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ガラス張り選挙カーで投票率アップ! グリーンオート取締役・若狭侍郎さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
7月20日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、選挙カーのレンタル会社「株式会社グリーンオート」の取締役・若狭侍郎(わかさ・じろう)さんをお迎えしました。こちらの会社は全国でも珍しいガラス張りの選挙カーを開発し、国政選挙や知事選など大きな選挙があると全国各地から注文が殺到するそうです。

参院選まっただ中の今は大忙し


金太郎でおなじみの足柄山。そのふもとの町・神奈川県足柄上郡大井町にグリーンオートはあります。元々は自動車整備と販売の会社でしたが、先代の会長・榊原皓(あきら)さんが2005年にガラス張り選挙カーを開発して以来、各地から問い合わせが入り、それに応えていくうちに選挙カーのレンタルが事業として大きくなっていったそうです。今年(2019年)は4月の地方統一選挙に続いて今回の参院選もあって大忙し。さらにそのあとも各地で知事選が控えていて、参院選が終わっても休む間がないのです。

現在、グリーンオートには約40台の選挙カーがあり、そのうち人気の高いガラス張り選挙カーは10台。選挙の候補者から注文を受けると、スピーカーなどの装備類を整備し、看板の取り付け、ラッピングなどを行ない納車。準備期間はあまりないので、解散総選挙のときは社員が寝ずに整備することも。グリーンオートでは選挙カーの予約は基本的には「早い者勝ち」で、与党も野党も無所属も関係なし!ただ、同じ選挙区で複数の候補者に貸し出すことは控えているそうです。

選挙運動期間中、候補者の名前を表示できるものは主に「ポスター」「たすき」「選挙カー」の3つ。このうち、ポスターは掲示する場所が決まっていますし、たすきは候補者本人が動ける範囲が限られます。有権者のもとをどんどん回れる選挙カーこそが選挙戦最大の武器だと若狭さんは言います。ちなみに業界では選挙カーのことを「選車(せんしゃ)」(「戦車」との掛け言葉)と呼んでいるそうです。

選挙カーは公職選挙法によって結構いろいろな規制があるんです。選挙カーはマイクやスピーカーなどの音響設備、看板やお立ち台など、いろいろ改造が施されるわけですが、原則として選挙カーとして使えるのは3、4、5ナンバーだけ(つまり大型は原則だめ)。オープンカーはNG。看板のサイズは縦273センチ×横73センチ以内。また使い方に関しても、小選挙区・知事選では候補者1人につき1台のみと決められています(参議院選比例区は候補者1人につき3台までOK)。選挙運動は投票前日までとなっているので、選挙カーに表示されている候補者の名前は、投票日を迎える前に全て隠すか、取り除かなければいけないそうです。

ガラス張り選挙カーは効果絶大!


若狭さんたちが作っているガラス張りの選挙カーはボディーの左右両サイドと後ろの部分が大きなガラス窓になっています。車道側の歩道からはもちろん、対向車線の車からも、また対向車線側の歩道からでも、乗っている候補者がよく見えます。普通の選挙カーでは、対向車の車からはよく見えませんし、対向車側の歩道からはほとんど候補者の顔を見ることはできません。実は若狭さんは参議院議員秘書として選挙を戦った経験があります。今までの選挙カーとガラス張りとではその効果は全然違うと感じたそうです。

「選挙では、多くの人に『この候補、頑張っているなあ』と思ってもらうことが大事なんです。じゃあ、どうすればいいかというと、『その候補本人を見たよ』っていう人をどれだけ増やせるかが大きいんです。せっかく選挙カーで地域を回っても、本人の顔が見えなければ効果がないんです。ガラス張りの選挙カーなら確実に顔が分かります」(若狭さん)

若狭さんが「勝率はかなり高い」と言うガラス張りの選挙カー。でも、どんな選挙もガラス張り選挙カーがいいかといえば、そうではありません。選挙をいかに戦うかが重要なのであって、そのための選挙カーがある。

「例えば東京都知事選のように100万票、200万票を集めて勝つための戦い方と、市議会議員選挙で1500票を獲って勝つための戦い方は違うんです。小さい市議会選挙だったら小さな軽自動車の選挙カーで、細い路地まで入っていって、住民一人ひとりと握手して、地道に回ったほうがいい。一方で、200万人に訴えるような選挙ではとても一人ひとりと握手することはできません。そういう場合は、大きな選挙カーで回って、ときには車の屋根に上がって演説できるほうがいいです。選挙には地上戦と空中戦それぞれの戦い方があって、選挙カーにもそれぞれに合ったものがあるんです。ガラス張り選挙カーは、まさに空中戦向きの車です」(若狭さん)

選挙期間中は24時間体制で対応


若狭さんたちは、選挙期間中は24時間体制でトラブルの連絡に対応しています。選挙カーに何かトラブルがあったり、積んでいる設備の具合が良くないと、各地の選挙事務所から電話がかかってきます。選挙期間中は気が抜けない毎日です。

