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おすすめラジオクラウド まとめて!土曜日「ネット選挙運動解禁から6年」

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こんにちは。文字起こし職人のみやーんです。僕が選んだラジオクラウドのおすすめコンテンツを紹介するコーナーの第50回目。
今回は『蓮見孝之 まとめて!土曜日』の中から「インターネットでの選挙運動解禁から6年。その現状は?」です。

2013年にインターネットでの選挙運動が解禁されてから6年が経った現在、解禁された当初の想定を外れるような状況も生まれている中、実際にどのようにインターネットでの選挙運動が行われているのか? 東京工業大学准教授で社会学者の西田亮介さんが紹介をしていました。


蓮見孝之:ここからはゲストコメンテーターのコラムコーナー、まとめて聞かせてです。今日は東京工業大学准教授で社会学者の西田亮介さんに「インターネットでの選挙運動解禁から6年。その現状は?」と題してお話を伺います。ネット選挙解禁って言われたのはもうどのぐらい前になるんですか?

西田亮介:そうですね。2013年のことですね。公職選挙法が改正されたのが13年で、2013年も参議院選挙の年ですね。夏に参議院選挙があって。その選挙からですね、インターネット選挙運動が解禁されました。で、「解禁した方がいいんじゃないか?」っていう議論は2000年代を通して、特に当時は野党が中心に議論していたんですが、強くなったのが2010年の鳩山政権の時ですね。

ここで与野党合意まで至ったんですが、鳩山内閣がですね、沖縄問題でコケてしまって。その後、実際に議論が再び盛り上がってくるのが12年の夏から秋にかけてぐらいに政治を巻き込む形で民間でも議論が盛り上がっていったような感じですね。だから、あれから6年ということと、それからもうひとつは当時当選した参議院の人たちが改選を今回の選挙で迎えているということですね。

蓮見孝之:そうなんですね。で、このネット選挙解禁……具体的にはインターネットでの選挙運動解禁から6年。

西田亮介:そうなんです。投票はできない。ややこしいんですよね。

蓮見孝之:「ネット選挙解禁」って最初に聞いた時に、インターネット上で投票できるって私も正直、思っちゃって。

西田亮介:語感はそうですよね。携帯とかパソコンから投票できそうですよね。だけど、それができる国って世界ではエストニアぐらいなんですよね。他の国ではほとんどできない。

蓮見孝之:そうなんですね。

北村まあさ:やっぱり、あれなんですかね? ちゃんと手で書いて投票するっていうのが世界的なスタイル?

西田亮介:世界的なスタイルですね。で、中には機械式投票を認めてるところもあって、ボタンを押して投票する。ディスプレイにタッチしながら投票するみたいなところもありますね。ちなみに日本でも地方選挙では2000年代にやってたんですよね。ご存知でした?

北村まあさ:ああ、そういうのがあったんですね。

西田亮介:そうなんです。投票所に行って名前を書くんじゃなくて、ディスプレイで投票するというのがあったんですけど……ただ、これは不具合を起こしてですね、岐阜県の市町村でですね、ちょっと大規模な事故があって。それで選挙が無効になったことがあって。

蓮見孝之:機械トラブルで?

西田亮介:そうなんですね。機械トラブルで。先般、青森県の自治体で最後の機械式投票機が使われなくなって幕を下ろした形なんですね。なのでいまはそういったものは日本の中で行われてなくて。我々がよく知っている名前を書くような形になっていますね。

蓮見孝之:だから6年前の時に、これができるようになったっていうその当時の状況と、6年後のいま。何が進んで、何が進んでいないのか? このあたりをちょっと整理しながらお伺いできればと思うんですが。

西田亮介:このインターネット選挙運動の解禁と言った時にですね、ちょっとできることとできないことの中に差があって。たええばウェブサイトを使って選挙運動をすることはできる。で、インターネットを使った動画の上での選挙運動も認められている。TwitterとかFacebookも可能なんですね。しかし、その一方で電子メールを使った選挙運動は一般の有権者には認められていないんですね。政党や候補者は電子メールを使ったものが部分的には認められているんですが、一般の有権者はできないというのがあります。

それから有償広告が一般の有権者、それから候補者本人も認められてないというところがあります。これは政党などにしか認められてないんですね。こういった制限があって、しかしその一方で情報化とか情報技術っていうのはこの間も進化を続けていて。2013年ということで言うと当時、LINEなんかが日本でも普及してきて。みなさんいま、LINEを使っていると思うんですけども、そういう時期だったわけですね。だけどいまだとたとえばInstagramとか……インスタ映えとか言うわけですね。で、TikTokで踊ってみたりとか……まあ、僕は別に踊らないんですけど。

だけど、こういうTikTokのアカウントなんかにもですね、政党がチャンネルを作ったりとかしてる今日この頃で。といった時に、やっぱり6年前から状況が変わってるので、その規制をどう考えていくのか?っていうことが問われているんじゃないかと思いますね。

蓮見孝之:その規制に関して先ほど、「電子メール」という言葉とそれからまあInstagramとかLINEとかSNS、ソーシャルネットワークサービスですよね。ここらへん、なにか違いはあるんですか?

