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自殺防止週間。玉城ちはるさんの「命の参観日」▼人権TODAY(2019年9月21日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…『自殺防止週間。玉城ちはるさんの「命の参観日」』

自死遺族、そしてホストマザーとして

毎年9/10~9/16の一週間は「自殺防止週間」です。この時期、各自治体がさまざまな啓発活動を行いますが、今回は江戸川区で9/17(火)に行われた自殺防止イベントを取材してきました。

シンガーソングライター・玉城ちはるさんによる講演会とミニライブ「命の参観日」玉城さんは、父親が自殺で他界したという自死遺族。そして「ホストマザー」として、様々な理由でお父さんお母さんと暮らせない日本・中国・韓国の子供達、10年間で36人と共同生活をしてきました。そんな玉城さんの「命の参観日」は元々、全国の学校で行っているものですが、それを始めた理由について、このように話しています。

玉城ちはるさん
子供達が死んでしまいたいと思う要因の一つにいじめがあります。そのいじめの要因のさらにひとつには「あの子へんよね、あの子おかしい。無視をする排除する、そういったいじめということも多くあります。なので私は、我が家ではどうやって自分とは違う人を排除することなくひとつ屋根の下で一つ教室で、一つの地域でどう共に生きてきたか、どう共に生きていくか。そこを元に命の参観日という講演を全国各地の子どもたちにしています。

講演で玉城さんはまず、「異文化、自分とは違う人が持つ文化と聞いて何を思い浮かべますか」と観客に問いかけ、玉城さんは、食に関する文化を例に中国人の男の子との共同生活のエピソードを話しました。玉城さんが作った料理を必ず残した彼にしびれを切らし、ある日「食べきらないと失礼だ」と感情的に彼を責めてしまいます。すると、中国人の彼はこう返しました。「ママは中国のことを何も知らない。中国人は全部食べきることが失礼に当たるんだ」と。玉城さんは、自分が持っている価値観だけが絶対に正しいと思い込んで彼を責めてしまったことを悔やみ、相手を嫌いになる前に、対話が必要なんだと、講演を通じて伝えています。

「なんで私だけ」と恨むのではなく、周囲に相談を

そして、36人の子供のホストマザーになったことは、父親を自殺で亡くした玉城さんに変化を与えたと、このように話しています。

玉城ちはるさん
私自身も父を自殺という形でなくして学校には行けませんでした。明るく振る舞っても本当は家でお父さんが心の病になって自殺未遂を繰り返している。それを本当は言いたいけど誰かに言って変な人変な家と思われたらどうしようと思うと言えなくて。だから若い時は少し恨んでいました。なんで近所の人は誰も助けてくれんのんじゃろう。なんで私だけ学校に行けないの。だけど36人のお母さんになって私は大きく変わりました。誰かの役に立つようになって自分の中で自己肯定感というものが生まれました。だから世の中も信じられるようになったし自分も信じられるようになったし。しんどいって言ったらすぐみんなが助けてくれる。だから子供達にも言うんです「口にせんといけんよ。あんたがしんどいかどうか、ほんと分からんのよ。

 例えば身近な家族や友人でももちろん構いませんし、相談用の電話やメールも活用できます。今回江戸川区のイベントではハンカチ型のリーフレットが配られました。裏面には、いろんな悩み毎の連絡先が書いてあり、それぞれの問題の専門家に悩みを伝えられるようになっています。

おせっかいでも、寄り添える人に

最後に玉城さんに、自死遺族の当事者として、今後も「命の参観日」を通じて伝えたいことを聞きました。

玉城ちはるさん
私も、父が亡くなった時に本当はもっと寄り添ってもらえたら。できれば介入、あまり人様の家の事に関わらない方がいいって奥ゆかしく思ってくれるのが日本のいいところなんだけれども、もちろんその方がいい時もあるけど、でももうちょっと私はおせっかいでも関わって欲しいなって思ってたからなんかこう寄り添えるような同じ思いをしてる人がいるんだったらズカズカとおせっかいおばちゃんとして寄り添っていけたらいいなっていうのはあります

玉城さんは、命の参観日などの活動を通じて知り合った子供達およそ2000人とLINEでつながり、直接的な相談から日常会話まで、やりとりをしています。また江戸川区では、自殺に対する正しい知識を持ち、身近な人の悩みや不安に気付き、必要に応じて適切な相談窓口につなぐ『ゲートキーパー』(江戸川区では「いのち見守り隊」と呼んでいるそうですが)その養成講座を行っていて、区の職員は全員受講を目標としているそうです。このように、「おせっかいでも寄り添える人達」が増えることも自殺の減少につながるのではないかと思います。

(担当:中村友美)