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「話題のビリー・アイリッシュに続け! 10代の女性シンガーソングライター特集」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム

「話題のビリー・アイリッシュに続け! 10代の女性シンガーソングライター特集」

【高橋芳朗】
本日はこんなテーマでお送りします! 「話題のビリー・アイリッシュに続け! 10代の女性シンガーソングライター特集」。

【ジェーン・スー】
ビリー・アイリッシュ、すごいよね!

【高橋芳朗】
ただいま世界的に大ブレイク中です。まだ17歳ですよ!

【ジェーン・スー】
日本にも来たことあるんだっけ?

【高橋芳朗】
うん、去年に夏フェスの『SUMMER SONIC』で来日しています。弱冠17歳の女性シンガーソングライター、というよりは、もはや現代の新しいポップアイコンと紹介したほうがいいかもしれませんね。そのビリー・アイリッシュを筆頭に、ここ数年10代の女性シンガーソングライターの台頭が著しくて。そんなわけで本日はビリーに続いてブレイクが期待できそうな10代の女性シンガーソングライターを取り上げていこうと思います。

【ジェーン・スー】
よろしくお願いします。

【高橋芳朗】
まずはこの特集のきっかけになったビリー・アイリッシュの曲を聴いてみましょうか。現在大ヒット中の「bad guy」、全米チャートでは最高2位を記録しています。改めて紹介しておきますと、ビリー・アイリッシュはロサンゼルス出身の17歳。今年3月にデビューアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』をリリースしました。曲によってはホラー的と言ってもいいようなダークなサウンドに乗せてティーンの憂鬱や鬱屈を歌う音楽性で一躍現代のポップアイコンに名乗りをあげたという。あと、ビリー・アイリッシュの音楽はASMR方面からも評価が高くて。

【ジェーン・スー】
ASMR? なんですか?

【高橋芳朗】
ASMRは自律感覚絶頂反応(Autonomous Sensory Meridian Response)の略で、聴覚や視覚などからの刺激によってゾクゾクとくる心地よい反応/感覚のこと。ざっくり言うと音フェチみたいなことになるのかな? そんな感じでビリー・アイリッシュのウィスパリングボイスと立体的なサウンドは聴覚的にもおもしろいところがあるので興味のある方はヘッドフォンでのリスニングを推奨します。ある意味、非常にラジオ映えする音楽といっていいかもしれませんね。

M1 bad guy / Billie Eilish

【高橋芳朗】
ビリー・アイリッシュを現代的なポップスターたらしめている点としては、ジェンダーロールからの解放/脱却を強く打ち出しているんですよ。

【ジェーン・スー】
いやー、やっぱりいまの若いコはスタート地点からしてぜんぜん違うよね。

【高橋芳朗】
ビリーは性的に見られないように常にダボダボのオーバーサイズの服を着ていたり、女の子は幼いころから愛想よくいることを教え込まれるからそれに抗ってフォトセッションでは基本的に笑顔を見せなかったり。

【ジェーン・スー】
「不機嫌でなにが悪いの?」っていうね。

【高橋芳朗】
スーさんも同居人のおじさんがビリー・アイリッシュ好きなんでしょ?

【ジェーン・スー】
そうなんですよ。ビリー・アイリッシュはおじさんホイホイの呼び声も高くて。ちょっと前だと16歳でグラミー賞の最優秀楽曲賞を受賞したロード(Lorde)がそうだったけど、若い女の子の叫びみたいなものを「俺もわかる! 俺にもそういう時代があったんだよ!」って。あ、これはパートナーの固有名詞としてのおじさんじゃんなくて一般名詞としてのおじさんね(笑)。だから若い女の子シンガーソングライターのおじさん需要っていうのは洋の東西を問わず結構あるんですよね。

それはともかく、「誰も私の体の本当のサイズを知らない」っていう表現のためにわざと大きなダボダボの服を着るっていうのはやっぱり男女同権への意識がぜんぜん違いますよね。そもそも私や堀井さんのような世代と決定的に違うのは、もう彼女たちは「他人に気に入られなくてもいい」って思ってるんですよ。私たちは「他人に気に入られないとうまくやっていけない」って思いがすごく強いけど、いまのこういうシンガーソングライターの女の子たちってそういうのがまったくないよね。

【高橋芳朗】
うん。今日これから紹介する10代の女性シンガーソングライターはまさにみんなそんな感じですね。では、ここからはビリー・アイリッシュのファンにもおすすめしたい注目の10代の女性シンガーソングライターを紹介していきたいと思います。まずはベニー(BENEE)の「Evil Spider」。これは6月28日に出たばかりのデビューEP『Fire On Marzz』の収録曲になります。ベニーはニュージーランド出身の19歳。音楽的にもビリー・アイリッシュとの同時代性を感じさせるところがあるんですけど、実際ビリーが選曲してるSpotifyのプレイリスト「Front Left」にはベニーの曲がたくさん入っていて。ビリー・アイリッシュ自身、特にお気に入りのアーティストと言っていいと思います。

