お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

過去は自分に返ってくるもの【バビロンに帰る】(後篇)

ラジオシアター~文学の扉

毎週日曜、夜9時からお送りしている
【ラジオシアター~文学の扉】

今週は先週に引き続き、ゲストに俳優の浦井健治さんをお迎えして、フィッツジェラルドの『バビロンに帰る(後篇)』をお届けしました。

“人生の後半は、色々なものを失っていく道のり”と考える、作者のフィッツジェラルド。
今回はそれが如実に投影された、ビターな作品でした。
ラストにチャーリーが言っている「これほどまでに孤独」とは、作者自身の投影だったのでしょうか。

浦井さん演じるチャーリーと朋子さん演じるマリオンの静かなバトルがとてもリアルで、聴いているこちらも思わずドキドキ。
チャーリーの思いと、ヘレンの姉・マリオンの思い、どちらもそれぞれの正義として成立しているので、なんとも切ないすれ違いです。
「どうか、お互いが納得して良い方向へ向かいますように!」と祈らずにはいられません。

心に刻まれた衝撃的な出来事や傷、過去は消せるものではないので、いつか必ず自分に返ってくるものだなと、最近よく思います。
良いことも悪いことも、忘れてしまうくらい昔の事でも、ふとした瞬間に巡り巡って戻ってきたり!
妹を傷つけられた過去を未だに根に持つマリオンの気持ちになると、その行動もよく分かるなぁとどちらにも共感。

心を入れ替えて覚悟を決めたチャーリーの熱意はマリオンに伝わるも、タイミングが悪くまた信頼を失う結果になってしまいましたが
きっと真摯に熱意を伝え続ければ、いつかオノリアと暮らせる日が来ると信じたいものです。

物語をより立体的にしてくださった浦井さんと朋子さん。
一発録りの新鮮さも相まって、素敵なラジオドラマでした!

by 永瀬千裕

ピックアップ