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DJ松永(Creepy Nuts)
「僕がこの番組をやること自体が “ACTION”」

新番組「ACTION」全パーソナリティ・ロングインタビュー
水曜パーソナリティ:DJ松永(Creepy Nuts)


1MC&1DJのヒップホップユニット:Creepy NutsのDJとして活躍するDJ松永氏が「ACTION」の水曜パーソナリティに。28歳という、今回の新パーソナリティ陣では最年少の彼が起こす「ACTION」とは。

(取材・文)高木”JET”晋一郎
(撮影)中村彰男



ラジオは辛い日常のシェルターになってくれた

── 今回、DJ松永さんはユニットではなく、単独でのパーソナリティとなりますね。

ユニットの相方であるラッパーのR-指定とは、一緒に火曜日深夜3時からの「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」(ニッポン放送)のパーソナリティをさせて頂いてるんですが、「ACTION」では夕方二時間生放送のパーソナリティですからね……よく僕みたいなもんに「デイ・キャッチ!」という長寿番組の後継番組のパーソナリティを任せようという発想が出てきましたね、TBSラジオは(笑)。TBSラジオって、放送枠が24時間鉄壁の布陣だって言うじゃないですか。だけどついに水曜日の15時30分から17時30分に「穴」が生まれましたよ!他局の皆さん、攻め込むならここです!

── ……所信表明記事なのでいきなりネガティヴは止めて頂けますか(笑)? 松永さんは代官山にあった洒落たクラブでDJをやっていた時に、自分の出番以外の時間は、ラジオを聴きながら、代官山を徘徊して時間を潰していたという事もあったぐらい、ラジオのヘビーリスナーと伺っています。

DJとして名前を上げるために新潟から東京に出てきて、有名なクラブでレギュラーのお仕事を貰ったんですけど、代官山のお洒落なクラブという場所と自分とのギャップに心がやられてしまって、その場から逃げ出し、ラジオを聴きながら代官山の高級住宅地をずっと徘徊していました。お金も無いし、周りに認められないし、そんな自分が情けないし。非常に精神的にも荒んでましたね。ラジオはそういう辛い日常のシェルターになってくれたんですよ。でもそれはその当時に限らず、学生時代からずっとですね。ずっと助けてくれている。いまもラジオを取り上げられたら立っていられないと思いますよ。

── 精神衛生上必要だと(笑)。ラジオを聴き始めたのは?

自分から積極的に聴くようになったのは中学二年生。TOKYO FMでやってた「WANTED!月曜日RHYMESTER」と「WANTED!火曜日バナナマン」ですね。特にRHYMESTERのラジオは、自分がヒップホップを聴き始めたタイミングと一緒だったんですよ。ヒップホップって、アーティスト自身のパーソナリティが見えると、よりその人の音楽に説得力が生まれたり、好きになることが多いんですね。だからRHYMESTERのおじさん三人の和気藹々としたトークや、番組で流れる自分の知らないヒップホップやそこへの深い洞察を通して、RHYMESTERに夢中になっていって。そのRHYMESTERの宇多丸さんと同じTBSラジオでパーソナリティをするとは……感慨深いですね。やっぱり、AM局でヒップホップの人がパーソナリティを出来るようになったのは、宇多丸さんが敷いてくれた道があったからだと思うので。深夜ラジオっていう子供は起きてはいけない時間に起きてる事にも、スゴく中2心をくすぐられて、他の局も聴くようになりましたね。

── 例えばどんな番組ですか?

「WANTED!」が終了してバナナマンが移行したタイミングから「JUNK」を聴いたり、「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」(JFN系列)を聴いたり、色々な番組をツマミ食いする期間がありました。ですが、自分の人生にとって一番大きく影響を与えたのは「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)。始まった最初の辺りは、若林さんが社会で感じる葛藤や悩み、怒りを、切実に生々しくお話しされてたんてす。俺はそれを聴いて、自分と同じ様な思いを抱えている人がいる事実に救われ、それを話す事で人々を楽しませるエンターテイメントにもなるんだという事実に希望を持ちました。更には、その悩みから解放されたり、怒れなくなったりしたら、その事も包み隠さずお話しするんです。仮面を被って共感を得ようとしたり、味方のフリをして得をしようともしない、その誠実な姿勢に胸を打たれるんです。面白くて、リアルで、格好いい。他局の話ばかりで本当に申し訳ないんですけど(笑)。



