お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


アメリカの銃とテロ

森本毅郎 スタンバイ!

森本毅郎・スタンバイ!ロゴ

忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」
(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)
8時からは、話題のアンテナ「日本全国8時です」
毎週火曜日は、ジャーナリスト・嶌信彦の取材手帳!

嶌信彦

なくならないアメリカの銃乱射事件

フロリダ州のナイトクラブで12日、銃乱射事件が発生しました。49人が死亡し、50人以上が重軽傷でしたが、容疑者の男は、ライフル銃や拳銃で武装。閉店間際のクラブを襲撃、人質をとって店内に立てこもりました。警察と銃撃戦となり、男は、店内で射殺されましたが、アメリカで起きた一度の銃撃事件としては過去最悪の被害となってしまいました。
犯人の出自はイスラム系と報道されています。男はフロリダ州在住の29歳ですが、男の両親はアフガニスタン出身。FBIは、男がイスラム過激思想に傾倒していた可能性を指摘し、テロとして捜査しています。

ただ、これがISの犯行かどうかは微妙な状況。IS系のメディアが「ISの同志が行った」とは報じましたが、ISの本体は犯行声明をださず、また組織的な指示があったという話はでていません。

なぜ事件は防げなかったのか・・・

気になるのは、この犯人をFBIもマークしていたのに防げなかった事。ロイターなど地元メディアは、男は2007年にフロリダ州の大学に通った後、その年の9月にイギリス大手の「民間軍事会社」に就職。そして、FBIによる2回の事情聴取に加えて、この勤務先での採用時とその後、2回にわたり素行・思想調査を実施していました。しかし、いずれも「問題なし」という結果で、結局、事前調査でも見抜けない、という難しさが浮上しています。
とうのは、こうした「一匹狼型」は対策が難しい・・・。アメリカ政府は2001年のアメリカ同時テロ以降、
過激派組織に対する通信傍受など対策を講じています。しかし、FBIは「組織的な大型テロなら未然に防ぐ手だてはあるが、単独犯の場合は不可能だ」と指摘。加えて、銃を比較的容易に入手できるアメリカの国内事情も、テロの温床となっていて、今後の課題が浮上した形です。

テロ社会になっている今、これでいいのかどうか

これは、「テロの問題」と、「銃社会の問題」2つ考えないといけない。

「テロの問題」では、ISなど過激派の問題もあるが、それに伴う、貧困や格差、そこが過激派に走る原因になっていることも忘れてはいけない。そして、ヨーロッパで起きているイスラム過激派とされる人たちの多くは「移民」で、ヨーロッパに溶け込もうとしても溶けきれずに、こうした事態が起きてしまっている。今回のアメリカのフロリダの事件でも、その移民というところは無視できない。「イスラムだから」ということではなくて、「格差があるから」と考えたほうがいい。ISという組織が動かなくても、ネットなどで感化され、個人が動く可能性。

そして、もうひとつの問題は「銃社会」。非常に、アメリカでは事件が多い。アメリカで、多数の死者を出した銃撃事件。情報サイト「銃暴力アーカイブ」によると、アメリカでは、4人以上が死傷した銃乱射は、今年だけで、136件もある。また、ワシントン・ポストの集計によると、アメリカの人口(3億1000万人)を上回る3億5700万丁の銃を民間が持つ。繰り返し議論されるが、この銃規制をどうするか。

銃規制問題はオバマ大統領だけでなく、次期大統領選挙の争点に

オバマ大統領は常々、銃規制について主張している。今年に入ってからすぐ、ホワイトハウスからのテレビ演説で、議会の承認を必要としない大統領令による新たな銃規制強化策を発表した。また、銃支持派の候補者に投票しないよう国民に呼び掛けた。新たな規制では、オンラインや展示会などで、銃を販売する業者にも免許取得を義務付けるほか、銃購入希望者の身元調査を拡大するという。

では、次の大統領はどうするのか?トランプさんとクリントンさんでは銃規制で論争すれちがう。民主党のクリントン氏は、オバマ大統領同様に銃規制を強化する方針。一方の共和党トランプさんは、今回の事件後の声明で
「銃規制ではなく」、イスラム教徒の入国禁止の必要性を強調した。

しかし、銃規制の強化は容易ではない。法改正を連邦議会に求めるオバマさんに対して、上下両院の過半数を占める野党・共和党が立ちはだかってきた。豊富な資金力と政治力をもち、規制に反対するロビー団体=「全米ライフル協会」も共和党を支えている。はたしてどうなるのか、この問題が解決しないかぎり、アメリカの事件は、なかなか終息しない・・・

 


TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」は月~金6:30-8:30放送中。
AM954kHz、FM90.5MHz。
パソコンやスマートフォンでは「 radiko 」でもお聞きいただけます!
番組へのメールは→ stand-by@tbs.co.jp