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認知症を疑似体験「VR認知症」▼人権TODAY(2019年7月13日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・
“VR認知症” です。

人権トゥデイ

★心がズドーン!と動くVRで、認知症体験

きょうは、「認知症」についてです。ご家族に認知症の方がいて不安を抱えているご家庭も多いと思いますが、今回は、“認知症の人が見ている世界”をバーチャルで体験できる「VR認知症」について取材しました。どんなものなのか、まずは、開発した株式会社シルバーウッドの黒田麻衣子さんのお話です。

株式会社シルバーウッド 黒田麻衣子さん
専用のVRゴーグルとヘッドホンを使って、 認知症の症状のある方の視点に立ったストーリーを再現している。認知症の方は“思い”を表現しづらいので、「なんで急に怒り出したんだろう、なんで急に手を振り払ってくるんだろう、怖いな」と思われがちだが、このVRを体験することで、「こういう思いだったのかな」と想像力が膨らむように作っています。

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シルバーウッド・VR事業部の黒田さんにお話を聞きました


黒田さんたちは、「サービス付き高齢者向け住宅」も運営しており、現場で日々お年寄りと向き合う中で、認知症をリアルに体験できないかと考えてVRの開発に乗り出したそうです。

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ストーリーの一つ『私をどうするのですか』。実際は「デイサービスの送迎車から一歩降りる」という状況でも、認知症の症状の一つ“視空間失認”により、「ビルの屋上」に見えている恐怖を味わえます


VR(バーチャルリアリティー)は、ゲームを始め様々な分野で活用されていますが、ゴーグルをかけると目の前に映像が映し出され、その映像にまるで自分が入り込んだような感覚を体験できる技術です。この会社では現在6つの認知症に関するストーリーを用意。認知症=物忘れと考えがちですが、いわゆる徘徊や幻覚、うつ状態、暴言を吐く、物取られ妄想など、100人いれば100通りのケースがあるそうなので、様々な症状を映像を通して体験できるようになっています。
映像は実話に基づいて作られていて、ビルの屋上から突き落とされそうになったり、電車の中で自分がどこに向かっているのか急に分わからなくなったり、いるはずのない場所に人影が見えたりと、認知症本人の視点で焦りや恐怖を疑似体験することができます。

★あの人は、オムツ交換でなぜ「噛み付く」のか

そして、このVRを体験できるワークショップが全国で開かれています。先月、町田市の訪問介護事業者が主催した体験会にお邪魔し、参加者の感想をお聞きしました。

在宅のヘルパー
自分が何をしているのかを認識するのに、すごく時間がかかるなと思った。やっぱり急がせてしまうのは、不安を感じるんじゃないかなと思った。
ヘルパー
言い方がアレですけど、今まで見たことのない世界を感じられたのでちょっと楽しかった。オムツ交換をしている時に、噛みついてくる人がいた。その時、「なんでこんなことをするの?」言われた。ビルの上で恐怖を感じたところとか、自分が置かれている状況がわからなくて恐怖を感じて、人を噛んだり傷つけたりするんだなとわかったので、少しずつ、その方の気持ちになって頑張ります。

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VRを体験する参加者


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VRは360度映像が見渡せるので、皆さんキョロキョロ


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体験した後は、グループでディスカッション


単に映像を見るだけでなく、「じゃあ私に何ができるのか」というところまで考えるのが、このワークショップのポイント。例えば足がすくんで車から降りられない人がいたら、「大丈夫ですよ」と決めつけず、「なんで怖がってるの?」と聞いてあげる事が大事だそうです。体験会は、介護関係者の他にも、自治体や一般企業、大学の医学部、さらには海外からも依頼があるようで、この2年間で述べ4万人が参加しています。

★VRで、「無意識の偏見」を取り去る

そして、最近では、認知症以外の分野にもVRの幅を広げていきたいということで、最後に現在開発中のテーマについて、シルバーウッドの黒田さんに聞いてみました。

株式会社シルバーウッド 黒田麻衣子さん
今から作りたいのは「癌」。もちろん告知を受けた時はショックだし治療も辛いが、実は何に傷ついているのかというと、「癌になったんだ」とカミングアウトした時に、他者からの「悪気のない言葉」らしいんですね。もしかしたら癌になった時や、大切な人が癌になった時に、不必要に傷つけ合うことがないように、その方の思いを馳せることができるようなものを、実はいま当事者の方と一緒に作ろうとしている。

「発達障害」や「LGBT」に関する映像は既に完成済みで、体験することもできるそうです。VRを通して、「無意識の偏見」に気づけるようなコンテンツを今後も作っていきたいとのことでした。
「VR認知症」を体験したい方は、30人以上の団体でワークショップを申し込めます。興味のある方はシルバーウッドのHホームページをご覧下さい。

(担当:TBSラジオキャスター 田中ひとみ)
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株式会社シルバーウッド
https://peraichi.com/landing_pages/view/vrninchisho
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