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「映画『ロケットマン』公開記念企画第2弾〜エルトン・ジョンの曲が流れる映画の名場面ベスト3」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム

「映画『ロケットマン』公開記念企画第2弾〜エルトン・ジョンの曲が流れる映画の名場面ベスト3」

【高橋芳朗】

本日はこんなテーマでお送りします。「映画『ロケットマン』公開記念企画第2弾〜エルトン・ジョンの曲が流れる映画の名場面ベスト3」。

【ジェーン・スー】
楽しみにしていました!

【高橋芳朗】
ありがとうございます! 先週に続くエルトン・ジョン特集の第2弾ですね。先週はエルトンと彼のデビュー以来の共作者である作詞家バーニー・トーピンとの関係性についてお話しましたが、あくまで映画『ロケットマン』の鑑賞ガイド的な内容だったのでエルトンの名曲をよりじっくりと味わってもらえるような企画を考えた次第です。そんなわけで、今回はわたくしが独断と偏見で選んだ「エルトン・ジョンの曲が流れる映画の名場面ベスト3」をカウントダウン形式で紹介しましょう。

【ジェーン・スー】
うん、こっちの方がエモい気がする!

【高橋芳朗】
ではさっそくいってみましょう! 第3位はキャメロン・クロウ監督の2000年作品、映画『あの頃ペニー・レインと』より「Tiny Dancer」。

【ジェーン・スー】
キターッ!

【高橋芳朗】
「Tiny Dancer」は1971年リリースのアルバム『Madman Across The Water』の収録曲ですね。『あの頃ペニー・レインと』は16歳でローリング・ストーン誌の記者になったキャメロン・クロウ監督の半自伝的映画。1973年のカリフォルニアを舞台にブレイク寸前のロックバンド「スティル・ウォーター」の全米ツアーの同行取材をまかされた15歳の少年ウィリアムの姿を描いた青春音楽映画です。「Tiny Dancer」が流れるシーンはあまりにも有名ですよね。この映画の代名詞と言っていいと思います。仲違いしたバンドメンバーがツアーバスのラジオから不意に流れてきた「Tiny Dancer」を合唱して再び心を通い合わせるという音楽映画史に残る名場面。この「Tiny Dancer」はバーニー・トーピンがロサンゼルスで出会ったマキシン・フェイベルマンという女性、エルトン・ジョンのツアーの衣装係でのちにバーニーと結婚することになるマキシンについて書いた曲なんですよ。

【ジェーン・スー】
ふーん!

【高橋芳朗】
『あの頃ペニー・レインと』ではグルーピーの女の子たちがバンドを支える女神のように甘美に描かれていますが、キャメロン・クロウはそんな彼女たちにエルトンのツアーに帯同していたマキシンの姿を重ね合わせたのだと思います。

M1 Tiny Dancer / Elton John

【高橋芳朗】
続いて第2位! 第2位はキャメロン・クロウ監督の2000年作品、映画『あの頃ペニー・レインと』より「Mona Lisas and Mad Hatters」です。

【ジェーン・スー】
おいおいおい!

【高橋芳朗】
1972年リリースのアルバム『Honky Chateau』収録曲。いやー、意外な結果になりました。

【ジェーン・スー】
この茶番な感じ……『アフター6ジャンクション』じゃないんだから!

【高橋芳朗】
まさか2位3位が同じ映画になろうとはね。

【ジェーン・スー】
考えに考えてもやっぱりこうなる?

【高橋芳朗】
こうなっちゃいますねー。この「Mona Lisas and Mad Hatters」がどういう場面で流れるのかというと、グルーピーのペニー・レインが好きだったバンドメンバーに捨てられて……。

【ジェーン・スー】
はいはいはい!

【高橋芳朗】
あ、覚えてる? それでペニー・レインは失意の中、ニューヨークのマンハッタンの街中に姿を消していくんです。そして、そんなペニー・レインにほのかな恋心を寄せていたウィリアム少年が彼女を追いかけてマンハッタンをさまよい歩くという。

【ジェーン・スー】
あったねー! 足首に鳥肌が立ってきた!

【高橋芳朗】
フフフフフ、そのシーンにオーバーラップしてくるのがこの「Mona Lisas and Mad Hatters」というわけです。なぜここでこの曲が使われているのかというと、「Mona Lisas and Mad Hatters」はバーニー・トーピンが初めて訪れたニューヨークにインスパイアされて書いたニューヨークとそこで暮らす人々へのトリビュートなんですよ。だから歌詞中にもニューヨークの地名がたくさん出てくる。そんな背景を持つ曲であるということから、エルトン・ジョンは2001年のアメリカ同時多発テロ追悼コンサートでニューヨークに捧げる曲としてこの曲をパフォーマンスしています。

M2 Mona Lisas and Mad Hatters / Elton John

【ジェーン・スー】
堀井さんが窓の外を見ながら物思いにふけっていましたよ。

【堀井美香】
うんうん、もう夏が終わる。

【高橋芳朗】
それではいよいよ第1位、発表してもよろしいでしょうか? 「エルトン・ジョンの曲が流れる映画の名場面ベスト3」、映えある第1位に輝いたのは……キャメロン・クロウ監督の2005年作品、映画『エリザベスタウン』より「My Father’s Gun」。1970年リリースのアルバム『Tumbleweed Connection』の収録曲です。わー!