西田亮介:そうなんですよね。たとえば電子メールは先ほど申し上げた通り一般の有権者は選挙運動できない。つまり投票を呼びかけることはできないんですが……しかしLINEとかそれからTwitterやFacebookのメッセージ機能がありますね? ああいうものは認められてるんですね。

蓮見孝之:これがよくわからないんですよ!

西田亮介:そう。これはとても不思議なんですよ。まあ我々の生活実感に反してると思うんですけど、どういう仕組みになってるかっていうと「電子メール」の定義が送信メールサーバー、いわゆるSMTPサーバーを経由しているかどうか。それから携帯電話のショートメッセージ機能がありますね。これを使っている場合に「電子メール」と定義するっていう仕組みなんですよ。

で、それに対してSNSはWEBサービスの一環なので、基本的に制限がかかっていない状態なんですよね。で、総務省は「電子メールを使った選挙運動は閉鎖的なので、そこは不正の温床になりやすいからダメよ」ということを言っている。しかし、普通に考えるとですね、メッセージ機能も同様の特性を持ってるんじゃないかと思うわけですね。

蓮見孝之:だから具体的にね、もうちょっと分かりやすく言うと、有権者である私が同じく有権者である北村さんに対して電子メールを使って「どこどこのこの人に投票してみない?」なんて言ったら……?

西田亮介:これはダメなんです。

蓮見孝之:ダメ。だけど私がSNS、LINEとかInstagramを使って北村さんに「この党のこの人、いいよね。投票しない?」なんていう風に呼びかけた時には?

西田亮介:これは認められる。

蓮見孝之:これはOKなんですか? よくわからない(笑)。

北村まあさ:なんで? 同じだよ(笑)。

西田亮介:直感に反すると思うんですよね。まあ実際、規制をどう作るかって言われるとかなり難しいものではあるんですが、やっぱり実態に反しているところがあるんじゃないかと思いますね。これは合わせていく必要があると思います。それからもうひとつはこれは公職選挙法ではなくて放送法との整合性なんですが。たとえば放送を使った選挙運動は認められてないんですね。

なのでいま、ちなみにこのラジオも電波使ってますから放送なわけですけど、ここで特定の政党や候補者の呼びかけっていうのは基本的にはできない。それから選挙運動期間中、僕がいま、特定の候補者の応援とかを言い始めるととても困ったことになると思うんですけども。まあ、そういうことはできないんですね。ただ、たとえばいまだと音声を使ったSNSとかありますよね? 

それから動画を使った結構視聴者の多いサービスなんかも出てきている。そういうもので呼びかけを行ったりするのは認められてるんですね。これはウェブサイトを使った選挙運動だからですね。まあ、などなど様々な我々の利用実感と異なった規制が残っていて。これをどうして行くのかってことは議論をしないといけないなと思いますね。

蓮見孝之:そうですね。あとは有権者と候補者、政党という線引きもあるんですけど、同じその政党でも有料のネット広告とかそういうものを出す時に、その党としての規模感とか人員がどれだけ割けるかとか、そのへんによってもだいぶ変わってきますよね。

西田亮介:そうですね。それに関連して言うと、わかりにくいところで言えば政治活動としての政党広告は選挙運動期間中も認められているんですが、それがやはりできるのは資金量の大きい政党だけなんじゃないか? という議論もあったりしますね。つまり政治活動は選挙期間中も基本的には制限されていないので、CMを出したりすることができるんですね。ただ、それはやはり選挙に貢献してるように見えてしまうところってのはやっぱり一般の視聴者からするとあるんじゃないかと思うんですよね。そうすると、やっぱり資金量が影響してきますからどうなのかという声もありますね。

蓮見孝之:6年……まだ6年という風に捉えたらいいのか、もう6年経ってるっていう風に捉えたらいいのか。西田さんはどちらですか?

西田亮介:「もう6年」ですね。ちなみにこういった問題は2013年の公職選挙法改正の時から既に議論をされていて。制度改正をちゃんとやっていかなきゃいけないよっていうことは付帯決議にも書かれているんですね。ただ、やはり一旦実現してしまうと議論が低調になっている印象ですね。

蓮見孝之:だからこれからこの議論を進めていくためには、どうしていったらいいんでしょうね?

西田亮介:そうですね。なかなか難しいことではあるんですが、選挙運動期間中以外もですね、こういった選挙や、そうですね。「民主主義」って言うとちょっと大きさですけど、それを支える制度のあり方にちょっと関心を持ってもらうというのがいいのかなと思いますね。

蓮見孝之:今日は西田さんに「インターネットでの選挙運動解禁から6年。その現状は?」と題してお話を伺いました。西田さんありがとうございました。

西田亮介:ありがとうございました。


SNSとの整合性や放送とWEBサービスの違いで実質的には同じことをしているのにできる/できないという差が生まれているという指摘は面白いですねー。なんとなく「これはどうなんだろう?」と思っていた疑問点が整理されたような気がしたました。ぜひラジオクラウドの音源でもチェックしてみてください!

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