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虫垂炎、そして、虫垂の役割

生島ヒロシのおはよう定食|一直線

今週の「再春館製薬所 健康一直線」は、江田クリニック・院長の江田証先生に、「虫垂炎、そして、虫垂の役割」をテーマに伺いました。

■虫垂炎は夏に多いのか?■
*まず、虫垂という器官について説明します。
*小腸と大腸のつなぎ目にあたる袋状の小さい器官は「盲腸」と呼ばれ、その盲腸から突出した長さ約5~7cmの細長い管状の部分が「虫垂」という器官。
*本来は便になるものが石のようになる「糞石」などで虫垂の中が詰まると、その先が閉塞状態となり、細菌が繁殖する。その結果、虫垂が炎症を起こす。
*かつては「進化の過程で機能が失われた器官」とみなされていたため、虫垂炎(盲腸炎)となると、摘出する手術が行われてきた。
*季節性変化について報告した論文がある。気温の高い時季が多い。同様の報告がフィンランド、カナダ、米国などでもなされている。
*夏場は細菌が繁殖しやすく、虫垂の壁が炎症で腫れて、管の部分を閉塞させることが一因と考えられている。
*また、気圧が低くなると交感神経が働き、白血球の成分の中の顆粒球が活発になって酸化酵素が発生。その結果、消化器管内の細胞を傷つけるので虫垂炎になりやすいという指摘もあるが、その因果関係はまだ詳しく分かっていない。 

■全世代で発症する■
*発症のピークは10~20代だが、どの年齢層でもみられ、男女差はない。
*虫垂炎の治療は、炎症を抑える抗生剤を使った治療(「ちらす」という方法)や、内視鏡による切除が大半だが、重症だと開腹手術や腹腔鏡手術で切除することも。

■必要のない器官なのか?■
*最近の研究で、虫垂の中にある免疫細胞が大腸の粘液中に分泌されているIgAという抗体を作っていて、腸内細菌の制御にも関わっていることが分かってきた。
*無理に虫垂を切除すると、腸内細菌のバランスが一時的に崩れ、免疫機能に悪影響を与えてしまう。大腸がんの発症リスクを高めてしまうことにも。
*虫垂を切除して大腸がんの発症リスクがアップするのは切除後1年半~3年半で、それ以降は変わらなくなるという報告もある。
*虫垂を切除してしまった人や、重症で切除せざるを得ない人も怯える必要はない。切除後数年は大腸がんリスクが高まるということを認識しつつ、便潜血検査や大腸内視鏡検査を受けるようにすることでカバーする。