深夜と夕方では勝手が全く違うので一から勉強させて頂く

── 「Creepy NutsのANN」は深夜、「ACTION」は夕方と、時間帯は大幅に変わりますね。

深夜と夕方では勝手が全く違うと思うので、今まで培って来たものは一旦置いておき、一から勉強させて頂こうという気持ちです。そもそも深夜番組は時間帯もあって、リスナー側がふるいにかけられるし、一つの番組を聴く事にモチベーションが高い人が多いと思うんです。一方で夕方は、流し聴きでたまたま辿り着く人も多いでしょうから、やり方はかなり変わってくるかなと。最近は安住紳一郎さんの「日曜天国」を聴かせて頂いているのですが、本当に面白い。朝の情報番組、アナウンサーという、一番バランスを取らないといけない立場。もちろん基本的にすごくしっかり番組を進行されるのですが、そんなちょっと緊張感のある環境下での、安住さんの人間味がポロポロと溢れるお喋りは、本当に面白い。どの環境下で誰が何を言うかによって、リスナーを楽しませられる話題も言葉選びも全く違うんだなと勉強になります。そもそも安住さんは異常にお話が上手な上に、とてつもなく博学でいらっしゃるので、逆立ちしても真似は出来ませんが。

── リスナー層も変わると思いますが、その部分についてはどう思われますか?

「デイ・キャッチ!」は長寿番組なので、リスナーはかなり大人の方が多いと思うし、内容的にも政治や時事を斬る事を求めてるリスナーの方が多いと思うんですね。その後釜に「20代のヒップホップDJ」……もう一番対極では(笑)。荒川強啓さんと僕の年齢やキャリアの違いからして、仮に同じ発言をしても説得力が全く違う。無理に政治の話をしたり、これまでのカラーは意識してもそこには敵わないので、自分の出来ることを全うしていくしか無いなと思ってますね。だから「デイ・キャッチ!」を聴かれてた方には、もう「若造がでしゃばってすみません!」……いや「すいやせん!」っていう気持ちを伝え続けようかなと。そして先輩リスナーに「頭を下げられる、気持ちの良い青年じゃないか!」「なんだなんだ、ヒップホップだけど可愛いじゃないか」と愛して頂ければと(笑)。

── 後輩キャラとして(笑)。ちなみに、最近チャレンジされた松永さんの“ACTION”とは?

「ちゃんとハキハキ挨拶する」「おどおどしない」っていうのは最近のチャレンジですね。

── チャレンジというか、心構え……(笑)

僕も相方のR-指定もかなりのコミュニケーション的な能力に難ありで、初対面の人に会うと顔がガチガチになっちゃうんですよ。でも、お互いにそれだとヤバいので、もうちょっと愛想良くしたり、社交が出来るようににならないとなって。それはお互いに話し合いました、最近(笑)。



水曜日は幸坂さんを僕が接待してあげる日に

── アシスタントの幸坂理加さんとは初対面ですよね。

なので緊張してます(笑)。「ACTION」のパーソナリティ陣を考えると、アシスタントの方が一番大変だと思うんですよ。単純に労力も多いし、個性の強いパーソナリティを日替わりでサポートするわけじゃないですか。だから、パーソナリティに合ったアシストの仕方を考えられるんだろうし、一番バランスを考えないといけないポジションだと思うんですよね。そう考えるとスゴく大変そうなので、水曜日は幸坂さんを僕が接待してあげる日にしようかなって。「空調寒くないですか?」「台本に漢字多すぎないですか?」とか。万が一台本をを噛んだとしても、「ナイスファイト!」や「これが人間味!」などと、随時励まします。成功のハードルが極端に低い、優しい世界を作り上げます。そして、それを引き換えに僕の不出来も見逃して欲しい。交換条件です。

── 気になるパーソナリティはいますか?

……でも、一人が気になるっていうと、他の人は気にならないのかい、って話になりません?

