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誰でもなる可能性がある「高次脳機能障害」を知っていますか?

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・『高次脳機能障害』についてです。

『高次脳機能障害』

今回は、「高次脳機能障害」についてです。
この番組でも過去に何度か取り上げたことがありますが、高次脳機能障害とは簡単に言うと「何らかの原因で脳に傷がついてしまうことで起こる障害」です。脳のどこを傷つけたかで症状は様々なのでどういう障害かは人それぞれ違います。多いのは、物忘れが激しかったり、集中力が続かないなどです。
この高次脳機能障害を広く知ってもらうために、先日「高次脳機能障害と心の唄」というイベントが目黒区総合庁舎で行われました。

▲「高次脳機能障害と心の唄」イベントの様子

▲「高次脳機能障害と心の唄」イベントの様子


このイベントを行っていた目黒区の高次脳機能障害者 家族会の濵出昌子さんの話です。

濵出昌子さん
国では2006年から支援普及事業が始まったんですけど、それから10年経つわけですよね、それでも東京都には推定5万人もの高次脳機能障害者がいるのに地域で顔が全然見えてこないんです。家族会を5、6年やっていても見えてくるのは100人にも満たない。今回、一般の市民の方にも知っていただこうと5千枚チラシを刷ったんですね、コツコツと商店街を歩いたんですけど本当に難しいですね。色々な障害の方がいらっしゃるのでその中の1つかって思われてしまうんです。

濵出さんは娘さんが高次脳機能障害で物忘れが激しいそうです。
誰でもなりうるのに認知度は上がらない、そこで品川区の家族会が呼びかけて目黒区・品川区・大田区の3つの区で力を合わせて広めようと活動しています。今回のイベントでは歌以外に当事者による座談会が行われました。イベントで司会も務めた高次脳機能障害の当事者 根本佳奈さんです。

根本佳奈さん
診断を受けた時、名前が複雑なんでよくわかんなかったんで、何?って感じでした。物忘れがとにかく激しかったですね、例えば歯を磨いている時に歯ブラシを一旦置いてちょっとどこか行って戻ってきて、どこに置いたっけ?ってそういうところから始まりました。今は何でも紙に書いて行うようにしています。

根本さんは9年前に突然けいれん発作を起こして意識を失い、その時に低酸素脳症で脳を傷つけたことで障害が残りました。そしてもう1人、荒井隆浩さんです。

荒井隆浩さん
一番最初は全然自分でわかってないんです、バイクで事故して目覚めたら1ヶ月後の病院だったんで。僕が一番出ているのは感情のコントロールがひどいですね。おばあちゃんに席を譲らないとか歩きタバコしてるとか、そういう人を見ると許せなくなっちゃうんです。過度の正義感って言うらしいんですけど、正直忘れ物とかはメモとったり何とかなるんですが、感情のコントロールだけはメモとろうが何してもどうにもならないんです。その瞬間頭の中が真っ白になって自分で覚えてないんですよ、今本当に困っているところです。

お二人の話を聞くだけでも症状が全く違うことがわかります。脳を内側から傷つけたのと、事故で外側から強く衝撃を与えてしまったのと、原因も違います。高次脳機能障害は見た目でわからない「見えない障害」と言われていて、入院中には気が付かない人が多いんです。退院して日常生活を送る中で初めて「あれ?」と気が付く人がほとんどです。その結果、今まで出来ていた当たり前のことが出来ない、続けていた仕事も出来なくなって辞めることになってしまうんです。このことについて家族会の濵出さんはこう話します。

濵出昌子さん
私の娘は13年前に多発性硬化症という神経難病から高次脳機能障害になって、病気の方が先で高次脳機能障害だって辿り着くのに5年かかったんです。大体変な人って思われちゃうんです、表面は変わらないので昔と。そこを家族じゃない赤の他人にどうわかってもらうんだってところが問題。みんな働きたい、仕事したいです!ただ頭の中では傷が出来ているわけですから昔のようにはいかないわけです。

広く知られていないことで仕事への影響、生活もままならないわけです。そこで障害を知ってもらい、仕事へ復帰出来るように働きかけも始めています。実際に周りの支えもあって復職した人もいます。出勤途中に交通事故にあい高次脳機能障害になった男性に話を聞きました。

男性
今の自分に出来ることを会社の方が選んでくれて私にやらせてくれてるので、当然勤務時間も今までより短いですし。自分が働いていれば皆さんと同じように元気になれるので。

この男性は元々は営業職だったのですが、今は書類作りなど出来る範囲の事務作業をしています。今まで通りとはいかなくても出来ることもあります。一緒に社会で生活していけるように、今後も当事者と家族で活動を続けていきたいと濵出さんは話していました。高次脳機能障害は誰でもなる可能性があります。まずそれを知って、社会全体が受け入れ体制を作っていけることが一番だと思いました。

(担当:楠葉絵美)