「先日も関西のほうから電話があったので、夜のうちのスタッフが現地に行って直してきました。選挙ではみんな必死ですから、次の日に車で回れなくなったら、もうアウトです。選挙運動ができるのは朝8時から夜8時までですから、夜8時までには現地に入って、翌朝8時までにトラブルを解消して、また出ていけるようにしています。F1のピットインみたいな気持ちでやってますよ(笑)。それはその候補者のためではあるんですけど、もっと言えば、選挙戦そのものに支障が出ないようにするためなんです。不公平が生まれないように」(若狭さん)

先代の人柄に惹かれて国会議員秘書から転身


若狭侍郎さんは1986年、北海道生まれ。20歳のときに都内の高級外車のディーラーに就職。26歳で独立しますがうまくいかず、知り合いから「会社経営を学ぶために社長のカバン持ちをやったらどうか」と紹介されたのが、なぜが国会議員。それから2年弱、参議院議員の秘書を務めます。このときに知り合ったのが、それまでなかった「ガラス張りの選挙カー」を開発したグリーンオートの会長・榊原皓さんでした。

秘書として仕えていた議員が参議院選挙で落選すると、それまで親しくしていた人たちはみな、潮が引くように去っていきました。そんななかでいちばん先に電話をして来てくれたのが榊原さん。榊原さんは、典型的な昭和のワンマン社長という感じの経営者でした。商売っ気よりも「情」が先行するような人でした。秘書時代の若狭さんが選挙カーの相談でグリーンオートを訪れると、「おう、若狭くん。メシ食ったか? 一緒に行こう」と用件を聞く前に連れ出し、かわいがってくれたそうです。

そんな榊原さんは「ガラス張りの選挙カーは、政治家のために作ったんじゃない」と言っていたそうです。「おれは、投票率を上げるために面白い車を作ってるんだ」と。そんな榊原さんの話に、若狭さんは共感するところがありました。参議院議員秘書時代、駅前でビラを配っても若い人たちは見向きもしてくれない。話を熱心に聞いてくれるのは80代の高齢者ばかり。議員たちだって自ずと高齢者のためになるようなことに力を入れるように偏ってしまう。

「だけど、本当にそれでいいの? という思いがいつもありました。もし若い人全員が投票に行って、投票率が100%になったら、国会は今とは違った組織になるんじゃないのか。みんなで選んで投票したほうが本当の民主主義っていえるんじゃないのかって。でも、実はぼくも26歳で議員秘書になるまで選挙に行ったことがなかったんです。北海道から東京に出てきて、知ってる人が誰一人いなくて、地元意識もなくて、それで投票しろって言われても、何も分かりませんよ。今のそういう若い人の気持ちも分かるんです。うちの先代(榊原さん)がガラス張りの選挙カーを作って『これを見たら、〝なんだこれ?!〟ってみんな振りむくだろ!』って言うんです。選挙カーなんてうるせーな…って思っている人に、少しでも興味を持ってもらう。そのきっかけを作るのがうちの仕事だと思っています」(若狭さん)。

会長が今年1月に亡くなってからは、今は若狭さんが中心となって選挙カーレンタル事業を展開しています。

若狭侍郎さんのご感想


本当に30分があっという間ですね。久米さんのトークがゴンゴンきますので、5分、10分ぐらいで終わったような感じです。フェラーリの話になったときはそっちに行きそうだったので、これはちょっと選挙の話に戻さないといけないと思いましたけど(笑)。

でも久米さんの進行はすごいですね。選挙期間中なので本番の前にはいろいろ気をつけなきゃいけないと思っていたんですけど、自然体で話せました。ありがとうございました。

時代の流れで選挙自体がもう一歩先へと進んでいくと思いますので、そこへもついて行かないと選挙カーが時代遅れだと言われますから、そうじゃないというところを見せないといけないと思いますね。放送では話しませんでしたけど、例えば東京・新宿のアルタ前にうちの選挙カーを置いて、大きなビジョンと連動して演説するというようなこともやっています。アメリカのような雰囲気というか、もっとみんなで参加しようという感じに日本もだんだんなってくると思います。有権者と政治家が両方とも盛り上がっていくと相乗効果があると思います。

「今週のスポットライト」ゲスト:若狭侍郎さん(選挙カーレンタル業)を聴く

次回のゲストは、脳科学者・恩蔵絢子さん

7月27日の「今週のスポットライト」には、脳科学者の恩蔵絢子(おんぞう・あやこ)さんをお迎えします。恩蔵さんは、ご自身の母親がアルツハイマー型認知症と診断されてからの日々をつづった『脳科学者の母が、認知症になる』という本をお書きになりました。認知症で記憶を失っていく母は、もう自分が知っている〝母〟ではなくなってしまうのか? それが脳科学者として、また家族として、恩蔵さんの切実なテーマになっています。

2019年7月27日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190727140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)