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阪神淡路大震災はまだ続いている。復興住宅の高齢化という課題

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

阪神淡路大震災はまだ続いている。復興住宅の高齢化という課題

崎山記者が取材したのは震災復興住宅の「高齢化」です。
地震で住む家を失い、自力で再建が難しい被災者は避難所から仮設住宅を経て、新しい復興住宅に移りました。そして20年近くたちましたが、兵庫県によると、県内の復興住宅に住むおよそ3万5千人の高齢化率は50%を越え、その半数以上が一人暮らしだということです。
これでは、住民だけで暮らしを支えあえない、コミュニティが成り立たない状況です。

崎山記者は神戸市須磨区の市営「新大池東住宅」を訪ねました。
12階建てで、180所帯が住むこの住宅では、NPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」が月、水、金の10時から15時、集会室で、「ふれあい喫茶」を開いています。
10時に開くと、30ほどの席は次々埋まっていきます。コーヒーやお茶、お菓子などを食べながら、たわいもない話や、近くの店の情報交換、震災当時の話、健康のためにやってること、などなど話ははずみます。
だいたい座る席が決まっているようで、女性陣の席に混ぜてもらいましたら、そこにいつも座る人、最近病気で来れないの、と気遣う声があがりました。

月、水、金の「ふれあい喫茶」が生活のリズムになっていて、 病院に行くとか用事はみなさん火とか木に済ませるそうです。 顔を見せなかったら、誰かが様子を聞きに行ったり、身体を悪くしたら、ちょっと買い物を手伝ったり。近所づきあいをつなぐだけでなく、高齢者の「見守り」の役目の一端も担っています。

「ふれあい喫茶」は今年で11年。
ずっとボランティアでスタッフを務めてきた小川秀子さんは
「日々の生活の流れの中で、それに沿った見守りというか、そういうのは、これをやっていることでできてきたのではないでしょうか。形にはめられたものではなくて、必要に応じて、いろんな人が判断して、いま何をしてあげたらいいか判断して、助け合っていく。この10年、そういうところが大きいかな」と話します。
ヘルパーや民生委員、自治会だけでは見逃すところ、ちょっとした隙間をボランティアが埋めているようです。

ただ、「新大池東住宅」も高齢化は進んでいます。所帯主の平均年齢は70歳を越え、一人暮らしはおよそ100所帯。自治会は維持していますが、管理人はおらず、民生委員も最近、定年でいなくなりました。
以前、管理人をしていた村川正徳さんは
「震災で経験してますでしょ。仮設ができた時、高齢者、障害者を優先した。ところが、自治会もできない。面倒見る人もおらんで困った。孤独死がぎょうさん出た。神戸市も苦い経験しているんですよ。現状は一緒なんですよ。それをわかってくれないのかと思って。外見から見るとね、復興して街もようなって。だけど、ほんまに現状を見ると、住民はものすごい不安を持ってますよ」と話します。

2000年以降、兵庫県内の復興住宅では「孤独死」が864人。
見守りだけでなく、高齢化率が80%を越えたため、自治会が消滅したり、共有空間の掃除やごみの分別などを外部に委託したため、共益費があがり、年金暮らしには負担になる住宅もあります。
村川さんは「若者を住まわせられないのか」と市に掛け合ったそうですが、現状は進展していません。
住民だけの助け合いだけでは成り立たなくなりつある復興住宅の暮らしを行政やボランティア、地域住民など少しでも接点のある人が重なりあって支える方向性を見出さなければなりません。

そして、これは、首都圏など高齢化の進む都市の将来の姿でもある、ということです。

担当:崎山敏也

<関連情報・お問い合わせ先>
NPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」
http://www.hks-sien-net.com/