでしょう。でもそれは間違いです。体内のコレステロールには、「食品から摂取するもの」と、「体内で合成されるもの」の2種類があります。

実際、胆石のコレステロールの成分を調べてみると、そのコレステロールの3分の2は、体内で合成されているものなのです。

食品から摂取したり合成される一方で、使われたり排泄されることで、体内のコレステロールはほぼ一定の量にコントロールされています。ですので、コレステロールの摂取量が極端に少なくなると、その分、肝臓での合成が増えるのです。

すると、胆汁の中にコレステロールが多く放出され、コレステロールの濃度が濃くなります。その結果、胆石が出来やすくなります。ですので、例えば朝食を抜いたり不規則な食生活を続けていると、胆汁が十二指腸に流れず胆嚢に長く止まってしまい、結果的に胆石ができやすくなってしまいます。

★胆石の症状

胆石があっても、およそ70、80%の人には、生涯何の症状も起きません。

一方、症状が起こる人の場合は激痛のこともあれば、鈍い痛みのこともあります。激痛は疝痛発作です。疝痛は口では言い表せない痛みと言われるほどの激痛です。

典型的な症状は、みぞおちの右下あたりに起こる痛みです。胆嚢のある場所です。痛みが疝痛の時は、脂汗を流して七転八倒するほどの痛みになることで知られています。痛みは食後に出ることが多く、痛みは30分から2時間程度続きます。胆嚢は食後に縮んで消化液の胆汁を押し出すんですが、この時に胆石が動いて胆嚢や胆管を傷つけたり、胆嚢の出口を塞いだりして痛みが起こります。

揚げ物など脂肪分が多いものを食べた時ほど胆嚢の収縮が促されて痛みが出やすくなります。腹部の痛みに伴って背中や肩の痛みが出ることもあるほか吐き気や嘔吐などの症状が出ることもあります。

重症化するとショック状態になり、命に関わる恐れもあるので注意が必要です。救急車で運ばれるケースが少なくないようです。

★胆石の治療とは

痛みが起こったことがなければ、基本的に治療は必要ありません。ただし、痛みがなくても胆嚢に小さな結石がたくさんあって胆嚢の状態がよくわからない場合やは、治療を受けるようにします。胆嚢がんがあっても分からないからです。痛みが1度でも起こった場合は、1年以内に痛みが再発するケースが多いので、この場合も積極的に治療を受けるのが原則です。

★胆石の手術法

胆石が「胆嚢」に出来るのか「胆管」に出来るのかによって治療方法がそれぞれ違ってきます。

まず、胆嚢に結石が出来た場合、治療は胆石のある胆嚢を腹腔鏡を使って摘出します。腹腔鏡手術は患者さんの腹部4カ所に1cm程度の穴を開け、そこから腹腔鏡や手術器具を挿入し、モニターを見ながら胆嚢を切除して取り出します。

最近では、特殊なメガネをかけることでモニターが3D画像になるので、安全性が、より向上しました。胆嚢を取ってしまって大丈夫かと思われるかもしれませんが、体に必要な胆汁は肝臓から供給されるため、日常生活への支障はほぼありません。傷か小さいので、2泊3日程度の入院で済みます。

胆管に石がある場合は、内視鏡を十二指腸まで挿入して結石を除去する手術が中心でしたがこちらも、最近では腹腔鏡手術が増えてきています。

どちらの場合でも、基本的に、退院後はすぐに日常生活に戻ることができます。

★胆石が見つかっても症状のない人は?

胆石が見つかっても、症状がない場合は、経過観察が基本です。しかし、胆石があると分かってしまうと、発作がいつ起こるか分からない、と心配になってしまう人が少なくありません。そういう人には、「溶解療法」が行われます。

溶解療法は、胆石を溶かす胆汁制酸剤を使います。加えて、胆石の見つかった人や、手術を受けた人は、胆石ができやすいのは間違いありません。

★予防法は?

胆石を作らないための予防が大事になります。予防の基本は「脂肪の少ない食生活」「1日3食、規則正しい食事」「腹8分の食事」「食物繊維を十分に摂る」ことです。

脂肪の多い食事。天ぷらなどを食べた後に発作を起こす人が多いので、胆石のある人は十分に注意してください。

1日3食は基本で、それを2食、さらに1食にすると、胆嚢で胆汁が濃縮され過ぎて医師ができやすくなります。1日3食を。

そして、食物繊維は、コレステロールを吸着して排泄してくれるので欠かせません。

一言でまとめると、「規則正しく、脂肪の少ない食生活」です。

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190506080130

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