【ジェーン・スー】
へー、1位はキャメロン・クロウ監督ですかー(棒)。

【高橋芳朗】
いやー、びっくりしました!

【ジェーン・スー】
意外な、ところが、きま、したねー(棒)。

【高橋芳朗】
まさかキャメロン・クロウがベスト3独占とは!

【ジェーン・スー】
ちょっとヨシくん、どういうことよ?

【高橋芳朗】
いやもうね、キャメロン・クロウの選曲が素晴らしすぎて。

【ジェーン・スー】
キャメロン・クロウがエルトン・ジョンを好きすぎるって話?

【高橋芳朗】
そうね。彼はここぞって場面でエルトン・ジョンを使ってくるんですよ。第1位に輝いた『エリザベスタウン』は、オーランド・ブルーム演じる主人公ドリューが父親の死をきっかけに自分の生き方を見つめ直すというロードムービー。ドリューは「遺灰を海にまいてほしい」という父親の遺言を叶えるため、車の助手席に父の遺灰が入った壺を乗せて父と対話しながらアメリカ南部を旅するんです。そんな映画の実質的なテーマソングといえるのがエルトン・ジョンの「My Father’s Gun」で。この曲はまさに亡くなった父親に向き合う息子の心情を綴った曲なんですよ。エルトンと父親の関係というと、映画『ロケットマン』をご覧になった方ならわかると思いますが彼はずっと父親からの愛情を渇望していたにも関わらずそれが一度も果たされなかった。その経験がエルトンの人生観に大きな影を落としているわけですが、きっとバーニーはそんなエルトンの境遇を理解した上で彼に父親についての歌詞を提供したと思うんです。

【ジェーン・スー】
うーん……。

【高橋芳朗】
でも、それはある意味バーニーがプロデューサー的な視点を持ち合わせていたというか、エルトンのエモーションを引き出そうとして敢えてそういう題材を彼に課したところもあるんじゃないかと考えています。

M3 My Father’s Gun / Elton John

【高橋芳朗】
というわけで「エルトン・ジョンの曲が流れる映画の名場面ベスト3」、意外にもベスト3すべがキャメロン・クロウ作品という結果に終わりました。

【ジェーン・スー】
自分で決めておいて……。

【高橋芳朗】
言うまでもなく、エルトン・ジョンの曲が使われている映画はまだまだたくさんあります。アル・パチーノの『狼たちの午後』、ケビン・コスナーの『ファンダンゴ』、『ロケットマン』でエルトンを演じているタロン・エガートン主演の『キングスマン:ゴールデン・サークル』、その他エルトン本人が歌っていないものでも『ムーラン・ルージュ!』だったり『SING/シング』だったり。どれも素晴らしい作品なので併せてチェックしてみてください!

【ジェーン・スー】
この企画、もう一回やってほしいぐらいですね。

【高橋芳朗】
ぜひぜひ。でもまずは『ロケットマン』を観てくださいね!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

8/26(月)

(11:07) The Boys Of Summer / Don Henley
(11:27) Summer of ’69 / Bryan Adams
(11:35) If This Is It / Huey Lewis & The News
(12:14) Getcha Back / Beach Boys
(12:24) Sea of Love / Honeydrippers
(12:50) ペパーミント・ブルー / 大瀧詠一

8/27(火)

(11:04) Cruel Summer / Bananarama
(11:28) New Song / Howard Jones
(11:36) I Won’t Let The Sun Go Down On Me / Nik Kershaw
(12:10) You Take Me Up / Thompson Twins
(12:22) When The Lights Go Out / Naked

8/28(水)

(11:06) The Tide Is High〜夢見るNo.1 / Blondie
(11:25) Revolution Rock / The Clash
(11:36) Do Nothing / The Specials
(12:11) Heart / Nick Lowe
(12:23) Doors of Your Heart / The Beat

8/29(木)

(11:04) Farewell My Summer Love / Michael Jackson
(11:37) Everybody Plays The Fool / The Main Ingredient
(11:10) Where Is The Love / Roberta Flack & Donny Hathaway
(12:22) I’m Stone in Love With You / The Stylistics
(12:52) サンフランシスコ / かまやつひろし

8/30(金)

(11:05) I Love You / Donna Summer
(11:26) All On a Summer Night / Grace Jones
(11:36) Mister Love / Dr. Buzzard’s Original Savannah Band
(12:14) Tena’s Song / Foxy