M2 Evil Spider / BENEE

【ジェーン・スー】
このベニーもビリー・アイリッシュも結果かわいいんだけど、「かわいいと思われなくてもいい!」って思ってる10代の女の子は最強だね。情緒不安定だったころを思い出してモゾモゾする(笑)。

【高橋芳朗】
いまは続々とこんな感じのコが出てきてるからなー。

【ジェーン・スー】
ディズニーチャンネル的な、たとえばブリトニー・スピアーズだったりマイリー・サイラスだったりアリアナ・グランデだったりは基本的に人に気に入られるタイプのコだからさ。まあ、マイリー・サイラスはそういうところから早々に離脱しているし、あとのふたりもなんとかもがいていたりはするんだけどね。こういう「女の子の愛されるかたちはひとつじゃない!」っていうコはロックやヒップホップだったらともかく、ポップスでこれだけエモくてダークなのはちょっとなかった。

【高橋芳朗】
うん。もうティーンポップの概念を覆しちゃったよね。

【ジェーン・スー】
いまティーン雑誌の表紙がどうなっているのか、すごく気になる。アメリカのティーン雑誌って笑顔の女の子たちの雑な切り抜きがベタベタベタッて貼ってあるイメージだけど、ビリー・アイリッシュみたいなのが流行ったらみんなムッとした顔になっちゃうかも(笑)。

【高橋芳朗】
どんどん不穏な誌面になっていくという(笑)。

【ジェーン・スー】
でもそれでいいんですよ。別にかわいがられなくてもいい、好かれなくてもいいっていうこの強さは素晴らしいと思います。

【高橋芳朗】
では本題に戻って注目の10代の女性シンガーソングライター、続いてはビューロー(bülow)の「Get Stüpid」。これは今年の4月に出たデビューミニアルバム『Crystalline』の収録曲です。彼女はドイツ生まれの19歳。イギリス、アメリカ、カナダ、オランダなどを転々として育って、昨年にカナダのメジャーレーベルと契約しました。今年に入ってからはカナダ版グラミー賞のジュノアワードで最優秀新人賞を受賞しているから、もう本格ブレイク目前と言っていいでしょうね。

M3 Get Stüpid / bülow

【ジェーン・スー】
この曲もいいねー。

【高橋芳朗】
気持ちいいよねー。最後はデスティニー・ロジャースの「North$ide」。これは今年3月にリリースされたデビューEP『Tomboy』の収録曲です。タイトルになってる「Tomboy」はまさに「ボーイッシュ」だとか「おてんば」みたいな意味があるんですよ。彼女はカリフォルニア出身の19歳で、シンガーソングライターでありスケーターでもある女の子。ラップと歌の中間のようなボーカルとメロウでキラキラしたトラックがめちゃくちゃ気持ちよくて、個人的にもヘビーローテションしている曲ですね。

M4 North$ide / Destiny Rogers


【ジェーン・スー】
いやー、ヒップホップおよびラップ的な歌唱法というものに対してのハードルの低さだよね。前だったら白人のコがラップをやるとなったらもっと気負ってやっている印象があったんだけど、もうヒップホップが日常の生活圏にあるんだろうな。もはや「他の文化をやってやるぜ!」みたいなことじゃないんだよね。

【高橋芳朗】
まさにまさに。今日紹介した曲はそんないまのポップミュージックの気分を強く反映しているものばかりだから、気に入った曲があったらぜひ掘り下げてみてほしいですね。でもまあ、とりあえずはビリー・アイリッシュの名前だけでも覚えておいてください!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

7/1(月)

(11:07) Just the Two of Us feat. Bill Withers / Grover Washington Jr.
(11:21) I Can’t Help It / Michael Jackson
(11:34) Here We Go Again / The Isley Brothers
(12:13) Adventures in the Land of Music / Dynasty
(12:23) Memory Lane / Minnie Riperton
(12:51) 雨のちハレルヤ / 松原みき

7/2(火)

(11:07) There She Goes / The La’s
(11:20) Girlfriend in Coma / The Smiths
(11:36) Return to Yesterday / The Lilac Time
(12:16) Over There / The Housemartins
(12:23) Brighter / The Railway Children
(12:50) Joyride / Flipper’s Guitar

7/3(水)

(11:05) She’s a Rainbow / The Rolling Stones
(11:22) Our Love Was / The Who
(11:36) Days / The Kinks
(12:16) This Will Be Our Year / The Zombies
(12:51) Jennifer Eccles / The Hollies

7/4(木)

(11:04) Laurel Aitken – You Are My Sunshine (1963)
(11:23) Prince Buster – Enjoy Yourself (1963)
(11:36) Roy Parton and Millie Small – Oh Shirley (1963)
(12:13) Owen and Leon – Next Door Neighbour (1964)
(12:50) Stranger Cole – Uno Dos Tres (1964)

7/5(金)

(11:06) Looking Up to You / Micheal Wycoff
(11:22) Do You Really Want to Answer / Zapp
(11:35) I Just Gotta Have You / Kashif
(12:12) There It Is / Shalamar