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一人暮らしの高齢者が小学生と一緒に給食を食べる取組み

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・一人暮らしの高齢者が小学生と一緒に給食を食べる取組み

ごはん、ゆず味噌おでん、芋ようかん、これに牛乳が加わりました。

<取材日の給食>ごはん、ゆず味噌おでん、芋ようかん、これに牛乳が加わりました。

高齢者が小学生と一緒に給食を食べる「ふれあい給食」という取り組みを紹介します。
これは東京都調布市が実施しています。調布市では現在、4万8千人いる65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が一人暮らしか、高齢者の夫婦だけで暮らしています。

「ふれあい給食」は19年前に始まりました。当時は高齢化が進み始めたと同時に子どもの数が減って小学校に空き教室が増えていました。そこで給食が提供でき、身近な公共施設である小学校が実施場所として選ばれたんです。

利用できるのは市内に住む70歳以上の一人暮らしまたは高齢者のみの世帯の方で原則、介護サービスを受けていない、自力で小学校に通える元気な高齢者です。みなさん、歩きか自転車で小学校に通っています。利用者が過ごすのは「ふれあい給食室」という空き教室を改修した専用の部屋。バリアフリー化されていて、冷暖房、専用のトイレ、給湯室もついています。ここで週に一回、午前中は歌や体操、書道や絵手紙などを楽しみ、給食を食べて午後からはトランプや坊主めくりなどをして過ごすというのが活動の流れ。ただ給食を食べるだけではなく朝の10時から午後の3時まで過ごしているんです。利用者の参加費は給食費を含めて1日370円です。取材をした調布市立緑ヶ丘小学校には80代の男女8人が集まっていました。

調布市高齢者支援室の宮内真由さんは

宮内真由さん
「毎週ふれあい給食に通っていただくことで安否確認ができていると感じています。利用者の方は、地域に暮らす高齢者の方になりますのでボランティアの協力員の方なども同じ地域の住民の方が多いのでふれあい給食以外でも地域の中での自然な見守りにつながっています。」

と取り組みの効果について話してくれました。

活動は毎回、取りまとめを行う社会福祉協議会のコーディネーターか1人と地域に住むボランティアの女性スタッフ3人が利用者の配膳や活動のサポートをしています。毎週会う利用者の体調や変化に目を配り、必要があれば介護サービスを受けられるように地域の相談窓口へ橋渡しをしています。毎週、顔を合わせることが見守りにつながるんですね。

この日は3年生の男女6人が一緒に給食を食べていました。子どもたちたちは、習字や好きな食べ物やスポーツ、折り紙の話など利用者と楽しく話しながら給食も残さずにしっかりと食べていました。中には献立の「芋ようかん」をきっかけに「戦争中、配給は芋しかなかった」と、利用者の男性が体験した戦争の話を子どもたちが真剣に聞いていました。

栄養バランスが整えられた献立なので高齢者も小学生と全く同じ献立で高学年の児童と同じ量を食べます。調布市では給食を各小学校の調理室で作っているので、できたてです。

この日、参加していた人は「ふれあい給食」について
『おいしい。今日のごはんは誠結構、お味がよろしかったですね。』
『自分たちが子どもを育てたときにはこういう風だったよなみたいなことは思い出しますよね。みんなでワイワイワイワイ言ってて楽しいですよ。』
『主人が亡くなってから10年経ちますけどね。やっぱり1人だとなんというかな。テレビ見たりついなんとなく横になったりばかりするけど。ここへ来ると気持ちがねすごーく明るくなるんですよ。だからそれが嬉しくてね。』
と話し仲間や子どもと過ごす時間を心から楽しんでいるようでした。児童とは授業でお手玉やおはじきなど昔の遊びを教える他運動会や学芸会に招待されるなど様々な交流があります。

ただ、一方でこんな意見もありました。
『実際に男の人に来てもらいたいです。最初はね、5人くらいいましたから。そのうちに1人いなくなり2人いなくなり、とうとう私1人になっちゃって。』
これはこの日、唯一の男性だった方のお話です。「ふれあい給食」には現在、市内4つの小学校で行う7つのグループに、70歳~94歳までの90人が登録していますが、男性は5人しかいないのが現状です。民生委員や友人に誘われて初めて活動を知る人が多いので、新たな利用者を今後、どう増やしていくかが課題だそうです。

一人暮らしのみなさんが、いきいきとにぎやかに過ごしている活動なので他の地域にもどんどん広がってほしいですね。

担当:岡本祥子