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帯状疱疹に新しい治療薬。そして広がる予防法

森本毅郎 スタンバイ!

帯状疱疹は、皮膚に、痛みを伴って、赤い水ぶくれ=疱疹が帯状に現れる皮膚の病気です。早めに対処しないと重症化して、痛みがずっと残ってしまう恐れもある病気です。

そんな帯状疱疹については、近年、新たな薬も登場し、治療が進化しています。

そこで、9月23日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、帯状疱疹の治療や予防方法などについてお伝えしました。

★帯状疱疹とは

まず、おび状に赤い発疹が出る帯状疱疹についてですが、辛いのは、その「痛み」です。

痛みは千差万別で、中には痛みでなく「かゆい」「しびれる」と表現する人もいます。

しかし、多くの患者さんは、「痛みで眠れない」、「衣類が触れるだけで痛い」 など「激しい痛み」に襲われ、日常生活にも大きな影響が出ることがあります。

★帯状疱疹の原因は?

その原因は、水痘(すいとう)ウイルスです。

水痘とは、一般的には「水ぼうそう」と呼ばれています。水ぼうそうは多くの人が5歳ごろまでに一度は、感染しています。

問題は、水ぼうそうを発症して、それが治っても、ウイルスのすべてが死滅したわけではないということです。生き残った一部のウイルスは、その後、体の中に潜伏し続けているのです。

このウイルスに対する免疫力が落ちると、体の中に潜んでいた水ぼうそうのウイルスが活動を再開し、帯状疱疹を発症することになるわけです。

★帯状疱疹の発症年齢は?

そんな帯状疱疹の発症を年代別にみると、高齢者の頻度がグンと高い傾向にあります。発症する人の7割の人は50代以上の人です。具体的には、50代から90代が多いのですが、特に発症頻度のピークとなるのは60代、70代、80代です。人生100年時代とあって50歳以上の人が多くなっているからです。

★帯状疱疹の症状は?

帯状疱疹の症状は、まずはピリピリしたかゆみや、激しい痛みを自覚します。自覚するその痛みは人によって異なります。

顔面の帯状疱疹では、角膜炎や結膜炎。まれに耳鳴りや難聴、顔面神経麻痺などもあります。

そして、4、5日すると痛みを感じた皮膚に赤い斑点が帯状に神経の流れに沿って出てきます。その上に、水ぶくれが出てきて、2日後くらいには大きな水泡が出てくることになります。

このように帯状疱疹は1日から2日で大きく症状が変化します。

身体に帯状に広がった水ぶくれは、やがれ膿をもち、1週間ほどで破れて、潰瘍ができます。さらに1週間ほどでかさぶたになり、発症後3~4週間で治るという経過をたどります。

ただ、一方で、時に非常に重症化することもあります。重症化した場合は痛みも激烈で、それで入院して治療を行うことになります。

このようなケースでは、痛みが残ってしまうことがしばしばあります。それが帯状疱疹後神経痛で、痛みが長く続き、中には一生涯痛みと共存するケースもあります。

このように重症化しないためにも、早期に治療する必要があります。

★帯状疱疹の治療は?

帯状疱疹で処方されるのは、抗ウイルス薬です。飲み薬や塗り薬、点滴などの形態がありますが、飲み薬が一般的です。長くいい薬がなかったのですが、2000年にいい薬が登場し、治療が大きく進化しました。

帯状疱疹の薬は「○○シクロビル」という名前が多いのですが・・・

2000年に登場した薬は「ア シクロビル」、そして「バラ シクロビル」です。これらの薬は、水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えるはたらきがあります。

さらに、2008年には「ファム シクロビル」という抗ウイルス薬も発売されました。バラシクロビルと共に、帯状疱疹治療の第一選択薬として推奨されています。

ただ、これら「○○シクロビル」は、腎臓に影響があるため、加齢や病気で、腎機能が低下している場合には、量を減らす必要がありました。量を減らすと、当然、薬の効果が落ちるので、そこがデメリットでした。

★帯状疱疹の新薬登場!

そこで、2017年に登場したのが、「アメナメビル」という薬です。

アメナメビルはアシクロビルなどの「○○シクロビル」とは異なった作用でウイルスの増殖を抑える薬で、帯状疱疹を発症した患者さんが、腎機能が低下していても、薬の量を減らす必要がないというメリットがあります。

また、これまでの薬は、1日3回=朝、昼、晩、飲まなければなりませんでしたが、このアメナメビルは1日1回飲むだけで、1日中抗ウイルス作用が持続しますので、患者さんの負担も軽減できます。

★帯状疱疹の予防

帯状疱疹は薬で治療できる時代になりましたが一方で、予防も進んでいます。

予防はワクチンを接種します。なぜワクチン接種なのか?それは子供の水ぼうそうとの関連が指摘されています。

子供の水ぼうそう=小児水痘については、予防接種が2014年10月から定期接種となりました。そのワクチン接種が始まってからは水ぼうそうの患者さんが大幅に減ってきました。ただし、小児水痘ワクチンによって、患者さんが激減しましたので、そこから水痘ウイルスに大人が触れる機会が減ったのです。それによって、ウイルスを浴びて免疫をアップさせる機会が得られなくなったのです。また、家族関係も核家族化で、高齢者は高齢者だけで暮らしているのも免疫のアップ機会を、減らしているのです。

そこで高齢者へのワクチン接種することで、帯状疱疹を予防する有効性が指摘されています。

年をとってからの帯状疱疹は、思いのほか激しい痛みに苦労されることが少なくなく、高齢化が進むなか課題となってきました。帯状疱疹にならない、なっても激しい痛みのない健やかな毎日を送れるよう、50歳以上の方には帯状疱疹の予防ワクチンが2016年から摂取できるようになりました。費用は自己負担ですが、自治体によっては、公費で補助してくれているところもあります。

帯状疱疹になり易く、痛みに悩まされる60才以上の方への接種を専門医は勧めています。命の危険があったり、インフルエンザのように大流行するものではないので、予防接種についてはそれらと同じには考えにくいですが、選択肢の一つと言えそうです。

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190923080130

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