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宮藤官九郎、「遠藤ミチロウ」を語る

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先月4月25日に膵臓がんのため、68歳で亡くなっていたことが公表された、遠藤ミチロウさん。

5月6日、宮藤官九郎さんのコラムコーナーは、遠藤ミチロウさんについてのお話を。

宮藤:幸坂さんが生まれた頃にTBSで『いかすバンド天国』通称“イカ天”という番組が始まって。僕はその年に上京してきて、バンドブームがまさに始まった年だったんですよ。でも、僕はもうちょっと前に、姉の影響でいろんな音楽を聴くようになっていて、ロックのアーティストの影響や出会いもあって、その中で一番強烈だったのが遠藤ミチロウさん率いる「THE STALIN」というバンドで。

宮藤:ロック雑誌じゃなくて週刊誌に「すごい奴らがいる」と書かれてたんです。パンクバンドで、ライブやってる最中にミチロウさんが完全に全裸になっている写真とか、臓物や豚の頭を客席に投げたりとか、おしっこしてたりとか、唾吐いてたりとか、消火器をぶちまけたりとか。センセーショナルな写真から入ったんだよね。ちょうど僕が中1、中2ぐらいで性的な目覚めとも合致したりして、「うわっ、なんだこれ!?」と。親に隠れて聴かなきゃいけない?と思ったりして。まぁ、そのときから流行っていたかと言われたら、ごく一部だけだったと思うんですけどね。その一部の友達と「これ知ってる?」「かっこいいね!」とか言って。で、STALINを知ったことで、日本や海外のパンクバンドのルーツを辿るように聴いていったんですね。

幸坂:へぇー。

宮藤:ミチロウさん、長く闘病されていて、僕にとっては大事件だったのですが、テレビやラジオとかのメディアでは全然取り上げてなくて。それで、僕ネットニュース全然見ないと言いましたが(笑)、気になり過ぎて「遠藤ミチロウ」で検索したら、僕らも出たことあるんですけど、3.11以降、福島で『プロジェクトFUKUSHIMA』というライブイベントをやってて、そのことが書かれているんです。僕らからすると「いや、その前からだよ!その前がこの人、大変だったんだよ!」というのもあって、うまくしゃべれる自信ないけど今日はちょっと喋ろうと思って。

宮藤:そのイベントのときミチロウさんはアコギ1本で弾き語りをやってたんだけど、歌っている姿勢や内容はパンクなんですよ、かっこいい。で、ミチロウさんの具合が悪くなっても、定期的にスターリンはやられて、復活したときに自分たちのライブに出てもらったんです。そのときに「ステージドリンクが必要だ」となって、僕は具合が悪いから何か特別な飲み物を飲まなきゃいけないのかなと思って、「すみません、具合悪いのに。大丈夫ですよ」とか言って、まぁでも用意したんですよ。それが真っ赤なトマトジュースなんです。それを、お客さんにぶちまけてました(笑)

幸坂:アハハハハッ!

宮藤:それに感動して、「何も変わってないんだな~」って。そのあとも何回か一緒になったんですけど、最後に一緒になったのは去年3月かな。グループ魂とは別のバンドでミチロウさんの曲をカヴァーしてたので、「ちょっと歌って下さい」って呼んで出てもらったとき、もう身体を悪くされて杖を突いてステージを移動されてたのですが、やっぱり歌うと元気なんです。だからまさかミチロウさんが亡くなるという想像をしてなくて。

幸坂:はい。

宮藤:で、先日、毎年やっている忌野清志郎さんの追悼ライブが、10年目で一区切りということで。清志郎さんのイベントでタイマーズの曲を歌ったんですね。ミチロウさんも清志郎さんも世の中が「反原発!」と言う前から予想して歌ってるんだけど、社会的にはラジオでかけられないとかあったりするけど歌うことをやめなかった。なんか、自分にとってロックのこういう姿勢がかっこいいなと思っていて。こういうロックを語る人、歌う人がいなくなっちゃうのは寂しい。

宮藤:でも、好きなものをずっと好きでいると、こんな良いことがあるんだと思ったんですよね。ミチロウさんと一緒にステージに立てたり、清志郎さんのイベントに呼んでもらったり。同じように好きだったエレファントカシマシの宮本さんとか、斉藤和義さんとか、THE STREET SLIDERSのハリーさんとか、皆ステージに立って、同じように一緒に歌って。怒髪天の増子さんとか、BRAHMANのTOSHI-LOWさんとかと一緒にタイマーズを歌ったんですけど。10代のときからずっと好きでいると、こういう良いことがあるんだ、こういう好きな人たちのステージを観ることが出来るし、一緒に歌うことが出来るし、盛り上がることが出来ると思うと、別にロックじゃなくてもいいので、長く一つ好きなものがあるというのは、すごく大事なんだなと思って。そういうことを考えました。

幸坂:そうですね。長い間、貫いて。今日もスターリンのTシャツを着られてますね。

宮藤:ありがとうございます。ということで、最近ラジオでロック流れてないな、と思っていたので、聴いていただきます。ザ・スターリンで『ロマンチスト』。ミチロウさん、ありがとうございました。

宮藤官九郎、遠藤ミチロウを語るhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190506160000

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