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【作品紹介】「他人の妻とベッドの下の夫」(2019年5月26日)「いまわしい話」(6月2日)

ラジオシアター~文学の扉

作者・ドストエフスキーのユーモア小説についてはこの番組でも以前、ワニに飲み込まれる男の話を描いた『鰐』という作品をやりましたが、実は、ドストエフスキーには、スラップスティック小説を好んで書いていた時期があるのです。
彼の小説は、ニーチェの哲学で分析されたり、フロイトの心理学で論じられたりするうちに、深淵で難解、というイメージをもたれてしまいましたが、名作『罪と罰』や、『カラマーゾフの兄弟』にも、人間を喜劇を通して描く手法がみられるのです。
悲劇と喜劇は表裏一体であることを示唆しています。
『他人の妻とベッドの下の夫』は、ドストエフスキー27歳のときの作品で、まだ、作品に明るさが見えますが、彼は28歳で、秘密組織の嫌疑をかけられ、逮捕。
八か月間拘留されたあと、死刑を宣告されます。
皇帝の恩赦のおかげで、死刑は中止になりますが、ドストエフスキーの心に、暗澹たる絶望感が巣くってしまったのです。
同じ、ユーモア小説と言っても、今回の41歳のときに書かれた『いまわしい話』には、ラストにやりきれなさが、残ります。

 

「他人の妻とベッドの下の夫」

ある晩、紳士が、アパートメントをじっと見ている。
隣には、青年が立っている。
「あそこの部屋で友人の妻が浮気しているんですよ」と男が言う。
実はこの紳士自身の話なのだが、見栄を張って正直に言わない。
翌日、意を決して、紳士は部屋に乗り込むのだが、彼を待っていたのは、全く別の女性で・・・
あわててベッドの下にもぐりこむと、そこに昨夜の男が先に入っていて・・・。

「いまわしい話」

イワン・イリイチは、勲章を二つもらい、部下の士官から閣下と呼ばれている。
側近のアキムと連れ立って、夜のペテルブルクを歩いていた。
イワンは、急に思い立ち、部下の結婚パーティーがあることを思い出し、寄ってみることに。
部下たちに人道主義について、演説したくなったのだ。
しかし、そこでシャンパンやウォッカを飲みすぎて、醜態をさらしてしまう・・・。

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