── それは自意識過剰ですよ!(笑)

そうですかね(笑)?みなさん見事にキャリアも経験も実績も年齢も上ですからね……。尾崎世界観さんはミュージシャンとしてもキャリアは先輩だし、小説やカルチャー的なアプローチもされていて。宮藤官九郎さんはもう言わずもがなですが、「宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD」(ニッポン放送)も含めてラジオの先輩でもあって。羽田圭介さんは一度お会いしたことがあるんですが、著名な作家である上に、お話もとっても面白い。文章を書く方って、推敲して面白い文章を書くのかなと思ってたんですけど、トップオブザヘッド(注:ヒップホップではその場に応じた完全即興/フリースタイルでラップする事を指す)でそんな面白い事言葉がポンポン出てくるなんて。武田砂鉄さんは、時事とか社会問題も取り扱われてるので、一番「デイ・キャッチ!」のリスナーと親和性が高いのかなって……と考えると、水曜日が非常に心もとない。だから、攻めるならここですよ(笑)。

── 松永さんは今回の新パーソナリティの中では唯一の20代になります。

ただ、自分が20代を代表するような価値観を持ってたり、20代のスタンダードな生活を送ってる訳がないので、「20代代表」というよりも、「DJ松永として」という意見になると思うし、それを大事にしたいですね。



僕がこの番組をやること自体が「ACTION」

── では、この番組で「ACTION」を起こしたい事は?

この番組は、パーソナリティも能動的に色んな事にチャレンジするというコンセプトがあるんですよね。その流れで言えば、僕は多くの人が当たり前にこなしていくような人生経験を、取りこぼしてきている事が多いんですよね。免許も無いし、海外旅行も行った事なければ、ディズニーランドとかテーマパークに行った事もない。中卒で社会経験も少ない。そういう「みんなが当たり前にやる事」を、番組を通して少しずつチャレンジしていくのもいいかなって。少しずつ人生経験を積んでいく様を、リアリティ・ショー的な、もっといえばモルモット的な感じで(笑)、楽しんで頂ければと。同じ様な人たちには一緒に感情移入してもらったり、人生の先輩方には成長を見守って貰えれば。皆さんは未熟な僕を愛してください。

── そこを威張られても(笑)。

そもそも、僕がこの番組をやること自体が「ACTION」だと思うんですよね。「ヒップホップの20代のアーティスト」が、夕方の帯番組をやるっていうのは、だいぶチャレンジングですよ。そこでの成長も楽しんでくれたら嬉しいし、やりながら色んなことを掴んでいくんだと思うので、とにかくがんばります。あと、自己肯定感が弱いので、とにかく褒めてくれないと走り続けられません。しかも、褒め言葉は消費が早い燃料です。数が大事。継続的に沢山褒めましょう(笑)

DJ松永(ディージェーまつなが)

1990年8月23日生 新潟県出身
HIP HOPユニット『Creepy Nuts』のDJ、ターンテーブリスト、トラックメイカー。
『Creepy Nuts』は、MCバトル日本一のラッパーR-指定と結成した1MC1DJのHIP HOPユニット。2017年、ソニー・ミュージック内に「CREEPERS」というレーベルを立ち上げ、シングル『高校デビュー、大学デビュー、全部失敗したけどメジャーデビュー。』でメジャーデビュー。クラブやライブハウスだけでなく、大型ロックフェスにも出演するなど、シーンを問わず幅広い音楽ファンを魅了している。



4月1日(月)スタート!
TBSラジオ 新番組「ACTION」

月〜金曜日 15:30〜17:30
パーソナリティ:【月】宮藤官九郎、【火】尾崎世界観、【水】DJ松永(Creepy Nuts)、【木】羽田圭介、【金】武田砂鉄
アシスタント:幸坂理加

よりワクワクする明日がくるように。
より楽しい日々が過ごせるように。
よりよい社会になるように。

この番組は、パーソナリティ、ゲスト、スポンサー、リスナーたちが「やってみた/やってみたい」という様々な「ACTION」を持ち寄り、呼びかけ、連鎖していくプラットフォーム。

なんでも受け身じゃつまらない!「やってみたい」を「やってみる」情報エンタテインメントプログラムです。