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進化する「フタ」

森本毅郎 スタンバイ!

今回は3つの新しい技術を紹介しますが、その3つに共通するのが、「フタ」。何かを閉める蓋、そのフタがすごいことになっているのです。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!10月8日(火)は、レポーターの近堂かおりが『進化する、フタ。』というテーマで取材をしました。

 

 

★リシール蓋材~お湯を入れてまた閉まるカップ麺のフタ!?

まず一つ目のすごいフタは、私もよく食べるカップラーメンのフタ。ここに新しい技術が搭載されるというお話。共同印刷株式会社 技術開発本部の眞田さゆりさんのお話です。

眞田さゆりさん
「この度【リシール蓋材】というものを開発しました。カップ麺向けに開発された蓋で、カップ麺にお湯を入れたあと、フタを軽く閉じるだけでもう勝手には開いてこない。フタが二重になっていて、はじめに開封すると上蓋があいて、下蓋の一部が残る。残った下蓋と上蓋がもう一度くっつくという構造になっています。」

カップ麺にお湯を入れたあとに、上に重しを置いたり、テープを貼ったりして待ちますよね。そのためのテープが付いているカップ麺もあります。ところが、これはそれが要らない!

【リシール蓋材(ふたざい)】という名称で(リシール=再び封じるという意味)、1回フタを開けても、お湯を入れた後、ピタっとまた閉じることができるというものです。これは地味に聞こえますが、ものすごく便利ですよね!!

なぜこんなことが可能なのか、残念ながら細かい技術は企業秘密なんですが、ポイントはフタを二重にするということで、一度目は上のフタだけを開け、2度目は上下のフタ両方をいっぺんに開けるという構造です。

お湯を入れるときは、ふちにワクが残っています

出来上がったら、ワクと上蓋をいっぺんに開けます!

現在はカップ麺メーカーなどに売り込み中。広がれば、見かけることも多くなりそうです。(待ち遠しい!)

★トーヤルロータス~ヨーグルトが付かないフタ!!

消費者からすると『おぉ!』と思う、痒いところに手が届くような技術ですが、フタの新技術その2。続いてのすごいフタはヨーグルトのフタです。開発した、東洋アルミニウム株式会社の西川 浩之さんのお話です。

西川 浩之さん
「ヨーグルトの蓋で中身のヨーグルトをはじく超撥水性の性能を持った蓋材を開発してます。ヨーグルトの蓋を開けた時に飛び散って服が汚れたり、子供が舐めたりするのでくっつかない技術を開発してほしいという依頼があった。きっかけになったのはみなさんご存知の蓮の葉です。蓮の葉の表面に水を垂らすと超撥水になるが、その撥水の技術をヨーグルトのフタに応用したのが今回の蓋になります。」

ヨーグルトのフタに、と超撥水技術。蓮の葉っぱを応用した【トーヤルロータス】という名前の技術。

蓮の葉の表面はミクロンレベルで細かい凹凸になっていて、水を弾く性質があります。その水をはじく【超撥水】を人工的に再現してヨーグルトのフタに使ったのが今回の技術。ちなみにこの技術、西川さんが東洋アルミニウムの会社の近くの蓮池を見ていてひらめいたもの。

蓮の葉の特徴を利用して、超撥水にたどり着くまでは良かったんですが、大変だったことがありました。それは、ヨーグルトのフタだとカップにはくっつけないといけないので、この撥水、つまり、フタにヨーグルトをくっつけない技術と、フタをカップにくっつける技術(シール性)を両立させること!!これが難しく開発に10年かかりました!!

すでに市販されているヨーグルト、特にフルーツヨーグルトで使われています。

本当にヨーグルトが蓋についてません!

ではヨーグルトをフタに落としてみます!

 

我々の知らないうちに進化していたんですね!!

★ヨーグルトのすごいフタで、スゴイことに!!!

みなさんもやってみると驚くと思いますが、実は、すでにこの技術に驚いて取り入れた異業種の企業があります。清水建設 技術研究所の辻埜 真人さんのお話です。

辻埜 真人さん
「もう数年前になりますが、ヨーグルトを食べていた時に、ヨーグルトがフタにつかないということを見て非常に面白い技術だと思った。自分の技術分野に何か応用、活用できないかと思いまして、コンクリートの型枠の表面に超撥水の技術を付与して、非常にキレイに型が外せる、すなわちコンクリートがキレイに仕上がるということになります。コンクリートを型枠によって美しく仕上げるという技術はこれまでほとんどなかったので新しい点かと思います。」

フタからコンクリート!!全然違う業界です。辻埜さんたち清水建設からの問い合わせを受けた東洋アルミの西川さんは

東洋アルミニウムの西川さん
「最初は間違え電話だと思いました!」

こちらは超撥水を使ったコンクリートの【アート型枠(かたわく)】というもの。コンクリートを流し込む型枠ですが、現在の建設現場ではほとんどの型枠で木が使われています。

木でもはがしにくいということはないんですが、今回、ヨーグルトのフタからヒントを得た超撥水の技術を使うとさらに外しやすくなりました。そして、より美しい見た目にすることもできました。

上が今までの型枠。下が超撥水のアート型枠。

横から見ると、水をはじいているのがよく分かりますね!水晶みたいです!

★木目調のコンクリートもより美しく!

そしてすでに、超撥水技術を使った新しい型枠は導入されています。再び清水建設の辻埜さんのお話です。

辻埜 真人さん
「特に、木の模様が出る型枠に使ってもらっています。木目調の型枠に使うとコンクリートに転写されて、コンクリートがあたかも木のような仕上がりに実現できます。コンクリートに表情を与えている。京都の祇園のホテルでは1000平米を超える規模で使っていて、20件近い現場で使ってもらって喜んでいただいています。」

すでに全国20ほどの現場で使われています。普通のコンクリート、高速道路の灰色の壁のようなコンクリートではなく、木の模様が入ったコンクリートを作ることができます。

木目調のアート型枠。これなら、型枠のリユースができるのも納得です!

辻埜さんのお話では『コンクリートに表情をつけることができる』と表現していましたが、特に今年オープンした【ホテル祇園一琳】では大きな面積で使われていて、写真を見るとビックリですが見た目はほとんど木。でもコンクリートなんです。

フタが進化することによって、コンクリートまで変わっていく。そんなお話でした。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。