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「祝!リリース50周年〜ビートルズ『Abbey Road』ジャズカバー傑作選」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム

「祝!リリース50周年〜ビートルズ『Abbey Road』ジャズカバー傑作選」

祝!リリース50周年〜ビートルズ『Abbey Road』ジャズカバー傑作選http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20191004123400

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

【高橋芳朗】
本日はこんなテーマでお送りいたします。「祝!リリース50周年〜ビートルズ『Abbey Road』ジャズカバー傑作選」。

【ジェーン・スー】
50周年?

【高橋芳朗】
うん、50周年。『Abbey Road』は1969年9月26日のリリースです。

【ジェーン・スー】
はー、50年か。

【高橋芳朗】
先週9月27日にはリリース50周年を記念して未発表曲を大量に収めたデラックスエディションが発売になりました。これがオリコンのデイリーチャートでずっと1位なんですよ。

【ジェーン・スー】
ええーっ?

【高橋芳朗】
この調子でいくとウィークリーチャートでも1位になるかもしれませんね。本日はそんな『Abbey Road』の収録曲をカバーしたジャズシンガーの作品を紹介したいと思います。4曲聴いてもらいましょう。

まずは「You Never Give Me Your Money」から。ポール・マッカートニーが作った曲ですね。『Abbey Road』アルバム後半のメドレーの始まりの曲で、日産サニーのCMソングに使われたこともありました。「あんたは俺に金をよこさない」という歌詞は、ビートルズが立ち上げたアップルレコードの財政難を嘆いたものと言われていますね。

そして、「You Never Give Me Your Money」のジャズカバーとして紹介するのはサラ・ヴォーンのバージョンです。サラ・ヴォーンはビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドらと並ぶ女性ジャズボーカル御三家のひとり。このカバーは彼女が1981年にリリースしたビートルズのカバー集『Songs of the Beatles』の収録曲になります。忠実なカバーに見せかけてスイング調に移行していく展開もかっこいいんですけど、やっぱり最後は歌力に圧倒されますね。

M1 You Never Give Me Your Money / Sarah Vaughan

【ジェーン・スー】
始まりと終わりがほとんど別の曲じゃないですか!

【高橋芳朗】
ね。でも素敵でしょ?

【ジェーン・スー】
『Abbey Road』のジャズカバーってさ、やり方によっちゃ悪い意味で超ヤバいものになりそうじゃないですか。

【高橋芳朗】
そうね。実際にヤバいのもあるよ(笑)。

【ジェーン・スー】
こんな危険な企画をよくヨシくんやるなって思って。

【高橋芳朗】
そこはさすがに厳選に厳選を重ねましたよ。

【ジェーン・スー】
なるほど。「ビートルズのジャズカバー」っていうとすごく安直に思えるかもしれないけど、なかにはどえらいのもあるということがよくわかる曲でした。

【高橋芳朗】
ぶっちゃけ良いものの方が少ないですよ(笑)。

【ジェーン・スー】
そこまで言っちゃうか(笑)。次いきましょう!

【高橋芳朗】
2曲目は「Here Comes The Sun」。こちらはジョージ・ハリスンが作った曲ですね。

【ジェーン・スー】
うわー、泣いちゃうね。

【高橋芳朗】
『Abbey Road』のアナログレコードでいうとB面の1曲目ですね。イギリスの長い冬に辟易したジョージが春の訪れを待ち遠しく思って書いた曲になります。

この「Here Comes The Sun」のカバーは、アクティビストとしての活動でも知られるニーナ・シモンによるバージョン。彼女が1971年にリリースした、その名も『Here Comes The Sun』というアルバムに収録されています。

【ジェーン・スー】
ニーナ・シモンが歌うと「Here Comes The Sun」がまた別の意味になるわけでしょ?

【高橋芳朗】
まさに、さすが鋭い! きっとこれは「Here Comes The Sun」でジョージが願っている春の訪れを人種問題の撤廃に寄せるニーナの希望と重ね合わせているんでしょうね。ボーカルはもちろん、ニーナ自身が演奏するピアノの音色がまたチャーミングなんですよ。

M2 Here Comes The Sun / Nina Simone

【高橋芳朗】
完全にニーナ・シモン色に染め上げられた「Here Comes The Sun」でした。

【ジェーン・スー】
すごいね! ニーナ・シモン製のこのソース、素材の味がよくわからなくなるぐらいパンチのあるソースですね。

【高橋芳朗】
3曲目は「Oh! Darling」。これも「You Never Give Me Your Money」と同じくポール・マッカートニーが書いた曲で、やっぱりサニーやレパードなど車のCMソングとしてご存知の方も多いでしょう。

この「Oh! Darling」のカバーとして聴いてもらうのは、ジャズ/フュージョン界のこれまた大御所ギタリスト、ジョージ・ベンソン。

【ジェーン・スー】
すごい! 強いのばっかり持ってくるね!

