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世界的にも多すぎる! 日本の祝日と働き方を考える。

森本毅郎 スタンバイ!

ロゴ(小)

11月は「敬老の日」と「秋分の日」、2つの祝日があり、世間的には「シルバーウィーク」と呼ばれる大型連休の方もいたはず。そんな祝日について、視点によっては、多すぎる!という声もあります。そこで、祝日と働き方について。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「日本全国8時です」でジャーナリスト・嶌信彦さんが、解説しました。

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★そもそも日本の祝日は世界でも多い!

今年は「改正祝日法」が成立して初めて、「8月11日」が「山の日」として制定された年。これによって、年間の日本の祝日の数は「16日」となった。この「山の日」ができたことで、「祝日がない月」は唯一「6月」だけとなった。これだけ祝日が多い国は、実は、先進国では日本が最多となっている。(ドイツ・フランス=10日、イタリア=9日、イギリス=8日)

なぜこんなに祝日が増えたのか?かつては日本人の働き過ぎが経済摩擦の要因となったことが大きい。欧米が年間1800時間の労働時間だった1980年代、日本は、2200時間ぐらいの労働時間で世界でもダントツで多かった。しかも、サービス残業で残業代もないケースが多かったため、欧米からは不公正な競争でコストを安くし「安値輸出だ!」と叩かれた。そこで、バブル直前の高度成長期は働き過ぎで日本全体が疲れていたから、休日を増やすことは大歓迎の空気・ムードがあったのでどんどん祝日が増加。しかし、それもバブル崩壊と同時に、稼げなくなってきた時代に突入。この頃から、改めて「働き方」を考える風土が出てきた。そして、いま、ようやく、政府も真剣に「働き方」を考えるようになった

 

★安倍総理は所信表明でも「働き方改革」を主張

安倍総理は、臨時国会の所信表明で「1億総活躍の大きな鍵は、働き方改革(…)労働制度の大胆な改革を進めます。」とした上で、「同一労働同一賃金を実現します。(…)『非正規』という言葉をこの国から一掃しようではありませんか」と強調しました。

ただ、ぼくは、「働き方」を考えることとして一番大事なのは、先進国最多の「日本の祝日が多すぎる」ことだと思う。

 

★誰もが祝日を喜んではいない

働き盛りの頃やサラリーマンにとっては休日の増加は嬉しいと思うが、現代の中小・零細企業やシニア、主婦層にとってはどうなのだろうか。先日、ある零細企業の経営主と話していたら「こう休みが多くては商売あがったりだ」と嘆いていた。休日、祝日は店を閉じることが多いから客数が減ってしまうという。とりわけ近頃は「ハッピーマンデー」として、休日をくっつけて、二連休、三連休にしてしまうから、それだけで商売の日数が減ってしまい、売上げも落ちてしまうらしい。

とくに祝日が多くて困る人たちは「非正規労働者」ではないだろうか。今年の統計では非正規労働者の割合がかつての3割から4割に増えている。ここで言う「非正規」とは「パート・アルバイト・派遣社員」など「時給計算」、「働いた日数」に応じて給料が決まる人がメインになるが・・・

休みが増えることはそれだけ労働時間収入が減ることを意味する。月給制の労働者にとっては楽しみな祝日が、
時給制(もしくは日給制)の労働者にとっては苦痛にもなる。

★具体策は2つ

1つは「テレワーク・在宅勤務の促進」。例えば、祝日が法律上、すぐになくすことができないなら、休みに関係なく、在宅勤務ができるような環境づくりを考える。

例えば、「テレワーク人口実態調査」の2015年度版における先行導入企業のヒアリング結果をみると、「日本マイクロソフト」「カルビー」「中外製薬」「日本航空」「明治安田生命」「佐賀県庁」などさまざまな企業や自治体が導入している。しかし、在宅勤務とは言っても、できるもの、できないものもあり、実態は、現在400~500万人といわれるテレワーク人口は増えていない。

そこで、2つめの考え方としては「祝日」をとことん減らして、「有給休暇」をとりやすい環境を社会全体でつくる。有給休暇は、正規・非正規関係なく、平等で取得できるようにする。こんな事例がある。フランスやドイツなどは、大型連休が地域別に分散している。フランスは学校の休みを地域ごとに分けている。親は、それにあわせて「有給休暇」をとるのが常識。有給休暇は進むし、不必要な日は休まず働く人もいる。そうすると、祝日は全体的に少なくできる上に、もうひとつメリットも。地域別に休みが分散されると、観光地の混雑も減少し、渋滞も減る。そして、交通機関のマヒもなくなり、比較的のんびり休むことができる。

観光業界は祝日に極端に忙しくなり、平日にヒマという状況がなく、安定的な収入として観光業界は潤う。また働く人も休みたいときに、疲れることが少なくなりのんびりできる。そして、全体的に祝日が少なくなれば、非正規労働者の中でも喜ぶ人がでる。祝日のように、国全体が強制的に休む日を増やせば、それ以外の日に有給休暇をとりづらい文化も出てしまう。そうでなくて、もともと休むときには「有給休暇」をとって休む。こうすることで、休むときも給料が出れば、給与減少は緩和される。そうした中でも、国全体で祝日をとるという文化もあっていい。

 

TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」は月~金6:30-8:30放送中。
AM954kHz、FM90.5MHz。
パソコンやスマートフォンでは「 radiko 」でもお聞きいただけます!
番組へのメールは→ stand-by@tbs.co.jp