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「手話ラウンジ きみのて」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・「手話ラウンジ きみのて」

ドア

「手話」のできる女性が働いているラウンジ

上野の近く、文京区湯島に「手話ラウンジ きみのて」という店があります。手話ラウンジというのは、手話、手を使って話す「手話」のできる女性が働いているラウンジで、聴覚にハンデのあるお客さんが来やすいお店です。ろう者や難聴の人たちに限ったお店ではなく、成人なら誰でも入ってお酒を飲んだり、店員と話を楽しめます。先日、開店から6周年を迎えました。

開店のきっかけは・・・・

オーナーの佐藤育夫さん
「ウチは女の子のいる普通のガールズバーなんですけど、一番のコミュニケーション手段が手話だということが特徴でしょうか。昔、菅野美穂が出ている「君の手がささやいている」っていうドラマがあって、あれを見たときから手話をつかってる女の子が可愛いなと思っていて、こういうお店があってもいいな、働いてくれる女性ももしかしたらいるんじゃないか、需要もあるんじゃないかって思って資金集めして開いちゃったんですね」

現在、女性スタッフは6人いて、ろう者と健聴者が半々、全員手話ができます。健聴者のスタッフとは声で会話することもできます。店のチーママのしょうこさんは健聴者で、店で働きながら、手話を覚えていった女性スタッフです。お店に入るきっかけを聞きました

チーママのしょうこさん
「もともと私は踊りとダンスとか表現活動をしていて、どうやったら伝わるんだろうと考えた時期に手話を使ってパフォーマンスををしている耳の聞こえない人たちに出会って、手話を始めてみて伝える力がすごいなと。目で見る言葉っていうか、表現力っていう意味で手話を勉強しようと思ってネットで調べていたら、ここが見つかったんです。」

しょうこさんは6年、ここで働いています。「きみのて」の女性スタッフは長く働いている女性が多いのが特徴です。彼女は手話の勉強とアルバイトを両方の目的で働いています。ろう者の女性スタッフたちは、飲食業や接客業に興味があって、こういう店で働いてみたかったという動機が多いようです。彼女たちによれば、ろう者は飲食店、お酒を出す店などで働きにくい状況があって、「きみのて」のような店を探していたのだと話していました。

店内

「健聴者」と同じ待遇で

もちろん夜の仕事なので障がい者を雇用することに批判的な声もあるそうですが、佐藤オーナーは「きみのて」のような店があることで、ろう者の仕事の選択肢が増えるのでは、と言っていました。また佐藤オーナーの方針として、ろう者と健聴者の給料を同じに設定していて、店の中では健聴者もろう者も同じ待遇で仕事をしています。それについて、ろう者のスタッフは「障害者と健聴者の区別がなく働けるのは事例としては珍しく、とてもありがたい、やりがいを感じる」と言っていました。

お客さんはろう者が7割、健聴者が3割ぐらいの割合で、健聴者のお客さんも、手話のできる方が多いです。僕はまったく手話が出ないのですが、そういうお客さんのためにお店にはコミュニケーションボードという筆談用の器具が置いてあります。これで筆談したり、発声のできるろう者のスタッフは、書いたものを見て、声で答えてくれるというやりとりになります。僕もそうだったのですが、ろう者と接点の少ない健聴者のお客さんには新鮮な経験だと思います。
  

コミュニケーションボード

また「きみのて」に行くと、手話に対する興味が強くなります。手話のできる常連さんに教えてもらったりして、少しずつ手話が覚えられます。親戚のろう者と会話したいことがきっかけで手話を勉要したという常連のお客さんに話を聞きました。    

お客さんの声
「自分の姪、妹の娘がろう者なんですけど、将来、手話で会話ができたらいいなと。初めて来たのは4年前なんですけど、生の手話に触れられる良さがあります。酔ってくると、せっかく憶えても忘れちゃったり(笑)だから最初はノートにメモしたり今度はノートにメモしていると、なかなか酔えなかったりします」

このお客さんは司法書士で、今は「手話ができる司法書士」という肩書きで仕事をしている。「飲みながら女性スタッフと接して手話が上達した」と言っていました。もう一人、店のオープンから6年間ずっと通ってらっしゃるろう者の常連さんに「きみのて」のどんなところが良いかを聞きました。この方とは筆談で質問して、手話の回答をさきほどのチーママ、しょうこさんに通訳してもらいました。

お客さんの声
「6年前、友達から「きみのて」がオープンしたよって(インターネットの)リンクが送られてきていいな、行きたいなと思ったのがきっかけです。前にふつうのスナックに行った事があるんですけど、ろう者だと筆談ばかりになっちゃってフラストレーションがあったんですけど、手話で話すことができて、楽しい機会が増えました。」

コミュニケーションの活発化にも効果的?

もちろん飲みすぎは良くないですが、少しお酒が入ると初対面どうしでも壁がなくなりすぐに仲良くなれた、ということもありますよね。だからこうした手話ラウンジは、ろう者と健聴者のコミュニケーションを活発化するのに案外、貢献しているのではないかと感じました。また先ほどの手話のできる司法書士さんのように、ろう者にとって必要な情報を交換できる場としても機能しています。

「手話ラウンジ きみのて」はJR上野、御徒町、東京メトロ千代田線湯島駅から5分ぐらい。パソコン、スマートホンなどで「手話ラウンジ」で検索すればホームページが見られます。

手話ラウンジ きみのて
〒113-0034 文京区湯島3-44-9湯島要ビルB1
TEL・FAX :03-3831-8150

(担当:藤木TDC)