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共同作業所の全国組織「きょうされん」▼人権TODAY(2019年9月7日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・
“障害のある方が働く共同作業所の全国組織「きょうされん」” です。

人権トゥデイ

★障害者が仲間と一緒に働く場「共同作業所」

「きょうされん」の元々の名称は「共同作業所全国連絡会」。現在はその頭文字を取って平仮名で「きょうされん」と呼ばれているこの組織は、障害のある方の権利向上のために 様々な活動をしています。まずは、組織を構成している「共同作業所」というものがどんなことを行なっているのか。きょうされんの理事長で、さいたま市で自らも共同作業所を経営している、斎藤なを子さんのお話。

きょうされん・理事長 斎藤なを子さん
パンを作ったり、お豆腐の製造販売、ジャガイモや玉ねぎの袋詰めの仕事や、自動車部品の加工の仕事、資源回収に出たり、障害のある人たちに合わせて色んな仕事を作って、色んなことをやってます。本当に「働くことが楽しい!嬉しい!」と、心から障害のある方たちは感じながら毎日仕事されてる姿は、「みんなすごいな」って尊敬の念を覚えます。これが作業所がなくて在宅生活を長く続けていたら、人として生きていく力も萎えていってしまう。作業所っていうのは本当に、大事な大事な存在だと思う。

共同作業所は、「小規模事業所」や「福祉事業所」などとも呼ばれていて、精神障害や知的障害、身体障害など、あらゆる困難を抱える障害者が活動する民間の事業所です。

★作業所があることで社会的な孤立を防ぐ

そして現在では働く場以外にも、生きがいづくりや 機能訓練、仲間づくり、レクリエーションなど、生活や交流の場としての役割も担っているんですが、今からちょうど50年前に愛知県で設立されたのが始まりとされています。当時、共同作業所が誕生した背景について、斎藤さんに聞きました。

きょうされん・理事長 斎藤なを子さん
当時、障害の重い人たちは「教育の場」「働く場」から排除されていて、不本意なひとりぼっちの在宅を余儀なくされている方たちがたくさんいましたし、本当に当たり前の願いですよね、「地域の中で一人の人間として働いていきたい、社会参加したい」、そのことを何とかしなくちゃいけないっていう切実な思いが全国各地で高まっていって、自主的な作業所作りに繋がっていった。

そして今から42年前に、16箇所の作業所が「お互いに連携しましょう」と声をあげて立ち上がったのが きょうされんです。今では各地の作業所やグループホーム、相談支援センターなど1900の事業所が連携し、活動の幅も大きく広げているようです。

★「当たり前」を作ってきた きょうされん

そこで今度は、きょうされんの具体的な活動内容について、ご自身の娘さんも重度の障害をお持ちという 深沢智子さんに伺いました。

深沢智子さん
うちの娘が養護学校時代に、車椅子の男の子がね「僕も車椅子で電車に乗りたいな」って呟いたんです。それで小平の駅にエレベーターをつける「エレベーター設置運動」に、のめり込んでいったんですね。まぁ10年かかりましたけどね、できるまでに。でも今はもう当たり前で、どこでもね、乳母車引いた人やお年寄りが当たり前に利用しているけど、その「当たり前」を作るには、障害の重い人たちの一言があったんだよっていうことで作り上げていったということで。ドカンと大きなことをやるのは難しいけど、地域を開拓していく上でも、きょうされんの活動は本当に大事な存在だと思ってますね。

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(左)きょうされん 理事長 斎藤なを子さん(右)深沢智子さん


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きょうされん 活動内容


深沢さんたち きょうされん のメンバーが署名活動などを行って、「当たり前」を作るきっかけを実現させたということです。このように、障害があっても住みやすい街づくりを推し進めたり、法律や制度の改正を行政に呼びかけたり、会員同士の交流や、財源の確保など、きょうされんの活動の範囲は幅広いものとなっています。

★ひと月の工賃が「1万5千円」

ただ、まだまだ障害のある方を取り巻く環境は、不自由さや制約を抱えているということで、最後に共同作業所の課題について、斎藤さんはこんなお話をしてくれました。

きょうされん・理事長 斎藤なを子さん
例えば、障害がある方たちが働いている福祉事業所の多くでは、お給料に相当する「工賃」の水準がとても低い。いろんな事業所のタイプがあるが「1万5千円位が月額の平均」と就労系の事業所では言われている。じゃあその方たちはどうやって暮らせというのか。結局、その負担がかかってくるのはご家族。経済的な負担、介護の負担はご家族に依存せざるを得ない。そこを制度で、所得保障や、家族の方が抱えている介護の負担などをきちんと整えていって、障害のある人が一人の市民として、障害のない人と同等の水準の暮らしぶりになることが大事だと思う。

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きょうされん40周年記念映画『星に語りて』


1日の労働時間は平均5時間〜6時間。きょうされんの調査では、この「工賃」と「年金」を合わせても、いわゆる“ワーキングプア”と呼ばれる水準の人たちが9割を超えているそうで、制度改正のため 引き続き、行政に呼びかけていくということです。

また、きょうされんでは、市民への啓発活動の一環として、映画製作も行なっています。きょうされん結成40周年を記念して作られ、現在自主上映中なのが、映画『星に語りて』です。こちらは東日本大震災が起きた時に、障害のある人たちはどんな状態だったのかをテーマにした映画で、全国の福祉センターや市民ホールなどで順次公開しています。来年度に渡り不定期に公開されるそうなので、興味のある方はきょうされんのホームページをご確認ください。

(担当:TBSラジオキャスター 田中ひとみ)
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