【高橋芳朗】
フフフフフ、それなりに強い人じゃないと曲に負けちゃうというか。

【ジェーン・スー】
まあ、そういうことだよね。

【高橋芳朗】
ジョージ・ベンソンの「Oh Darling」は、彼が1970年にリリースした『Abbey Road』のカバー集『The Other Side of Abbey Road』に収録されています。『Abbey Road』が出たのは1969年だから、その翌年にもう『Abbey Road』をまるごとカバーしたアルバムを作っちゃったっていう。

【ジェーン・スー】
そんなことが許されるんですね。

【高橋芳朗】
『Abbey Road』がかなり早い段階で傑作の評価を確立したということなんでしょうね。ジョージ・ベンソンといえば当然ギタープレイに注目が集まることになると思うんですけど、ブルージーなボーカルも非常に味わいものがありますね。

M3 Oh! Darling / George Benson

【ジェーン・スー】
堀井さんが「すごい……」って言ったまま目を閉じて聴いていて(笑)。

【堀井美香】
いやもう芳醇でかぐわしい。かぐわしすぎて鼻が詰まる(笑)。

【ジェーン・スー】
いい言葉だね、「かぐわしすぎて鼻が詰まる」。ではグランドキャバレー高橋、最後はどんな曲でしょう?

【高橋芳朗】
締めは「Something」でいってみましょう。これは「Here Comes The Sun」に続いてジョージ・ハリスンが作った曲。フランク・シナトラが「20世紀最高のラブソング」と絶賛したエピソードが有名ですね。

そして、グランドキャバレー高橋のトリを飾っていただくのは合衆国最高のエンターテイナー、トニー・ベネットです!

【ジェーン・スー】
すごい! もはや紅白歌合戦!

【堀井美香】
大晦日のテレ東みたい(笑)。

【ジェーン・スー】
ホント、重鎮の演歌歌手が立て続けに出てくるみたいな。

【高橋芳朗】
「Something」はビートルズ作品のなかでも「Yesterday」に次いでカバーが多い曲なんですけど、重鎮シンガーがこぞって取り上げているんですよ。ジョージが絶賛してるジェームス・ブラウン版をはじめとして、フランク・シナトラ版、レイ・チャールズ版、エルヴィス・プレスリー版などが存在していて。そんななかでも個人的にはこのトニー・ベネット版が最高峰だと思っています。

【ジェーン・スー】
おおっ、心して聴きましょう。

M4 Something / Tony Bennett

Tony Bennett's "Something"

【ジェーン・スー】
ミストサウナの中でヌガーを食べているような状態(笑)。もう堀井さんがうっとりしてますよ。

【高橋芳朗】
ジョージ・ベンソンのじっくり歌い上げていく感じに対して、トニー・ベネットはぐっと軽やかですよね。

【ジェーン・スー】
うん。アーバンというか都会的だね。

【堀井美香】
トニー・ベネットというとレディ・ガガとデュエットしたときのビデオを何度見たことか……歌いながら「フッ」て笑う瞬間が最高で。

【ジェーン・スー】
すみません、堀井さんはジジ専なので。

【高橋芳朗】
「エスコートされたい!」みたいな(笑)。

【堀井美香】
そうそう、エスコートぶりがすごいのよ(笑)。

【高橋芳朗】
堀井さんが「大晦日のテレ東みたい」って言っていましたけど、これだけ重鎮が並ぶと確かに年末感ありますね。

【ジェーン・スー】
年忘れ系ですね(笑)。

【堀井美香】
素晴らしかったです。

【高橋芳朗】
うん、この手の企画はまた年の瀬にやりましょうか。ビートルズ関連情報としては、11日(金)から映画『イエスタデイ』が公開になりますね。ビートルズが存在しないパラレルワールドに紛れ込んだ、売れないシンガーソングライターの物語。ビートルズファンはもちろん、ファンタジー要素の強いラブコメディといった趣もあるのでぜひチェックしてみてください!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

9/30(月)

(11:06) Every Little Thing She Does Is Magic / The Police
(11:25) Hold Me / Fleetwood Mac
(11:36) That’s All / Genesis
(12:13) The Man / Paul McCartney & Michael Jackson
(12:52) Without You / David Bowie

10/1(火)

(11:06) Driving / Everything But The Girls
(11:37) Seaside Weekend / Isabelle Antena
(12:11) Baby You’re Mine / Basia
(12:48) Love Is The Place to Be / Workshy

10/2(水)

(11:07) My Boy Lollipop / Millie
(11:37) Wings of a Dove / Prince Buster
(12:13) You Are The One / Winston Samuels
(12:24) I Love You Truly / Lord Tanamo
(12:49) Come and Let Us Go / Laurel Aitken

10/3(木)

(11:05) Jambalaya / Fats Domino
(11:26) I Like it Like That / Chris Kenner
(11:36) Mother in Law / Ernie K-Doe
(12:17) Do-Re-Mi / Lee Dorsey
(12:51) I Did My Part / Irma Thomas

10/4(金)

(11:06) The Groove Line / Heatwave
(11:26) Do You Dance / Rose Royce
(11:36) The Pride (Disco Mix) / The Isley Brothers
(12:11) Slide / Slave